『かなり』

え?もう夏休みなの?

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初夢はすごく疲れる内容でした

あけましておめでとうございます、坂津です。

今日は3日ですが、まだ「あけおめ」は続けますよ。

いやぁ、裏切られた。

自分に裏切られまくりましたわ。

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というのも、今年の初夢が私の期待を裏切りまくったんです。

夢を見ている私を、私の夢の内容が裏切るという変な状況でした。

舞台は私が通っていた小学校。

私も小学生。

しかし視点は、小学生の私を俯瞰で見ている感じでした。

 

子供の「後先考え無さ」って本当に怖いですよね。

大人になった今なら絶対にしないようなことを平気でやっちゃうんですよね。

坂津少年もそうでした。

 

用務員のおじさんが切れた蛍光灯を新しいものと交換していたのです。

その様子を何気なく見ていた小学4年生の坂津少年は、大変なものを目撃してしまいました。

用務員室の前に置いてあるロッカー。

てっきり掃除用具入れだと思っていたのに、中には蛍光灯がぎっしり収納されていたのです!

用務員さんが、両端が黒ずんだ蛍光灯をそのロッカーに片付けるのを見送り、坂津少年は友人を呼びました。

急に日が暮れて放課後、他の級友たちが帰った後で坂津少年と友人は用務員室前に集合しました。

ロッカーに鍵はかかっていませんでした。

彼らは歓喜しました。

こんなにも大量のライトセーバーを手に入れたのですから!

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坂津少年は片手に2本ずつ、計4本を、友人は両手で抱えて7本を持ち去りました。

そして校舎裏で始まるチャンバラ!

今ならそんな危険なコト、絶対にやりませんし、もしそんな場面に遭遇したら全力で止めに入るでしょう。

しかし子供という生き物は一寸先の闇を感知する能力が著しく欠如しているのです!

 

坂津少年と友人は何合か打ち合い、お互いにテンションが上がった状態でした。

次の一太刀で決めてやると、蛍光灯を思い切り振りました。

結果は火を見るより明らかです。

夢を見ている私は「危ない!」と思いました。

次の瞬間、坂津少年はフォースの力に目覚めました。

割れんのんかーい!

夢を見ている私は突っ込みましたがその声は坂津少年には届きません。

それどころか物語はどんどん進行していきます。

友人と坂津少年のライトセーバーが鍔迫り合うと激しく火花が散りました。

 

友人との実力は拮抗していました。

お互いがお互いの先手を読み合い、決定打を打ち込むのは難しそうです。

これがフォースの力か・・・。

しかし坂津少年はこれで満足はしませんでした。

なぜなら、このライトセーバーは用務員室のロッカーに在庫されていたものであり、自分で作ったものではないからです。

一人前のジェダイならば自分のライトセーバーは自分で作らねばならない。

今は友人と争っている場合では無いのです。

一刻も早くライトセーバーを組み上げるのに必要な部品を探さなければ!

フォースの導きによって必要な部品が音楽室にあることはすぐに分かりました。

 

坂津少年は音楽室に急行しました。

そこにあるクラリネットが、ライトセーバー作成にとって必要不可欠だからです。

すでに放課後で、音楽室の鍵が開いているかどうかは賭けでしたが、どうやら坂津少年は賭けに勝ったようです。

ガラッと勢いよく扉を開け音楽室に入ります。

そして奥にある準備室の中のスチール棚に置かれたクラリネットに手を伸ばしました。

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ガシャーン!

勢い余ってクラリネットを落としてしまったのです!

焦った坂津少年はとにかく壊れていないかを確認します。

大好きでもないクラリネット

パパから貰ってもいないクラリネット

壊れて出ない音があったらどうしよう。

慌てふためいてパッキャラマドしていると、扉が開く音がしました。

 

やばい、先生だ。

見周りに来たんだ。

坂津少年は小さく身を屈め、物陰に隠れました。

コツコツと響く先生の足音がやけに大きく聞こえました。

そして先生は坂津少年に気付くこと無く、音楽室を出て行きました。

坂津少年はホッと安堵のため息をつきました。

「ガチャ」

先生はどうやら音楽室に施錠をしてしまったようです。

夢を見ている私は青ざめました。

どうしよう、鍵をしめられてしまった。

窓から見える空は、だんだんとその色を橙から群青へと変えているところです。

坂津少年は音楽室の鍵を開け、廊下に出ました。

開くんかーい!

