『かなり』

雨も嫌がらずに受け入れよう。

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受験の日の衝撃

どうも、坂津です。

今週のお題「受験」

私が今でも忘れられない、強烈なあの出来事。

それは高校受験の日。

 

受ける学校の前評判などは特に気にせず、実家から自転車で通えるかどうかが学校選びの基準だった私。

しかし最も近かった学校は学力的にまず無理だろうと諦め、少しだけ遠い(自転車で25分くらいの)ところを受験しました。

仮にここをM高校としましょうか。

M高校付近は中学生の私には未開拓エリアであり、周囲の風景がとても新鮮でした。

試験自体はスムーズに終わり、たぶん受かっただろうという安堵を覚えながらの帰宅途中、その出来事に遭遇したのです。

 

想像よりも試験が簡単だったことによる気の緩みと、終わった後の解放感から、私はM高校の周囲をぐるりと見物してみることにしました。

と言うのも、実はもうひとつ受験する予定があり、受かればそっちに行くつもりだったのです。

こちらはS高校としましょう。

この調子で行けばS高校にも受かるだろう。

だから恐らくはもう、このM高校やその周辺に来ることなど無いし、一期一会を楽しもう・・・そんな考えでした。

 

でも、それが、いけなかった。

 

「オルァッッッ!!」

 

「げはぁ!」

 

「ギャハハハハ!」

 

何やらとんでもなくオラついた声。

明らかに被ダメージ感のある悲鳴。

それからガラの悪い複数の笑い声。

 

何が起きているか、十中八九予想できるサウンド。

脳が「今すぐ引き返せッ!」と警報を鳴らします。

私の中の天使と悪魔がディベートを開始しました。

 

天使「君子危うきに近寄らずという言葉を知らんのか」

悪魔「君子ってのは得が高く品位ある奴のことだぜ?」

天使「あれ?そうなの?じゃあ当てはまらない・・・」

悪魔「だろ?だからYOU行っちゃいなよ!ほらっ!」

 

私は高鳴る鼓動を落ち着けるために心の句を詠みました。

 

『この先で たぶん誰かが フルボッコ

 

よし、行こう。

 

怖いもの見たさという欲求を抑えることができなかった私は、そろりそろりと路地裏の角から向こうを覗いて見たのでした。

 

そして。

 

見てしまったのです。

 

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なんということでしょう。

複数の女子に、一人の男子がボッコボコにされていました。

しかもその男子はさっき私が受験した学校の生徒ではありませんか。

そして女子たちは、すぐ近所の女子高の制服を着ています。

 

そう言えば聞いたことがある・・・。

あの女子高は不良が多いって・・・。

でもまさか男子を狩るなんて・・・。

女子が男子を取り囲んで攻撃・・・。

まさかこれが日常茶飯事とか・・・。

男子はされるがまま無抵抗だ・・・。

女子達の攻撃はエスカレート・・・。

女子達のとても短いスカート・・・。

女子達の無邪気で邪悪な嘲笑・・・。

 

これが少年漫画の主人公なら飛び出して割って入る場面でしょう。

しかし私は一介の中学生。

物音を立てないようにゆっくりと後ずさることしかできませんでした。

 

そして帰宅後、私は両親にきちんと説明しました。

 

「お父さん、お母さん、今日受験してきたM高校ですが、自己採点ではたぶん合格しています。この後の予定ではS高校も受けることになっています。でも、もう受けません。私はM高校に行きたいです。M高校はとても素晴らしいところでした。特に周囲の環境が素晴らしいと思いました。是非お願いします」

 

こうして私は次の春からM高校に通うことになったのです。