『かなり』

夏の気配が・・・消えた・・・?

【スポンサーリンク】

あのとき友人が教えてくれた

どうも、坂津です。

中学生の頃、声優という存在を知り、一瞬でハマりました。

時は1990年代が始まったばかりのアニメ成長期。

生来オタクの素養を持って生まれた私がこの波に呑まれてしまったのは仕方の無いことでございました。

 

さて、坂津少年にとっての青春捧げ声優はズバリ『林原めぐみ』さんでした。

一瞬で虜になり、CDコンプリートから関連作品の収集は当たり前として、本来は可聴域でないラジオ番組をどうにか聴こうと足掻いたりもしていました。

そんな私が周囲の人々に『布教』をしないハズが無いのです。

しかし特に興味も無いものをものすごい熱量で推されても鬱陶しくて暑苦しいだけで、興味を持ってもらえることなど非常に稀なのでした。

普通に考えたら当たり前のことなんですが、それに気付かないほど『恋は盲目』状態でありました。

 

 

そんな私に、問題提起をしてくれた友人が居ました。

 

友人「はいコレ、借りてたCD。ありがとな」

坂津「どうよめっちゃ良かったろ?歌声に魅了されただろ?アニメで声当ててるときも最高だけど歌ってるめぐさんも最高だよな!どの曲が良かった?ちなみに8曲目と9曲目はナント、本人作詞なんだぜ!七色の声のみならず作詞まで手掛けるなんてどんだけマルチなんだよって感じだよな!もうマジ女神!あ、女神とメグミって似てんな。林原女神なんつってな!めぐさんっ好きだっ結婚してくれっ!」

友人「うるさい。どれが本人の作詞だって?」

坂津「(歌詞カードを取り出しながら)コレとコレ。こっちのは大人の雰囲気で妖艶さがすげぇだろ?無垢で幼いバカボンの声やってるなんて想像もできないセクシーさだろ?んでこっちのは打って変わってプリティーファンシーファンタジーな可愛らしさだろ?中身が男のガサツな女らんまの声やってるなんて想像もできない可憐さだろ?」

友人「うるさい。あー、こっちの歌、俺ダメだったわ」

坂津「は?」

 

彼はそう言って、歌詞の感想を述べてくれました。

ちなみにコレがその歌詞の一部です。

 

『Growing Up』

歌:林原めぐみ

作詞:MEGUMI

作曲:原一博

 

~~~略~~~

大人になっても忘れずにいられる世界あるわ

~~~略~~~

大人にならなきゃ見つけ出せないことだってあるわ

~~~略~~~

大人になったら初めて見えてくることもあるわ

~~~略~~~ 

Growing Up

Growing Up

 

 

友人「結局これ『大人になるのは悪いことじゃないよ』みたいなことが言いたいんだろ」

坂津「ん~、まぁそうかな?」

友人「上から目線で腹立たしいことこの上ない」

坂津「は?」

友人「アニメなんて子供向けの仕事して飯食ってんのに、そのファンに対して『早く大人になれよ』って言ってるんだろ?」

坂津「え、いや、別にそういうつもりじゃ・・・」

友人「いつまでも夢を見させるのが仕事じゃねーのかよ、って思ったわ」

坂津「お、おう・・・」

 

衝撃的でした。

私はこの楽曲、この歌詞に対して、思春期特有の『大人になることへの不安』を和らげてくれているんだと解釈していました。

しかし友人が言うような意味にも、考えようによっては受け取れるのも理解できました。

同じものから、こんなにも違う印象を受けるものかと驚くとともに、少しだけこの世の在り方の片鱗を味わった気がしました。

この世界は決して一物一価いちぶついっかではなく、物事の価値や解釈、意味や意義は見る角度によって様々に変容するのだということを体験したのです。

同じものを食べても、美味しいと感じる人とそうでない人が居る。

そんな単純なことにやっと気がついたのでした。

 

それからと言うもの、私は布教活動に私情を織り交ぜるのをやめました。

「絶対良いから」「聴いて損は無いから」そんな言葉は使わないようにしました。

私ができることは『出会いのきっかけを作る』ところまで。

それでどんな感想を持ってその後どうなるかは、私の出る幕では無いのです。

 

が、大学時代には「坂津って好きなものを推すときの熱が足りないよね」と言われるようになり、これもまた人それぞれなんだなぁと思った次第です。