坂津少年はどんどん進んでいきます。

そういえば友人はどこへ行ったんでしょうか。

 

しかしこの俯瞰の視点というのはなんとももどかしい。

主人公たる坂津少年に私の意思は介入できないのです。

まるでコントロール不能です。

それなのに感情、坂津少年のドキドキとかワクワクとかの気持ちは夢を見ている私にどんどん入ってきます。

坂津少年の気持ちプラス俯瞰視点の私のハラハラ感も味わわねばならないのです。

 

そうこうしている間に坂津少年は帰宅しました。

右手にはクラリネットが握られています。

持ってきたんかーい!

 

家に帰るなりいきなり全裸になった坂津少年は風呂場へ向かいます。

バスルームの扉をガラッと開けると、浴槽で肩までお湯につかっている友人と再会します。

友人と鉢合わせると、どういうわけか坂津少年は全力で踵を返し家を出ます。

全力で学校へ向かって走ります。

全裸で。

 

さっきまで夜だったのに、いきなり周囲は昼になります。

しかも小学校に向かっていたはずなのに、なぜか場所はオフィス街。

そして最も大きな変化、それは視点が俯瞰ではなくなっていたことです。

坂津少年の面影はどこにもなく、私は現在の大人の坂津としてそこに居ました。

全裸で。

 

私は焦りました。

どうして自分がこんな状況なのかまるで分かりませんが、とにかくこんな真昼間にオフィス街で全裸というのは非常にマズいと思われます。

何か、何か隠すものが欲しい!

しかし布っぽいものとかそういうアイテムは持っていません。

私が持っているのはクラリネットだけ。

 

それでも何も無いよりはマシだと、私はクラリネットで私のファゴットを・・・失礼、私の篠笛を隠しつつ、電車に乗りました。

いや、乗るなよ!!

 

行動に私の意図が反映されない設定は、まだ生きているようです。

しかし不思議と周囲の人たちは私が全裸であることに気づいていない様子です。

クラリネットのお陰ですね。

 

目的の駅に着いた私はとにかく着るものを探しました。

しかしどういうわけか周囲は迷路のような構造で壁だらけです。

しかたありません、もう一度俯瞰で上から見ることにします。

私は全身に力を込めて、舞空術で飛ぼうと試みます。

ふわっとした浮遊感がしました。

成功です。

 

地上から5cmほどのところを、私は平行移動していきます。

全裸で。

 

もう突っ込むのも疲れました。

いつの間にかどこかへ失くしてしまったクラリネットも服もどうでもよくなりました。

今はとにかく「もっと飛べるはずなのになぜ飛べないのか」という気持ちの方が強い状態でした。

私は考えます。

そうだ、高いところから飛べばそのまま飛べるんじゃないか?

手近なビルの屋上へ向かいます。

非常階段を全力で登ります。

全裸で。

もうメロスのようです。

 

ようやく屋上に辿り着いた私は信じられないものを目にします。

不敵に笑う、友人。

その手にはクラリネット

対する私は完全なる非武装で全裸。

勝てるはずがありません。

飛んで逃げるしか無い。

 

私は雄叫びを上げ、全身に力を込めました。

浮遊感。

ゆっくりと、しかし確実に浮いていく私の体。

1mほど浮けました!

それだけです。

前後左右、どこにも動けません。

私の舞空術は上下運動しかできないようです。

 

敗北感と虚無感と無力感に打ちのめされる私は、寒さも感じていました。

全裸ですから。

 

寒い。

寒い。

寒さで目が覚めました。

 

部屋はまだ暗く、夜が明けていないことは分かりました。

いつの間にか蹴とばしていた布団を手探りで掛け直し、再度眠りにつく前に、この夢の内容をメモしておきました。

 

あー、疲れた。