『かなり』

邪悪そうに見えて実はすっごい良い人。

【スポンサーリンク】

ライブに行ってきた

どうも、坂津です。

先日、音楽活動を生業とする男性4人組の生演奏を拝聴するため、楽曲演奏小屋へ出向きました。

つまりバンドのライブを観にライブハウスに行ってきた、ということです。

ちなみに、私がライブに行くなんてのは非常に稀なことなのであります。

 

地下に続く狭くて暗い階段を降りると、スタンディングでギッチギチに詰めてようやく300人入るかどうかの密閉空間に押し込まれる。

けん程のステージ上空に100機はあろうかという照明が吊り下げられ、施設全体の広さには不釣り合いなほど立派なスピーカーが威圧的に備え付けられている。

f:id:sakatsu_kana:20171030090238j:plain

舞台とは反対側の壁際、つまり最後部には妖しいネオンが光り輝くカウンターがあり、入場口で購入したドリンク券と引き換えに飲み物を発注できる仕組みだ。

私はこの、ある種異様な雰囲気に飲まれないよう注意しながら、スミノフを飲み下した。

 

やがて一人の男性がステージ中央に現れた。

前説まえせつというやつらしい。

全国14か所を巡るツアーということで、ここ岡山が8か所目。

ちょうど折り返しであることを告げられた。

しかし残念なことに『岡山』を『盛岡』と言い間違える失態を演じ、客席からはブーイングが巻き起こる。

ただ、客席から発せられる「ブー!ブー!」の声には温かい笑いが込められていた。

そう、誰も本気で怒ってなどいないのだ。

愛を感じた。

元々小さなハコではあるがこの珍事によってさらに、客席であるフロアとステージの距離が縮まったように感じた。

もしこれを狙ってわざと言い間違えたのであれば彼の手腕は相当なものであろう。

 

そして、満を持してメンバーが登場する。

会場のボルテージが一気に上がる。

皆が一様に腕を挙げる。

ステージの彼らを称える歓声を上げる。

しかし私の口は、歓声を上げるためではなく、スミノフを飲むためにだけ開かれた。

周囲の人々の熱が、何か目に見えない大きな塊となっている気がする。

ライブハウス内の気圧が上がっているように感じる。

そんな中、私はひどい孤独感を覚えていた。

 

私はこのバンドをよく知らない。

 

いや、もちろん名前は知っている。

代表曲なのかどうかは分からないが、何曲か知っている曲もある。

1985年からメジャーデビューして活動しているそうなので、私の年代ともドストライクなゾーンである。

しかし、よく知らない。

 

1曲目が始まった。

やはり知らない曲だ。

2曲目も3曲目も、分からない。

ボーカルが度々こちらにマイクを向けるが、歌えない。

 

ただ、楽しい。

 

私は楽しかった。

この一時、この場所は異世界である。

現世と隔絶された時間と空間だ。

そんな幻想的世界ファンタジックワールドに迷い込んでしまった私は、間違いなく異物。

私は私が異物であることを周囲に悟られないように振舞う。

それが、非常に楽しい。

 

得るものもあった。

元々私は楽曲の中から個別のパートに集中して音を聴き分けることができない。

耳が良い悪いではなく、恐らくは脳内で音を分解できないのだろう。

よく「この部分のベースがスゴイ」とか「ドラムが神ってる」とかいうような話題に触れることがあるが、私にはさっぱり分からないのだ。

それが、演奏中にちょっとしたハプニングが起こった。

 

ベースの音が出なくなったようなのだ。

 

急に演奏の質が変わったような気がした。

するとベーシストがアンプやジャックを触りだし、スタッフが袖から出てきて何か作業を始めた。

もちろん演奏は止まらず続いている。

この演奏に、なにか『トゲトゲしい』という印象を、私は受けた。

やがて機材が直ったのかベースの音が出始めた。

途端に楽曲がまとまったような気がした。

 

ちょっと酢が強いと感じた冷し中華にマヨネーズを加えたような感じ。

 

さっきまでの『トゲトゲしさ』が無くなり、見事に調和した。

完成された楽曲の中から、その構成要素だけを聴き分けることはできない私だが、途中でその要素が欠ける、また充足する、という現象を認識することはできるようだ。

これは初めての経験であったし、また、各パートによって構成されている楽曲に於いてそれぞれの楽器が持つ重要性というものも再認識することができた。

 

結局アンコールも含めて14~15曲くらいの演奏があった。

結果的に知っている曲はひとつも無い約2時間だったが、濃密な時間を過ごさせてもらった。

 

実はこのバンド、4年前にも岡山に来ている。

同じライブハウスだ。

その時も、私は同じようにスミノフを飲みながら、自身の異物感を消しつつ参加していた。

まぁ消せていたのかどうかは不明なのだが。

もし数年後、彼らがまたここに来てくれるのならば、私は間違いなくチケットを購入し参加するだろう。

それだけの価値がある。

 

 

彼らのバンド名は『ANTHEM(アンセム)』

f:id:sakatsu_kana:20171030084310j:plain

 

え?

曲も知らないのになぜライブに行くのかって?

そりゃあね、好きだからですよ。

ダークシュナイダーが使う魔法の中でも『鋼雷破弾』が得にね。

f:id:sakatsu_kana:20171030084402j:plain