『かなり』

干支に入れてよ猫

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記憶に残って無くても記録に残ってる

どうも、坂津です。

※このエントリは前後篇の前篇です。

もう10年以上昔の話ですが、友人の結婚式でスピーチを依頼されたことがあります。

新郎側の友人代表ってやつです。

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大学時代のガチオタ仲間だったので、恐らくは消去法で選ばれたのだと思います。

人前でスピーチどころか、人と普通のコミュニケーションを取ることすらままならない奴らばかりでしたから(笑)

とは言え、もちろん私もその一員です。

私だって人前で演説や講話をするなんてまっぴらです。

しかし新郎からの「だって他のメンバーを想像してみろよ」の一言により、私は不承不承ながらスピーチを請け負ったのでした。

 

当時、まだ結婚前の私は妻の前身である彼女状態のラブやんにこのことを話しました。

 

ラブ「へー!スピーチ頼まれるって、すごいね!」

坂津「いやいや、消去法だもん」

ラブ「でも請けたんならきっちりやらなきゃね」

坂津「だよなぁ。あー、今から緊張する~」

ラブ「まぁでもカンペ見ながら話せば大丈夫でしょ」

坂津「それは私のプライドが許さん」

ラブ「えっ・・・なんで?」

坂津「人生アドリブ。これ私の座右の銘ね」

ラブ「いやいや、さすがに準備しろよ原稿」

坂津「ダメ。絶対。そんな恥ずかしいことできない」

ラブ「おいちょっとそこに正座しろ」

坂津「えっ」

ラブ「あのさ、結婚式って、新郎新婦ならびにその御親族やご列席の皆様の為の神聖で貴重な時間と場所なんだよ?そんな大切な式の重要な一幕が友人代表のスピーチなんだよ?それをノープランで行くなんて、ユノが許しても私が許さん!」

※ユノはローマ神話の結婚を司る女神です。

坂津「え?ヘラじゃないの?」

※ユノは、ギリシャ神話のヘラ(ゼウスの妻)と同一視されることもあります。

ラブ「んなこたぁどうだって良い!原稿準備しろ!」

坂津「は・・・はい・・・」

 

こんなやりとりがあり、私は泣く泣くスピーチ原稿の制作に取り掛かりました。

しかしこれがまた全然進まない。

真っ白い紙とにらめっこするだけの時間がどんどん流れていきます。

 

そして。

 

そのとき 坂津に 電流走る。

 

『原稿用意したってラブやんには言っといて、当日適当にアドリブで』

 

この悪魔のような閃きにより私は原稿制作から解放され、結婚式前日までを有意義にダラダラと過ごしました。

 

しかし。

 

ラブ「いよいよ明日だねぇ」

坂津「うん」

ラブ「じゃあ、はいこれ」

坂津「ん?」

ラブ「ボイレコ」

坂津「ふぁっ!?」

ラブ「スピーチを録音してきたまえよ君ィ」

坂津「えっ、それは・・・マストなミッションですか?」

ラブ「Exactly(そのとおりでございます)」

 

という経緯で録音された私のスピーチが入ったボイレコが、妻の実家で発見されたそうです。

実は私、スピーチの内容もそれをあとで聴いた妻の反応も、まるで覚えていないのです。

本当に全く記憶に残っていないのです。

 

私「なんか、そんな事実があったことは覚えてるけど、内容は丸っきり覚えて無いわ~」

妻「え、マジで?あんなことがあったのに?」

私「そんなインパクトが大きいことがあったの?」

妻「うん。私めちゃくちゃ怒ったじゃん」

私「そうだっけ?」

妻「あまりの恐怖に記憶を封じたのかね?」

私「・・・そうかもしれぬ」

妻「その封は、開けるかね?」

私「いや、そっとしておこう」

妻「ブログのネタになるかもしれないのに?」

私「よし開封しよう」

妻「じゃあボイレコを聴くところからだね」

私「こーわーいーw」

 

後編へ続く。