『かなり』

干支に入れてよ猫

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電車に乗ってたら人が倒れたんだ

どうも、坂津です。

タイトル通りなんですけどね。

 

座席にはチラホラと空席がある感じでした。

でも立ってる人も数名いらっしゃいました。

 

で、その立ってる人が、急に倒れたんです。

 

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勢いよくバターンって感じじゃなく、少しスピーディに寝た、って感じ。

特に音もなくスゥーッと倒れました。

清潔感のある白いシャツが似合う、イケメンでした。

一瞬、車内の時間が止まります。

 

2秒後くらいにザワザワし始めます。

4秒後くらいに私が席を立ってイケメンさんに近寄ろうとした次の瞬間。

 

「触るんじゃないよ!」

 

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両手にスーパーの買い物袋を持った女性が声を上げました。

すごい迫力でした。

もしこの女性に行く手を遮られたらその道を諦めるしかないレベルの迫力でした。

 

「私は看護師だから安心しな!」

 

女性はイケメンさんに向かって大声を出します。

しかし反応はありません。

 

熱中症か!?」

 

女性は突然、自分が持っていたスーパーの買い物袋をガサガサと鳴らし、中身を漁ります。

そして中からお肉を取り出しました。

 

「首筋を冷すからね!」

 

また大声を出した女性。

そしてお肉のトレーに巻かれているラップを無慈悲に剥ぎ取り、中のお肉を取り出しました。

 

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そして女性は、イケメンさんの首筋にお肉を巻き付けました。

確かに熱中症の応急手当として、濡れタオルなどで首筋を冷すというような行動があったような気がしますが・・・。

手持ちの冷えたものがお肉しか無かったんでしょうね。

 

しばらくすると、イケメンさんが目を覚ましました。

上半身を起こすと、お肉が彼のお腹あたりにボトッと落ちました。

無言でお肉を見詰めるイケメンさん。

 

「大丈夫かい?良かったね」

 

女性が凄味すごみのある満面の笑みでイケメンさんに声をかけます。

イマイチ状況が飲み込めていない彼は、数秒の沈黙のあと、ボソッと言いました。

 

「ご馳走様でした・・・」

 

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お肉の血でスプラッタなことになっているシャツを上品に着こなしながら、彼はお礼を述べたのでした。

 

 

 

という妄想を脳内で繰り広げている間に、電車は降りるべき駅に到着しました。

本当は、イケメンさんは倒れたすぐあとに起き上がり、何事も無かったかのように次の駅で降りたのです。

迫力のあるおばさんは、近くに居ただけでした。

 

「触るんじゃないよ!」

 

からが私の妄想です。

私の中の脳内妄想劇場が上記のようなストーリーを勝手に絶賛上映中になったのです。

 

ありませんか?こういうこと。

何かの出来事をきっかけに妄想がスタートすること。

私だけですかね?