どうも、坂津です。
我が家の新居はできるだけアンティーク家具、もしくはアンティーク調家具で揃えられています。
妻も私もそーゆーのが好きなので、ついそーゆーお店を覗いてしまい、一目惚れして購入してしまうのです。
しかし、これは割と理解されないことも多く。
先輩「どうだ坂津、新居は快適か?」
坂津「はい、お陰さまで。最高です」
先輩「部屋の写真とかある?見せて」
坂津「どうぞどうぞ。コレとコレと」
先輩「んん?なぁ、これって中古?」
坂津「中古と言えば中古ですケド…」
そう、確かに見方を変えれば単なる中古家具なワケで。
カタカナで『インポートアンティークファニチャー』なんて呼べば格好良い感じがしますけど、それに価値を感じない人にとっては単なる『輸入中古家具』なワケです。
先輩「ちなみにコレいくらだった?」
坂津「確か5万円くらいだったかと」
先輩「はっ!?マジ!?中古で!?」
そもそも輸入している時点でそれなりのコストが掛かっていますから、普通の国産品と比較するのはお門違いなのですが、しかし伝わらない人には伝わらないのです。
そこで、ちょっと分かりやすく説明してみることにしました。
「良いですか先輩。
まず海外からの輸入って、結構なコストが掛かるんです。
例えばこれを見てください」
「これは『船便の40フィートコンテナ』で『中古家具』を『イギリスのロンドン』から『日本の大阪』まで運んだ場合の送料です」
「2,485ドルなのでざっくり28万円ほどですね」
「ちなみにこれには保険料も陸上輸送料も含まれていません。サーチャージや関税などの諸経費を考えるならば倍は見積らねばなりませんので、56万円が輸入にかかると思ってください」
「その56万円は当然、積荷の販売価格に加算されなければなりませんよね。例えば40フィートコンテナの内寸はこのくらいです」
「それに、そうですね、例えば4人家族で使用する一般的な500リットル冷蔵庫がどのくらい並べられるか考えてみましょうか」
「500リットル冷蔵庫はおよそ、高さ180cm、幅70cm、奥行き70cmです。本来ならこれを梱包しますからもっと膨らみますが、今は計算しやすいように考えますね」
「ざっとこんな感じになります。3列×17列で51台。さっきも言いましたけど本来は緩衝材や段ボールの体積分がマイナスされるので、もっと少なくなりますけどね」
「で、さっきの56万円を51台で割ると、およそ11,000円の送料が1台あたりに割り振られる計算になります」
「今回は計算し易いように冷蔵庫で考えましたけど、普通の輸入家具や輸入雑貨などは様々な形状の物をみっちり隙間無く、可能な限りたくさん詰め込みますので、もっと1アイテムごとにかかる送料は減りますけどね?」
「とは言え海を渡って来るのに、想像以上のコストが掛かっていることは分かっていただけたと思います」
「単純に考えても、海外での仕入原価に輸送料とか倉庫での保管費とか、まだまだ計算していないコストはありますから、どうしても高額になっちゃうんですよ」
ここまで説明し、私は先輩の表情を確認しました。
まだ眉間にシワが寄っています。
先輩「輸入品が高い理由は分かったぞ」
坂津「おおっ!それは良かったです!」
先輩「じゃあやっぱ国産が得じゃね?」
坂津「・・・」
実際の数字や仕組みを説明することは可能でも、自分が感じる価値について説明することは無理なのでした。