『かなり』

干支に入れてよ猫

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僕らは地球

どうも、坂津です。

世の中には不思議な言葉がたくさんあります。

例えば、虚偽の発言をした相手に対して『嘘をつけ』と返したり、くだらない発言に対して『馬鹿言え』と返したりします。

本来なら『嘘つくな』『馬鹿なことを言うな』と言うべきですが、なぜか命令形で更なる虚偽やくだらない発言を要求します。

また猫背になっている人に対して『背筋せすじを伸ばしなさい』という表現もあります。

よく考えてみると、実際には前屈みになっているときの方が背中は伸びていますよね。

こんな風に、事実とは異なるのになぜかそんな表現をする、という言葉が日常的に使われています。

 

さて、そんな不思議な言葉の中でも、私が特に不思議に思っていた名詞があります。

それは『下着』や『靴下』です。

物理的な位置関係で言うのならば『内着』や『靴内』と言うべきでしょう。

下着は服の下に着ているわけではありませんし、何なら靴下は靴の上に乗っているんだから『靴上』でもおかしくないですよね。

 

で、これについて私は自分なりの解答に辿り着いています。

あれは小学6年生の頃。

 

理科の授業で地球の引力について習ったとき。

先生が黒板に、こんな図を描きました。

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地球はボール状で、私たちはその表面に存在している。

引力によって地球の中心に引っ張られているおかげでくっ付いていられる。

という、ごく当たり前の一般的な常識を教えてもらったのです。

『私たちは地球の表面にくっついている』のであって、決して『地球の上に乗っている』訳ではないのだと。

 

このとき私に電流が走りました。

この図を見た私は『私が高いと思って見上げている空も、地球の反対側の誰かの遥か足の下なんだ』と解釈したのです。

つまり私にとっての『上』は、別の誰かにとっては『下』なのだと。

もっと言えば『右』かも知れないし『左斜め上』かも知れない。

位置関係を示す言葉の数々が急速に信頼感を失った瞬間でした。

何を中心に置いて語るかによって上下左右前後はガラリと意味が変わるのです。

 

で、同時にずっと疑問だった『下着』『靴下』の謎が解けたのです。

『下着』も『靴下』も、なんだったら『皮下脂肪』だって、全ては『自分を地球に見立てた位置関係』で語られているのだと。

つまり自分を中心にして『内側が下』で『外側が上』なのです。

これまさに地球。

『下着』も『靴下』も、なんら矛盾の無い正当な言葉だったのです。