『かなり』

すっかり夏。

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住む世界が違う

どうも、坂津です。

 

先日「坂津さんって確かダーツやってたんですよね?」と、後輩から声を掛けられました。

 

私がダーツにハマってたのはもう8年以上前の話です。

当時はマイダーツとか買って毎日投げてましたけど、それっきり全くです。

しかし「人数合わせなんですけどお願いしたいんですよね」と言われ、まぁ久しぶりに投げてみるのも良いかと安請け合いしてしまいました。

 

それが、不幸の入口とも知らず。

 

ダーツをやらない方はさっぱり分からないと思いますが、実はデジタルダーツには機種があります。

私がその昔メインで投げていたのは『フェニックス』という機種です。

ダーツのゲーム自体のルールはどの機種でも変わらないのですが『レーティング』と呼ばれる、いわゆる『ダーツの上手さ』を表す数値の表現が違います。

まぁここでは『数字が大きいほど上手い』と思ってください。

 

フェニックスのレーティングは1から30まであり、私は17~19くらいでした。

しかもこれは『めっちゃ調子の良い瞬間最大記録』です。

通算すればようやく11ぐらいでしょうか。

 

これは『下手な人より上手い』という何とも中途半端なレベルです。

でも私自身としては、少なくとも『下手ではない』という自負はありました。

人数調整とは言え、呼ばれたからにはあんまり恥ずかしいダーツはできません。

久しぶりに投げることに、ちょっぴりの期待とたくさんの不安を抱きながら当日を迎えました。

 

しかし後輩に呼ばれて行ったその場は、文字通り『場違い』な魔窟だったのです。

 

恐らくダーツに限らずですが、『ガチで真剣に取り組む人』と『とりあえず自分が面白ければ良くてワイワイやる人』が居ます。

私は昔、ダーツに関しては前者でした。

今回もそーゆー枠で呼ばれたんだと思っていました。

レーティングの数字を思い出したのも、呼ばれたこの場で尋ねられたら答えられるようにという準備でした。

しかしその場に居たのは後者も後者、もうホントに『ルール?なにそれ美味しいの?』的な面子が揃っていたのです。

 

仕事の関係で少しだけ遅れて会場入りした私でしたが、もうすでに私以外のメンバーは割と酔っ払っておりました。

 

後輩「坂津さん!こっちこっち!もう始めてますよ!」

坂津「ああ、ごめんごめん。あれ?みんな飲んでる?」

女A「そりゃ飲むよね~(笑)ここバーなんだから~」

女B「はじめましてB子です。私とダブルスですよ~」

坂津「えぇ!?いきなりッ?練習とかできないのッ?」

女A「だって坂津サン?遅いから(笑)はい投げて~」

後輩「ちょうど良かったですよ坂津さん!ギリセーフ」

 

何がどうセーフなのか分かりませんが、とりあえずお店に着くなり矢を渡されました。

渡されたのはいわゆる『ハウスダーツ』と呼ばれる、お店の備品です。

皆が手に持っているのもハウスダーツです。

ここで私は「おや?」と思いました。

そしてすぐに「あ、ガチの人たちじゃ無いってことか・・・」と気付きました。

そしてポケットに忍ばせたマイダーツを出すのをやめました。

それにしても選んだお店が本格的過ぎるんだよなぁ、と思いながら。

ダーツバーには『ダーツの機械が置いてあるだけのバー』と『お酒も飲めるけどダーツするのがメインのお店』があります。

ここは完全に後者なお店だったのです。

 

とりあえずギリセーフと言われた私は無難に投げ終え、席に座りました。

 

すると。

 

女A「えいっ」

坂津「ッッッッ!!!!!」

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待て待て待て待て!

どうやったら矢が後ろに飛ぶんだ!?

いまギリセーフで避けられたけど、運が悪かったらどーなってたか分からんぞ!?

 

女A「きゃっきゃっきゃ(笑)ごめんごめ~ん(笑)」

女B「えぇっ?矢どこに行ったの?いま投げたよね?」

後輩「またかよA子せめて前に投げてくれよ~(笑)」

 

何が怖いってA子の「ごめん」は、私に向けられたのではなく、的をハズしてしまったことを後輩に謝っていたという事実。

そして後方に飛んだ矢の行方を誰も追わず、拾わずという態度。

私は怒りよりもむしろ悲しくなってしまいました。

足元に落ちた矢を拾い、そっとテーブルに置きます。

なんだか後輩も、A子もB子も、異次元から来たポドリムス人のように見えてきました。

店員さんとか他のお客さんの視線が突き刺さる気がします。

針のむしろとはこんな状態のことでしょうか。

 

坂津「あのさ、このゲームが終わったら店を変えよう」

 

私は彼らに提案しました。

幸いだったのは、特に議論になることもなく彼らが私の提案を受け入れてくれたことです。

お店を出るとき店員さんに軽く会釈をすると、店員さんは私にこっそり言いました。

 

「ありがとうございました」って。

 

あれは帰るお客さんに言う「ご利用ありがとうございました」じゃないと、私は思います。

 

女A「あ~、さっきの店暗いから投げづらかった~!」

後輩「お前明るさとかまったく関係無いレベルじゃん」

女B「なんか店員の態度も良くなかったし。次行こう」

坂津「ごめん会社から着信だ。仕事でトラブルらしい」

後輩「マジすか!うわー最悪ですね、お疲れさまです」

 

空気を読むとか言う次元の話では無かったように思います。

彼らには彼らのルールがあり、世界があり、秩序があるのでしょう。

今回、私がそこに馴染めなかっただけ。

 

彼らに対して「さっきのは良くないぞ」とか「マナーがあるだろ」とか言っても、きっと通じません。

逆に私が彼らのルールに従うことも出来ません。

 

私がどんなに美味しいと思っている食べ物も、それをマズイと感じる相手に対して、どれだけ言葉を尽くしてもそれは無意味です。

逆も然り。

私が美味しくないと思っている食べ物をどれだけ勧められても「この人はコレを美味しいと感じているんだな」という受け取り方しかできません。

でも私は知っています。

味覚は年齢と共にだんだん変わってくることを。

昔は食べられなかったものが歳を経て美味しさを感じられるようになることを。

 

仮に、また後輩からダーツに誘われても、私は行きません。

でもそれが2年後だったら、試しに行ってみるかもしれません。