『かなり』

干支に入れてよ猫

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運転中の睡魔には会話が最も効果的

どうも、坂津です。

こンの忙しい時期になァんで行かなきゃならンのかね出張ォーッ!!!

しかも営業マンと二人、車で!

 

営業「すみません、付き合ってもらっちゃって」

坂津「仕事だから仕方ないけど、次は無ぇから」

営業「はい・・・マジ本当にすみませんでした」

坂津「まぁ結果的に収まったから良かったけど」

 

端的に言えば、この営業マンが失態を演じお客様が大激怒。

それを鎮めるために上司が同行する必要があったものの、営業部門の上席はその日のスケジュールがまるで空いていないという展開。

しかし激オコ状態のお客様をお待たせするわけにはいきません。

そこで白羽の矢が立ったのが私という、とんでもカタストロフィー。

私は何の関係も無い部署なのに。

 

営業「でも課長が来てくれてマジ助かりました」

坂津「もう良いよ。てか大丈夫?運転代わる?」

営業「いやいや、上司に運転させられないッス」

坂津「でも今日の資料作るので寝て無いだろ?」

営業「大丈夫です!俺、2~3日寝なくても!」

坂津「んじゃ任せるけど眠くなったら言えよ?」

 

お客様のお怒りを鎮めるためには、今回の失態の原因と今後の対策を分かりやすく説明して納得して頂かなければなりません。

その為の資料を徹夜で作っていた営業くんは、明らかに寝不足顔でした。

このあまりのクマっぷりも、お客様の怒りを鎮めるのに一役買っていたかもしれません。

まぁしかし本人も一応、自分のせいで同行するハメになった私に、まさか運転はさせられないという気持ちなのでしょう。

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その意気は認めましょう。

しかし。

助手席でスマホをいじっている私に声が掛かりました。

 

営業「あの、課長。ちょっとだけ良いですか?」

坂津「ハンナに虫を与えるからちょっと待って」

営業「いや、あの、黙らないで欲しいんですよ」

坂津「は?なんで?ゲーム実況しろってこと?」

営業「いえ、何でも良いんで会話して頂けたら」

 

どうやら睡魔が襲ってきたらしいのです。

しかし運転の交代は頑なに拒否してきます。

こうなるとむしろ、私が運転して彼には助手席で寝てもらった方が私としては楽なのですが、どうにも変な方向に頑固なのです。

 

坂津「じゃあしりとりするか」

営業「良いスね!課長どうぞ」

坂津「何か縛りは付けない?」

営業「いや、何でもアリで!」

坂津「ん~、じゃあ、ドリル」

営業「る・・・留守番電話!」

坂津「割り切る、とか有り?」

営業「せめて名詞にしましょ」

坂津「んむ。じゃあワコール」

営業「る・・・ルーヴル美j」

坂津「おいおいおいおいおい」

営業「あっぶね!あっぶね!」

坂津「なんで美術館付けるの」

営業「そっか!ルーヴルッ!」

坂津「そうなるよね。ルール」

営業「ル、ルクセンブルク!」

坂津「ん~・・・クレゾール」

営業「ルイ・ヴィトn・・・」

坂津「待て待て待て待て待て」

営業「うわ!やっべ!怖っ!」

坂津「怖いのはこっちの方だ」

営業「えぇ~と、ルー大柴!」

坂津「ほう。バスターミナル」

営業「課長、ちょっと相談が」

坂津「何でもお気軽にどうぞ」

営業「ル禁止にしませんか?」

坂津「良いよ。じゃあどうぞ」

営業「俺からで良いんスか?」

坂津「ああ。お好きなように」

営業「じゃあいきます。狛犬こまいぬ

坂津「ほほう。なるほど。ぬか

営業「やりますね。カンヌ!」

坂津「なかなか面白いな。沼」

営業「はっはっは!負け犬!」

坂津「ヌートリアでどうかな」

営業「ふははは!ISDN!」

坂津「ヌードル、は使えんか」

営業「ルは禁止ですからね!」

坂津「じゃあそろそろ本気で」

営業「お、一体どんな技を?」

坂津「これでどうだ?濡れ衣ぬれぎぬ

営業「えぇ~、糠味噌ぬかみそ・・・」

坂津「ふふふ。ソルボンヌ!」

営業「課長、ヌも禁止でっ!」

 

こうして無駄に無為な時間を過ごしつつ、この営業の子とはちょっとだけ仲良くなれました。