『かなり』

干支に入れてよ猫

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肉を肉で巻いて食べる肉食系肉

どうも、坂津です。

帰宅するなり妻が仕掛けてきました。

 

妻「おかえりなさい今日は何の日でしょう!?」

私「ただいま。えっと10月最後の大安かな?」

妻「六曜なんていちいち覚えてねぇよハズレ!」

私「あ!そうだ!クリリンの誕生日だよ今日!」

妻「ハズレだけどそうかクリリンおめでとう!」

私「え~じゃあ分かんないよ何?何の日なの?」

 

などと他愛の無い意味の無い愛の有るやりとりをしつつ衣類を1枚ずつ脱ぎ去り入浴の準備をする私。

帰宅後はお風呂直行が私の行動パターンです。

そしてキレイサッパリ、汗と垢と日中の記憶を洗い流した私が食卓につくと、お皿の上に白い塊が置いてありました。

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私「ああ~!モスだ~!何だろう、菜摘かな?」

妻「ふふふ・・・さぁ、今日は何の日かなぁ?」

 

我々夫婦は二人して『定期的にモスバーガーが食べたくなる病』を患っており、禁断症状の発作が起きる前にこうして食べることにしているのです。

しかし、包みを開けた私は衝撃を受けました。

いつものバーガーじゃない。

 

私「あ・・・何かこれCMでやってた気がする」

妻「でしょ?今日は29にくの日だったのでーす!」

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モスバーガーと言えば、ハンバーガーの概念の基礎とも言うべきバンズ(上下のパン部分)を変質させることで有名ですよね。

ご飯になってるライスバーガーとか、葉っぱになってる菜摘とか。

このバーガーはそのバンズが、ミートパテになっているようです。

 

本来ならばパンやその他もろもろの素材に挟まれ、ハンバーガーの中心で上下からの圧力に耐えているミートパテ。

その姿はまるで上司からのプレッシャーと部下からの突き上げに苦しむ中間管理職のようで、私は一方的なシンパシーを感じていました。

しかし、そのミートパテが今、他の具材たちを完全にホールドしているではありませんか。

まさかこんな日が来ようとは。

 

私「中間管理職が日の目を見るときが来たんだ」

妻「何を言ってるのか分からねぇがまぁ食えや」

 

そう言いながら妻はきちんと栄養バランスも考えてくれていました。

サラダと、そして黒烏龍。

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ミートパテの昇進と妻の配慮に感涙しつつ、私は肉塊にかじりつきました。

 

刃物で切ったキレイな断面でなく私がかじったあとで申し訳ありませんが、構造はこんな感じです。

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私「んん~・・・?あれ?ん~・・・なんだろ」

妻「あれれ?思ったより美味しくないのかな?」

私「おいしい・・・。美味しいんだけど・・・」

妻「アラフォーの弱った胃には厳しかったか?」

私「いや、そうじゃない。そうかもだけど違う」

妻「じゃ何が問題なのかね?お肉好きでしょ?」

 

これまでパンやレタスやトマトなどに圧迫され続けていたミートパテ。

しかし、それでもその存在感は失われていませんでした。

いや、むしろ主役級の輝きを放っていたと表現しても過言ではありません。

そうか。

パテは他の具材から圧迫されていたのではなく、むしろ皆に押し上げてもらっていたんだ!

 

そのミートパテが、上下から他の具材を挟み込むという絶好のポジションを得たにも関わらず、しかし逆に存在感が希薄になっているような気がするのです。

 

私「中身の焼肉が美味しい。チキンも美味しい」

妻「美味しいなら良いけどなんで寂しそうなの」

私「これ、ミートパテの価値が暴落してるんだ」

 

恐らくは中身の焼肉とチキンを邪魔しないよう、ミートパテの味付けや食感が調整されているのでしょう。

従来のハンバーガーであれば溢れんばかりの肉汁を撒き散らし自身の価値を証明し続けていたはずのパテ。

それが、中身の具材に気を遣って身を引き、全体のバランスを取ることに従事しているのです。

つまり舞台演劇で言えば主役の座から降りた役者が大道具や照明効果を担っているようなもの。

もちろんそれらの後方支援だって重要な役割ですが、やはり寂寞せきばくの思いを禁じえません。

 

私「・・・老兵はただ去るのみ・・・か・・・」

妻「これにそんな感想言うの旦那だけだろうね」

 

結論。

にくにくにくバーガーはめっちゃ美味しいけど寂しいバーガーでした。