どうも、坂津です。
もう10年くらい昔の話なんですけどね、私ドラッグストアで働いてたんですよ。
今より10歳若いので、私自身に至らぬ点も大変多かったこととは思いますが、それにしてもねぇ、ホント。
小売店というのはどうしてあんなに『変なお客さん』の宝庫なんでしょうねぇ。
毎日毎日手を変え品を変え、まるでジェットストリームアタックのように我々スタッフを困らせるんですよ。
■謎の電話をかけてくる人
お店はもう閉まってるんです。
営業時間は終わってるんです。
でも出ないわけにもいかないんです。
身内かも知れないし。
お客「営業時間は何時まで?」
ああ!普通の電話だ!
良かったぁー!
坂津「午後9時までとなっております。本日の営業は終了しました。」
お客「あのさ~、明日4人でゴルフ行くんだけどね?」
んん?
なんか雲行きが怪しいゾ・・・。
坂津「は、はぁ・・・?」
お客「8時半頃にさ、風邪薬買いに行ったかなぁ?」
坂津「え?」
お客「風邪薬を買いに行った?」
坂津「あの、どなたのお話でしょうか?」
お客「俺の友達、行った?」
知らねーよ!
なんだよその質問!
坂津「8時半頃で風邪薬・・・確かお1人様おられましたね。ですがゴルフとはおっしゃられませんでしたねぇ」
お客「家族みんな風邪ひいたって言ってた?」
坂津「ああ!おっしゃられてました!」
お客「それは俺だ」
あんたかーッ!!
お客「俺ぐらいの歳格好のが、今日行ってない?明日ゴルフだからさ。もし薬買ってないんなら持って行ってやりたいから」
悪気は無いんだろうな。
優しい人なんだろうな。
でも店に電話かけてまで聞くことかな。
坂津「申し訳ございませんが、分かり兼ねます・・・」
お客「そっかー。んじゃあ本人に聞くわ」
坂津「なん・・・だと?」
■すごい花粉症の人
花粉症のお客様が来店されました。
真っ赤な目。
鼻はじゅるじゅる。
お客「花粉症に効く薬はどれ?」
手短で早口な質問には、こちらにもスピーディな対応が求められます。
詳細に症状の確認などをすると機嫌を損ねることになりますからね。
明らかにくしゃみと鼻水と目の痒みなので、鼻炎の内服薬と目薬だなと判断。
坂津「飲み薬ですが、1日3回飲むことができますか?」
お客様のライフスタイルに合わせた用法のものをオススメするための必須質問。
お客「何回でも飲むから一番効くやつ!」
よほど切羽詰まってるようで、必死さがハンパない。
坂津「ではこちらが早く良く効くんで、これを飲んで下さい」
このタイプのお客様はズバリ商品を渡す方が喜ばれることが多いんです。
坂津「眠気と口の渇きが副作用で出ますから、車の運転を避けるのと水分補給を気をつけて下さいね」
念のための補足も忘れません。
で、これで終わるハズだったのです。
いや、普通ならこれで会計済ませてオシマイなんです。
しかしそのお客様はいきなり自分の履歴を語り始めました。
お客「僕ねぇ、去年からいきなり花粉症になったんだけど、酷いんだよ、くしゃみと鼻水が!目も痒いしねぇ!」
坂津「ああ、わかりますよ、私も花粉症なんですが、つらいですよねぇ」
お客「いや、僕のは特別酷いよ!止まらないから!」
しくじった。
どうやら理解者が欲しいタイプではないようです。
自分だけが特別に不幸だと思っている感じ。
坂津「ああ、そのようですねぇ。大変でしょう。今日は晴れてますし、風もありますからねぇ」
接客業に従事していれば、相手に逆らわず会話を進めるのも慣れっこです。
お客「僕は特に酷いから天気とか関係ないんだよ!もう辛い辛い!」
坂津「まぁ、それは大変ですねぇ。じゃあこの時期は外出が憂鬱ですねぇ」
自分が一番じゃないと気が済まないタイプ確定。
とりあえず会話を止めてレジに向かうチャンスを伺います。
お客「僕のは特に酷いからね!外出とか関係ないんだよ!部屋の中だろうが外だろうが辛い辛い!かゆい!しんどい!」
なにこの人ちょーめんどいんですけどー。
とは言えるはずもなく、私はただただ「大変ですねー」を繰り返します。
坂津「それは本当に辛いですねぇ。じゃあ早くお薬を・・・」
お客「びぇっっくしょ~~~いっ!!」
坂津「・・・飲み・・・」
くしゃみが私の顔にメガヒットしました。
粘り気のある液体が白衣にかかります。
お客「・・・な?室内でも酷いんだよ!ああ、早く薬飲も!ここは水売ってるの?」
あ・や・ま・れ!!
私のコメカミにはたぶん血管が浮いてたと思いますが、悟られてはないでしょう。
奴の花粉症より接客業者の我慢の方が絶対に辛いはずです。
■なぜか威圧的な人
新入社員の女の子が私の店に配属されました。
今までのらりくらりダラダラと働いてきた私ですが、社会人になって初めての部下です。
右も左もわからない新人に、いきなりグダグダな姿は見せられないとハリキリます。
そんなところに、超絶ムカつくお客様がご来店アソバサレました。
とにかくもう、偉そうなんです。
態度も言葉づかいも。
「一番効くドリンクはどれだ?」
「これとこれは何が違うのかね?」
「高額な商品を売ろうとして適当なことを言っているんではないだろうな?」
「効き目が無ければ返品も辞さないぞ」
「なんだこの店は、全商品が高いな」
腹立たしさのあまり吐血しそうでした。
しかしそれを表情に出さないのが接客業の鉄則です。
ようやく接客が終わり、普通にリポDを購入されたお客様。
私はバックヤードに駆け込み吐き捨てるように言いました。
坂津「4回死ね・・・ッ!!」
王様の耳はロバの耳じゃないですが、あまりにもストレスが溜まった時にはバックヤードで暴言を吐くことでそれを解消していました。
お客様に言う訳じゃないので許して欲しいと思います。
そしたら。
新人「店長、それは酷いです」
聞かれたーッ!?
なんと誰も居ないと思っていたはずのバックヤードで新人ちゃんが作業中だったのです。
私は焦りました。
いずれはこういう闇の部分も見せていかねばならないとは思いますが、今はまだ早すぎる。
どうしよう。
1秒ほど盛大に悩んだ結果、冗談で流そうという結論に至りました。
坂津「じゃあ、3回死ね!かな(笑)」
新人「そーですね、それなら良いです!」
このやりとりで、彼女になら闇の部分を見せても大丈夫だという判断を下しました。
あれ?小売店時代の珍客珍事件ネタなら無尽蔵にストックがある気がしてきた。
リンリンさんの記事を拝読し、ふつふつと湧いてきた昔の記憶。
これは使える!
リンリンさん、ありがとうございますwww