『かなり』

干支に入れてよ猫

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卵に関する考察

どうも、坂津です。

先日のお昼休み。

同僚が溜息混じりに言いました。

 

同僚「はぁ~・・・やっちまった・・・」

坂津「どしたの?」

同僚「昼飯さ、コンビニのパスタにしたんだよ」

坂津「ああ、さっき温めてたね」

同僚「半熟卵のカルボナーラだったんだけどさ」

坂津「おお、美味そうじゃん」

同僚「500Wで3分って書いてあったんだよ」

坂津「ふむ」

同僚「だから3分温めたんだけどさ」

坂津「おいおい、事務所のレンジ700Wだろ?」

同僚「そうなんだよぉ~!! 楽しみにしてた半熟卵が全熟卵になっちゃったんだよ~!!」

坂津「ん? ちょと待て。全熟ぜんじゅくって何?」

同僚「は? 半熟の反対は全熟だろ?」

坂津「待て待て。そんな言葉あったか?」

同僚「だってお前、完全なオートマチックは全自動だろ?」

坂津「うん」

同僚「じゃあ半分しか自動じゃなかったら?」

坂津「半自動だな」

同僚「ほら。『全』と『半』は対になってんだよ」

坂津「いや待てなんか釈然としないぞ」

同僚「じゃあお前、建物が完全に壊れたら何て言う?」

坂津「全壊だな」

同僚「じゃあ半分くらい壊れたら?」

坂津「半壊・・・だな・・・」

同僚「ほら。これでもお前は『半』の対義語は『全』じゃ無いって言うのか?」

坂津「・・・ん~・・・」

同僚「『服部半蔵』の反対は『服部全蔵』だろ?」

坂津「本当だ」

同僚「な。だから、俺の昼食は全熟卵だったんだよ」

坂津「でもさ、例えば『中』ってあるじゃん」

同僚「『大中小』の『中』か?」

坂津「そう。このとき『大』の対義語って『小』だろ?」

同僚「まぁそうなるわな」

坂津「じゃあ『中』は何なの?」

同僚「そりゃお前・・・中義語ちゅうぎごとかじゃねーの?」

坂津「何だよそれ聞いたことねーよ!」

同僚「俺だって聞いたことねーよ!」

坂津「だから無いんだよ中義語なんて。でさ、この『中』と同じなんじゃないかと思うんだ」

同僚「何が?」

坂津「『半』が」

同僚「『半』が?」

坂津「だってさ、全自動は全部自動なんだろ? んで半自動は半分。じゃあ全く自動じゃないって状態も有り得るだろ?」

同僚「無動むどうか」

坂津「そこは手動じゃねーのかとは思うけどこの際だから無動で良いよ」

同僚「つまり『半⇔全』ではなく『無⇔全』で、その間に『半』が居ると?」

坂津「そう」

同僚「じゃあ俺の昼飯は無熟卵?」

坂津「それは違うだろ。元が『半』だったんだから」

同僚「あ、そっか。じゃあ俺は何を食べたの?」

坂津「食べ物で『熟』が付くんだったら、そりゃもう『完熟』しか無くない?」

同僚「おお! なんかいきなり美味そう!!」

坂津「そうだろう。完熟卵だぞ」

同僚「なんか後にハヤシライスソースとか続きそうだな」

坂津「それ完熟トマトな」

同僚「あ・・・でもな」

坂津「どした?」

同僚「完熟ってさ、何かこう『美味さ全盛期』って感じがしない?」

坂津「する・・・!」

同僚「つまり、卵は半熟の状態が完熟なんだよ」

坂津「言葉の意味は分からんが言いたいことは分かる」

同僚「俺はさっき食った黄身の固いやつを完熟とは言いたくない」

坂津「なるほど。じゃあ・・・未熟ってことで良いのか?(ドヤァ)」

同僚「なんか上手いこと言ったみたいになってるけど、未熟ってことは、これから完熟するってことだぞ?」

坂津「あ、そっか。加熱した卵は半熟には戻らないもんな」

同僚「要するに『生卵=未熟』『半熟=完熟』とした場合、完全に火が通った卵を何と呼ぶかってことだな」

坂津「『完熟』の上だろ? もう『神熟』とか『鬼熟』とかじゃねーの?」

同僚「じゃあ例えば『神熟』とした場合、卵を表現するのは『未完神』ってことだな?」

坂津「え、それは何か違和感だね」

同僚「俺もそう思う」

坂津「『未』『完』と来たら、次はやっぱり『成』じゃね?」

同僚「未完成!?」

坂津「そう。『未熟』『完熟』『成熟』ほら、何か良い感じ」

同僚「てことは俺が昼に食った卵は『成熟卵』ってことだな?」

坂津「そうなるね」

同僚「なんか、良いものを食べたような気になってきた」

坂津「良かったじゃないか」

同僚「ありがとう!」