『かなり』

干支に入れてよ猫

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無駄を削除することばかりに囚われていると本質を見失うこともあるよ

どうも、歌って踊れる何でも屋、坂津です。

嘘です。

歌えば騒音、踊れば不審者の不憫なおっさん、坂津です。

 

 

社長に聞いてみました。

 

「社長、私は社内の色々な部署の色々な人たちから色々な依頼を受けています。私が組織の一員として本来やるべき業務範囲が、会社内のみんなに浸透していないのではないでしょうか」

 

すると社長はホワイトボードに図を書きました。

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「本当はこれが、理想とするべき会社かも知れない」

 

「は?」

 

「それぞれの円が業務範囲だと思ってね」

 

「なるほど、しかし各セクションの業務範囲が重なっていて、非効率に見えますが」

 

「そうだよね。重なっている部分が、無駄だと思ってしまうよね、今のウチの社内だと。でも本当はこれくらいがちょうどいいのかも知れないよ」

 

「と、言いますと?」

 

社長はまた新しい図を書きました。

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「今のウチは、こんな感じだよね」

 

「なるほど、そういうことですか。目先の効率化を求めるあまり他部署との連携がなくなり、自部署の形状(仕組み)は円のままなので抜け漏れが発生する、と」

 

「そう。白い部分で何かが起きると、それがクレームになったり、従業員の不満になったり、事故になったりする」

 

「確かにそうですね。誰の担当範囲か分からない件が存在して誰も気づかない・手が出せない状態よりも、例え重複していて非効率だったとしても、抜け漏れがあるより良いということですね」

 

「その通り。本当は各部署が業務の仕組みを変えて、この図で言えば四角形を形成できれば、重複することなく隙間を埋めることもできる。でも一度形成された円はなかなかその形状を変えることができないね」

 

「そうですね。よく分かりました。我社の現状については、よく分かりましたが、私の業務範囲を社内に知らしめることと、この話に、何の関係が?」

 

 

すると社長は図に線を書き入れました。

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「たとえ部署同士の隙間がどれだけあっても、それを満たすように埋めてしまえば解決だろ?」

 

「石の隙間に水を流し込むようなイメージですか?」

 

「そうそう。良い例えだね」

 

「・・・まさか」

 

「そう、坂津君が水ということさ。だから君には決まった業務範囲など無い。足りないところを見付けては埋める、そんな役割だよ」

 

「あの、私の役割は、いつからそんな曖昧模糊なものになっていたのでしょう・・・」

 

「君を採用したときからずっとだよ」

 

「聞いてませんねぇ」

 

「言ってないからねぇ」

 

「言ってくださいよ」

 

「言わなくても、現に今、そうなってるだろ?」

 

ぐぬぬ・・・。では私の部署に配属になった新人の桐谷さんも、水になるように指導していくということですか?」

 

「いや、彼女には無理だろう。彼女には今の組織に無い新しい円になってもらう。ただ既存の円と新規の円は必ずぶつかるだろ?だからまず水に浸けてちょっとふやかしておくんだ」

 

「・・・社長、そういうの、早く教えてくださいよ。私がここ数日どれだけ悩んだと思ってるんですか」

 

「本当は今も言うつもり無かったけど、つい答えちゃったよ」

 

 

私はしまったと思った。

本来は自分で気付くべきだったのだ。

恐らく社長はそれを望んでいた。

なのに私はそれを聞き出し、先に教えてくれよと吐いた。

なんという無能、なんという厚顔無恥

 

 

という雰囲気だけ作った。

恐らく社長は私が上記の様に思い詰めていると思っているだろう。

深く反省していると思い込んでいるだろう。

 

残念だったな社長。

 

私はこう見えても演技派なのだよ。

 

 

「坂津君」

 

「はい」

 

「君いま、全然別のこと考えてるだろ?」

 

「は、いえ、そんなことはっ・・・」

 

「まぁいいけど。じゃあ、がんばってね」

 

「はい。ありがとうございます」

 

 

やはり私はサトラレなのかも知れない・・・。

 

 

 

いや、そんなことよりも、桐谷さんをふやかしておくだって!?

自分の部下を育てるならまだしも、他部署へ行くことが決まっている人材をどうやって調教・・・じゃない教育していけばいいのか。

だいたい石は水でふやけないだろ!