どうも、坂津です。
運転中はなるべく穏やかな気持ちでいようと心掛けています。
しかしながら私にも実は「若かりし頃」という時期があり、思い上がりと過信と運頼みのドライブをしておりました。
そのせいで事故を起こし、2台の車輛を廃車にしています。
幸いにも怪我は無く、車が大破しただけでした。
こんな私が現在、安全運転を心掛けられるようになったのは、こんな出来事があったからです。
いつもなら23時も軽く回っちゃうような帰宅が、この日は久しぶりに仕事が早く片付いたので21時に退社できました。
帰ったらリネージュやろー!とウキウキしながらハンドルを握っていました。
こういうときって、気持ちに余裕が出るんですよね。
片側二車線ずつの対向四車線道路を走っていました。
それに繋がる枝道から、合流したそうな車を発見しました。
幸いにも対向車は通過した直後で追従車も居ません。
私が減速すればスイッと入れるでしょう。
バックミラーで後続を確認しますが、ここで入れないとしばらく待たされそうです。
私の減速に気が付いた合流車輛はグンとアクセルを踏んで私の前に入ってきました。
この車を「赤」と呼びましょう。
しかし。
「赤」の後ろからもう1台がものすごい加速で割り込んで来たのです。
この車を「黄」と呼びます。
私は慌ててブレーキを踏み込み、更なる減速を余儀なくされました。
はぁッ!?何なの!?マジ何なの!?
私はブチ切れそうになりました。
しかし、なにせ今日は心に余裕があるのです。
良かろう良かろう。1台や2台が前に入ったところで何も変わらぬわい。
しかし「黄」と「赤」の車間距離が気になるところ。
「黄」は驚くほど「赤」を煽っています。
と思ったら「黄」が急ハンドルで左車線へ。
どうやら左車線から「赤」を追い抜こうとしているようです。
次の瞬間、なんと「赤」がウィンカーと同時に左車線へ!
急ブレーキで接触を回避すると同時に右車線へと躍り出る「黄」!
そして並走する「黄」。
想像するに「赤」は、煽られたことにより第一通行帯(左車線)へ避けようとし、それが「黄」が左車線に行こうとしたのと同時だったということか。
結果的に、ワザとじゃないけど喧嘩を売ったみたいになった可哀相な「赤」と、イライラ危険運転の末に勘違いでブチ切れて並走する「黄」という構図が完成しました。
次の瞬間。
「赤」が急ブレーキ、停車。
ほぼ同時に私は強めのブレーキで急減速、停車。
後続車の方々も減速、停車。
「黄」はノーブレーキ&衝突、そして急ブレーキ、停車。
コンビニの買い物袋を提げた若い男性の歩行者が、轢かれました。
ここは横断歩道ではありませんので歩行者にも過失はあるでしょうが、明らかに「黄」の前方不注意です。
道路に横たわる男性に最初に駆け寄ったのは、コンビニから出てきた他のお客さん。
次に「赤」の運転手。
手に携帯を持っているので救急か警察かに電話していることでしょう。
「黄」は停車したまま、運転手が降りてくる気配はありません。
私はハザードランプを点け、後続車に停車の理由を説明しに行きました。
数台後ろに現場のおっちゃんらしき人がおり、LED誘導棒を持って出てきてくれました。
このまま車が渋滞していると救急車が到着できないかもしれないという配慮でした。
さすがはプロ、発煙筒とコーンで事故現場を隔離し、対向車線側の2車線を上手く使って車を流し始めました。
救急車は10分くらいで到着したと思います。
その後1~2分でパトカーも来ました。
私は警察官に私が見た通りの状況を伝え、その場を後にしました。
そしてそれから2日後、例の事故現場。
家路へ運転する私の視界に、歩道の傍らの花束が。
急に恐怖が湧いてきました。
すぐにコンビニの駐車場に入りました。
店内に入り、缶コーヒーを買いがてら店員さんに尋ねました。
「おととい、事故あったみたいですね」
「そうなんですよ。ウチの常連の学生さんでね」
「あの、歩道に花束が・・・」
「ええ、亡くなったそうです。わき見運転らしいですよ」
もしあのとき「赤」を前に入れず、いつもの傍若無人な運転をしていたとしたら、轢いていたのは「黄」ではなく私だったかもしれません。
そう思うと怖くて怖くてたまりませんでした。
コンビニから出て、ついつい視界に入った花束。
周囲には缶ビールや乾物、漫画雑誌やスナック菓子などが置かれていました。
今ではもう当時のショックはあまり残っていません。
つい「このくらい良いかな」という運転をしてしまうこともあります。
しかし、運転中に荒い走行や危険な行為を見て咄嗟にカッとなるとき、イライラしてしまうとき、すぐに「落ち付ついて深呼吸」ができるようになりました。
あんな経験をしないと安全運転もできないのかと自嘲してしまいますが、人間「志」を立てるのに遅すぎるということは無いですから。
12月は年間で最も交通事故が多いそうです。
皆さんもどうか「自分は四輪兵器を操舵している」というつもりでくれぐれも安全に気を付けてくださいね。