どうも、坂津です。
クリスマスが近いということで、妻とちょっとだけ良いランチを食べに、ホテルのレストランへ行きました。
まぁでも、本当に「ちょっとだけ」です。
メインを注文して、あとはビュッフェ形式というカジュアルなお店でした。
私「これくらいのカジュアル感が安心するよね」
妻「うん。あんまり気取ってるのは疲れるから」
ホテル内とは言え最上階とかじゃなく2階ですし、景色が良いなんてこともありません。
ドレスコードも無く、他のお客様の服装もカジュアルな感じです。
ジャージ姿の子供たちや、工具を腰から下げた作業着姿のおじさんたちも居ました。
私「ねぇ、思ってたよりカジュアルだよねぇ?」
妻「うん。カジュアルって便利な言葉だよねぇ」
私「とりあえず注文しよう。メニューメニュー」
妻「ほう。週替わりとな。お肉かお魚か・・・」
私『国産豚バラと根菜のアドボに芹を添えて!』
私「ねぇ、『アドボ』って何?美味しいもの?」
妻「知らずに発注したの?相変わらず無謀だね」
私「知ってるものだけ食べる人生などつまらぬ」
妻「そうやって幾人の先人が命を落としたのか」
私「いいから教えてよアドボって何なのさー!」
妻「知らぬ。私はビュッフェへ赴くのでさらば」
私「あー!ずるい私も行く!待ってねぇ待って」
あくまで前菜ですから、そんなにガッツリとは取りません。
ただ、ポテトもパスタもパンも、今日ばっかりは解禁です。
せっかくの外食ですから糖質を気にしてなど居られません。
私「うわ、スープにクルトン入れ過ぎた・・・」
妻「パンを1個にしたの?偉いねぇ!よしよし」
私「今日はデザートも食べますのでぬかりなく」
妻「それはさておき『アドボ』とは何だろうね」
私「まぁ皿が来て実際に見てから考えようかな」
そして提供されたのが、こちら。
おお、これが『国産豚バラと根菜のアドボに芹を添えて』か!
・・・。
これ、クレソンだよね?
芹ってもっと葉っぱがジャギジャギした形じゃない?
んで、結局アドボって何だろう。
私「ねぇラブやん結局アドボが行方不明だよ!」
妻「うむ。どれがアドボなのか見当もつかんね」
私「ちょっとすみません、お尋ねしたいことが」
こういうときは店員さんに聞くのが一番だと思い、妻のサーモンを配膳しているウェイトレスさんに質問をブッ込みました。
私「この皿の、どの部分が『アドボ』ですか?」
ウ「しょ・・・少々、お、お待ち下さい・・・」
一瞬前までにこやかな笑顔でお仕事をしていたウェイトレスさんの表情が一気に曇りました。
そして早足でテーブルから立ち去り、ちょうど店の出入り口付近に立っていたギャルソンさんに耳打ちをします。
ギャルソンさんは眉間にシワを寄せると、そのまま隣のレジ係りの人になにかボソボソと話しかけます。
レジ係りの人は大袈裟に首をひねり、そしてフルフルと首を横に振りました。
するとギャルソンさんは店の奥側を指し示し、ウェイトレスさんに何か指示を出しました。
それを受けたウェイトレスさんが向かった先は厨房へ続くドア。
そして。
彼女は帰ってきません。
私「ねぇ、あの子なんで戻って来ないのかな?」
妻「忘れられちゃったんじゃない?冷めるよ?」
私「いや、さすがに今これ食べられないでしょ」
妻「確かにwどれがアドボか分からないもんね」
そうなのです。
仮に私が「これはさすがにアドボじゃねーだろ」と思って食べた物が万が一アドボだった場合、彼女が戻って来たときに「お客様!こちらのお皿にはアドボが見当たりません!」とかパニックになっても困るし。
んでとりあえずお肉を小さく切って食べたり、2切れある野菜を食べたりして時間を稼ぎました。
皿の上から無くなる食材が出ないよう、慎重にゆっくりと食べます。
そしてようやくウェイトレスさんが戻ってきました。
ウ「お客様、大変お待たせいたしました・・・」
私「こちらこそ変なこと聞いてごめんなさいね」
ウ「滅相もございません。さて、アドボですが」
私「どれどれッ?どれが『アドボ』なのかな?」
ウ「『こちらの根菜がアドボ』でございます!」
私「えっ。待って根菜って言った?アドボが?」
ウ「はい!アドボとは根菜という意味なのです」
私「・・・へぇ・・・お手数をお掛けしました」
根菜?
この皿の上にある根菜って、ゴボウだけじゃね?
他は果菜じゃね?
つまり私はアドボを発注したのにアドボレスメニューを提供されたってこと?
妻「旦那、アドボは皆の心の中にあるんだよ?」
私「そだね。私は私だけのアドボを見付けるよ」
妻「そんなことよりデザート食べなきゃだよね」
私「うん。今日は甘いもの解禁しなきゃだよね」
しかしアドボショックから立ち直れない私の手はブレッブレなのでありました。
後で調べてみたら、お肉の方がアドボだったらしいです。
とりあえずあのウェイトレスちゃんが今後、他のお客さんにドヤ顔で「アドボは根菜でございます!」とか言わないことを祈る。