『かなり』

干支に入れてよ猫

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原価厨マジうぜぇ

どうも、坂津です。

世の中には原価と売価の関係性を正しく認識できていない人が一定数おられるようで。

値段が付けられ販売されている商品について『これの原価はこのくらいだから値段が不当に高い』などと自分の無知浅学を披露する人がいます。

大抵こういう場合、材料原価しか見ていないことが多いですね。

例えば、こういうこと。

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砂糖水という500円の商品があったとします。

こんな単純な商品はあまり無いのですが、説明をシンプルにするためです。

このとき、砂糖水の材料は水と砂糖の2種類。

使用されている水は1リットル100円、砂糖は1キロ300円で購入したとします。

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今回の砂糖水は水100mlと砂糖100gで作るので、水1リットルと砂糖1キロから製造できる砂糖水は、10セットってことになります。

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なので砂糖水1杯あたりの材料原価は、水が10円分、砂糖が30円分で、合計40円になりますね。

 

んで、この40円だけを見て「販売価格が500円って暴利にもほどがあるでしょ」とか言い出す残念さ。

たぶんこういうことを言い出す人は社会に出て働いたことが無いか、もしくは自分の給料がどうやって発生しているのか考えたことが無い人でしょうね。

 

この砂糖水を企画し、商品化するに至るまでの試行錯誤にかかる金額は、研究開発費です。

水1リットルに対して何gの砂糖を加えるのが良いか、様々な分量を試していたとしたら、その分の費用は商品代に反映されるべきですよね。

水と砂糖の比率だけでなく、どこ産の水が良いのかや、どのメーカーの砂糖が良いのかなど、目の前の砂糖水が作られるまでの経緯を知り得ない以上、付けられた値段に対して暴利と断ずるのは早計に過ぎると思います。

 

そしてその研究開発を行い、また商品を製造する作業を行った人に発生する賃金は、人件費(労務費)になります。

材料を買い揃えただけで自動的に商品が生まれるわけではありません。

必ず人の手が入り、そこには仕事が発生しているのです。

目の前の砂糖水が作られるまでの労力を知り得ない以上、付けられた値段に対して暴利と断ずるのはまさに愚鈍だと思います。

 

更にこの砂糖水を作るための機材費、販売所まで運ぶ運送費、その販売所の家賃、水道光熱費、レンタル会場なら使用料、1杯ずつ提供するための梱包資材費、発売を告知するための広告宣伝費などなど、ひとつの商品には目に見えない経費が盛りだくさん含まれています。

目の前の砂糖水に関わる全ての費用内容も知らない癖に、付けられた値段に対して暴利と断ずるのは自身の無知蒙昧を証明していると言わざるを得ません。

 

もっと言えば、この砂糖水1杯あたりの材料原価は確かに40円ですが、これを製造するためには水1リットル100円と砂糖1キロ300円の購入が不可欠です。

つまり400円の原価は必ず発生するということです。

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仮に10杯の砂糖水を作ったけれども、1杯しか売れなかったとします。

そうなると残りの9杯は残念ながら廃棄ということになります。

こう考えると、売れた1杯分の砂糖水の材料原価は400円になりますよね。

材料費が400円のものを500円で売ってどこが暴利なのか、と思いませんか?

 

要するに、商品の原価の中には実際に発生している費用の他に『売れ残りなどによる販売ロス分』も含まれなければならないのです。

 

これらを踏まえ、商品の値段には自分の知らない経費がたくさん含まれているんだということをしっかりと認識してください。

 

ただし。

私が言うのはあくまでも『暴利だ』『不当な利益だ』と発するべきでないということです。

『値段が高い』『あまりにも高額だ』という発言であれば特に制止することもありません。

物の価値については個人が自由に解釈すべきだと思っています。

そして商品に対して自分が感じている価値以上の値段が付けられている場合、買わなければ良いだけの話なのです。

わざわざ自分がよく知りもしない原価の話など持ち出して罵詈雑言を吐き出すのではなく、静かにその場を去るだけで良いのです。