どうも、坂津です。
妄想癖のある私ですが、1日のうち最も妄想が捗るのが入浴中です。
特にスカルプシャンプーで頭皮を洗浄しているときは甚だしく妄想してしまいます。
妄想の中身は日替わりで特に何の意味もありませんが、だいたい架空の物語が進行します。
で、通常だと入浴を終えてパジャマを着る頃にはその内容はキレイさっぱり忘れているのです。
ただ、たまに忘れず覚えている妄想劇もあります。
今回はそんな『忘れられなかった物語』を文字にしてみようと思います。
今日も声を掛けるチャンスを窺っていた。
相手は同じクラスの女子。
委員長の
中学校は別々で、それまで特に面識も無かったこの2人。
しかし
とは言え、引っ込み思案で物静かな陰キャの
しかし、ある日。
まさか夢でも見ているのだろうか。
なんと、
「ねぇ
化学準備室にある薬品を授業前に用意するのを手伝って欲しいということだった。
しかし、なぜ自分に?
気になっていたことを伝えるチャンスであるにも関わらず、
先に入るよう促された化学準備室には、棚にたくさんの薬品が並んでいた。
それらをぼーっと見ていると、背後で『カチャッ』と音がした。
施錠された音だ。
慌てて振り返る
そこには、後ろ手で扉の鍵をかけた
「これで、ここには誰も来ないわ」
そう言うと
「
抑揚がほとんど無い淡々とした口調で問われた内容に、
「な、何のこと?」
「とぼけないで。始業式からこっち、毎日ずっと私の方をチラチラ見てたでしょ? ねぇ、あなたも気付いているんでしょう?」
ズイと一歩近付く
まさか、まさか彼女も自分と同じように、自分のことを気にしていたのか?
「良い? 絶対に人に言っちゃダメだからね。これはあなたと私だけの秘密よ」
自分が彼女を気にしていたように、彼女も自分を気にしていた。
だがそれは絶対に人に知られてはいけない極秘事項。
このことは誰にも気付かれてはいけないのだ。
ひょうきんな印象のその男子が黒板に名前を書いたその時、
「どうも~、俺は
そして、
蒼白になる
悲嘆に暮れる
今まで友人達にバレないように気付かれないように生きてきたというのに。
彼はこう言ったのだ。
「俺の名前、音読みすると“ゴキブリ”になるけど、それでイジるのは勘弁してね」