『かなり』

干支に入れてよ猫

【スポンサーリンク】

バイクとピアスと親指と

どうも、坂津です。

トラック、バス、電車と変遷してきた息子の好きな乗り物ですが、ここ最近ではバイクにも興味を示します。

散歩中に大型バイクなどが傍を通過すると両手両足をジタバタさせて興奮状態であることを全力表現します。

 

緊急事態宣言も解除された先日、息子を抱っこして久しぶりに車通りの多い道沿いを歩きました。

息子が好きな大型トラックはもちろんのこと、バスやタンクローリーコンクリートミキサー車なども通るので大興奮の1歳児。

また横断歩道のある交差点では車が赤信号で止まるので、間近で大きな車体を堪能することができる特典付き。

 

そんな交差点で、歩行者信号が青になったとき。

 

大きなエンジン音をドゥルンドゥルン響かせながら、大きな格好良いバイクが赤信号で止まりました。

たぶんトライアンフ

私の腕の中の息子は既にビチビチと踊っており、ボルテージが上がっているのが振動で分かります。

 

が、私はそのバイクを直視することができませんでした。

なぜなら、それにまたがるライダーさんの風貌が、私の『見るという行為を妨害するに足る脅威』だったからです。

 

まずノーヘル。

いや、正確には『ゴーグル付きの半帽を後頭部にずらしている』状態でした。

そしてソフトモヒカン。

更に数え切れないほどのピアス。

私は心の中で(ギタラクル・・・!)と叫びました。

f:id:sakatsu_kana:20200526101924j:plain

いや、でもこんなに主張の激しいピン型ピアスじゃないなぁ。

ここはひとつ『ヘルレイザー』だろうか?

f:id:sakatsu_kana:20200526102126j:plain

いやいや、さすがに顔面にこんな刺さってるわけじゃないもんな。

耳と鼻と下唇くらいだし。

 

とは言えまぁとにかく、普通の人生を歩むなら『決して自分から話しかけてはいけない相手』ってことだけは確かです。

私は一層激しくビクンビクンと躍動する息子をキュッと抱きしめ、横断歩道を渡りました。

 

しかし、このときの私は、息子のほとばしるテンションとたぎるエモーションを甘く見ていました。

 

子「イェーイッッ!!!」

 

息子がピアスお兄さんに向って両手を上げブンブン振りながら歓声を上げたのです。

 

(はっ!?ちょ、おま、何やってんのねぇちょっとマジでオイオイやめてよぉぉぉ)

 

内心で青ざめ狼狽すること0.8秒。

ピアスお兄さんが前輪ブレーキ及びアクセルから手を離し、右手をニュッと突き出しました。

そしてライダーグローブに包まれたイカツイ親指をグッと立てたのです。

私が軽く会釈をしながら横断歩道を渡りきると、歩行者信号が赤になり、そして車道の信号が青になりました。

バルルルルルとエンジン音を鳴らして走り去っていくピアスお兄さん。

 

良い奴じゃん!!

 

いやノーヘルだったけど。

時代が世紀末なら「ヒャッハー水だ水だぁー」って言ってそうな風貌だったけど。

それでも私は、とても快いサムズアップだったと思うのです。

f:id:sakatsu_kana:20200526104449j:plain