どうも、坂津です。
※卑猥な画像を撮った写真がありますのでご注意ください。
時代の移り変わりと共に栄華を極める分野もあれば、逆に零落してしまう分野もあります。
音楽メディアがディスクではなくダウンロード形式に移り変わったり、雑誌類も紙媒体でなくデジタルに変遷したり。
栄枯盛衰、諸行無常、勃興滅亡は世の習い。
これだけインターネットが普及し、スマホが行き渡っている時代です。
ホテルの部屋にはWi-Fiが飛んでいます。
だから私は、もう無くなるだろうと思っていたんです。
それなのに、なんか逆に充実してない?
昔はこんなにチャンネル数が多くなかった気がする。
ジャンルも幅広くカバーされてて、よっぽどマニアックな趣味じゃなきゃどれかが当たるだろってくらいのナインナップ。
一昔前じゃ本当に考えられないですよ、アニメがあるなんて。
とは言え、冒頭でも言いましたが、これらの需要って本当にあるんですかね?
ホテルにおけるペイチャンネルの売り上げってどのくらいなんでしょう?
だって、スマホもパソコンも有るのに。
どんな人がわざわざ有料カード買って観るんでしょうか。
でもこんだけ番組が作られてるってことは、やっぱ需要があるってことだろうなぁ。
だけどやっぱり分からない。
こんなの1,000円のカードを買って観る意味が分からない。
と、思ってたら。
坂津「えーっと、製氷機は確かここに・・・」
同僚「あ・・・」
坂津「お、どしたの?お前も氷・・・あ・・・」
同僚「(サッ)ちょっと喉が乾いてな!お茶買お、お茶!」
坂津「あ、あぁ、部屋すげぇ乾燥してるもんな」
同僚「そーなんだよ!すっげぇ乾燥しててさ!」
坂津「んじゃ、また明日な」
同僚「おう!おやすみ!」
お前か!
いえね、単独の出張じゃないこともあるんですよ。
同僚と同行で同じホテルに泊まるとかもあるんです。
んでホテルの設備で、自動販売機と有料チャンネルのカード販売機と製氷機って同じ場所に設置されてたりするんですよね。
焼酎をロックで飲みたいときには氷が要るじゃないですか。
製氷機に行くじゃないですか。
同僚と遭遇するじゃないですか。
その手には例のカードがしっかり保持されてるじゃないですか。
見て見ぬふりして話を逸らすじゃないですか。
こんな身近にユーザーが居たなんて!
翌日、勇気を振り絞って聞いてみました。
坂津「真剣な話なんだけど」
同僚「ん?どした?」
坂津「このご時世に、なんでペイチャンネルなんだ?」
同僚「ッ!?」
坂津「お前もスマホ持ってるし、確かPCも持って来てるよな?」
同僚「お、おう・・・」
坂津「エロい素材ならネットにいくらでも転がってるだろ?」
同僚「・・・そうだな」
坂津「なのになぜわざわざ有料放送を観る必要がある?」
同僚「そうか。お前は、そっち側の人間か・・・」
坂津「ん?」
同僚「お前は、登山はするか?」
坂津「いや、しないけど」
同僚「そうか。俺もしない」
坂津「え?」
同僚「でも、同じだと思うんだよな」
坂津「は?」
同僚「山の頂に到達するということだけが目的なら、別に歩いて登る必要は無い。車でもヘリでも使えば良いよな」
坂津「そうだな」
同僚「だがなぜ人は『歩いて登る』と思う?」
坂津「さ、さぁ・・・」
同僚「お前、格闘技はやるか?」
坂津「え?いや、やらんけど」
同僚「そうか、俺もやらん」
坂津「ん?」
同僚「格闘家はなぜ、戦うんだろうな?」
坂津「へ?」
同僚「相手に勝つためなら、武器を使えば良いし罠を仕掛ければ良い。だが彼らは限られたルールの中で戦おうとする。なぜだ?」
坂津「知らんがな」
同僚「お前、ベルマークは集めているか?」
坂津「いんや」
同僚「だろうな。俺もだ」
坂津「そろそろ遠回りはよせ」
同僚「人はなぜ、様々なものを集めてしまうんだろうな」
坂津「収集癖は私にもあるからなんとなく分かるが、ペイチャンネルについての回答をよこせと言っている」
同僚「なんか観ちゃうんだよ」
坂津「は?」
同僚「もはやエロいものが観たいという動機を超越した何かに突き動かされているんだ俺は!」
坂津「それはアレか。特に意味は無いけど習慣化してるからって感じのやつか」
同僚「そんな感じだ。もう出張=ペイチャンネルという方程式は、驚天動地の天変地異でも起きなけりゃ覆ることは無い!」
坂津「言い切りやがった・・・」
もしかするとレアなケースかもしれませんが、貴重なユーザーの声を聴けました。
自分が価値を感じない物に対しても『それが商品として存在している=お金を払っている人が存在している』ということなのです。
そして価値とは、人が物に与える狭義の特徴であり、その価値が万人に共通するとは限らないのです。
改めて、『価値』というものについて考えるきっかけになりました。