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『かなり』

私が感じる「かなり」なことを徒然に。

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子供の頃に自分に「アホやなぁ」

笑ってもらえるなら本望

あけましておめでとうございます、坂津です。

今週のお題「何して遊んだ?」

思い起こせば子供の頃って、今では考えられないような遊びをしてました。

記憶の古い順に並べてみましょうかね。

 

■小学校2~3年あたり

自転車の後輪スプラッシュで遊んでいました。

その名の通りなのですが、雨上がりの水たまりに自転車を停めるんです。

両足スタンドを水たまりの中に立てて、後輪が水面に触れるくらいの水深が必要です。

超ザツですがこんな感じ。

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で、その状態で思いっきり自転車を漕ぐと、すごい勢いで水しぶきが後方へ。

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伝わるでしょうか。

こんな絵で。

 

最初は本当に水たまりでやってたので、水しぶきというか泥飛沫になってしまい、服が汚れて母親に激怒されていたのです。

しかし怒られたくらいで止めるわけにはいかない(なんでだ)ので、工夫するんですよね子供って。

まず金だらいを運んできます。

尾上製作所(萬年) 日本製トタン 万能容器 たらい60cm

尾上製作所(萬年) 日本製トタン 万能容器 たらい60cm

 

んで中に水を満タンまで入れて、この中に自転車の後輪を浸けるように停めます。

これできれいなスプラッシュが作り出せるわけですよ。

早く漕げば漕ぐほど高く遠くまで水が飛ぶので、漕ぎ手の力量が重要な遊びなのです。

で、太郎君が漕いだらここまで水が飛んだ、次郎君はここまで飛んだ、みたいな競争になるんです。

当時、私が所属していたグループの中のボス的存在として君臨していた「しんちゃん」は何でも一番になりたい性癖がありました。

皆が楽しくきれいな水スプラッシュをしていると、俺ならもっと飛ばせるぜ的な笑みを浮かべたしんちゃんが、満を持して挑戦です。

どういう心の仕組みか不明なのですが、なぜか当時の私は「しんちゃんの増長を止めなければ」という謎の使命感を抱いていました。

ここでしんちゃんが最も高く、遠く水を飛ばしてしまったら何かとんでもない問題が起こるんじゃないかという焦燥感がありました。

しんちゃんが漕ぐスピードを上げます。

これから本気モード、というときに、私は行動に出ました。

何を血迷ったのか高速で回転する後輪のスポークに手を差し込んだのです。

結果はもう分かりますよね。

この事件のお陰で、しんちゃんは大人たちから謎の叱責を喰らい、ボス的存在から陥落することになります。

図らずも私の自己犠牲による計画が実を結び(嘘)私達は新たなボスを担ぎ上げることに成功したのでした。

私は確か1ヶ月くらいギプス生活でした。

 

■小学校3~4年あたり

宝物集めをしていました。

新しいボス「いっくん」は、私達にとってかなり都合の良い傀儡でした。

しんちゃんのように自分で決めて自分で実行できる能力があるわけではなく、単に体が大きくて力が強いだけの子でした。

この頃の私達に訪れていたブームは、非常に不健康なものでした。

家の近所に「リアルどくだみ荘」のようなアパートがありました。

独身アパートどくだみ荘 1

独身アパートどくだみ荘 1

 

このアパートには大学生とか、社会人になりたてとか、比較的若い世代の男性が住んでいたように思います。

まぁ子供からみたら全員おじさんでしたけどね。

で、敷地内にある物置きに、古新聞古雑誌が積み上げられていたのです。

物置には鍵がかけられていましたが、裏手のトタン板が腐食していて大きな穴があいていたので、子供なら簡単に入りこめる状態でした。

私達はここを秘密基地とし、お菓子などを持ち込んでは馬鹿話に花を咲かせていました。

ある日、物置の中でいっくんが素っ頓狂な声を上げました。

「お、おっぱい!」

そこにはアダルト雑誌が広げられていました。

小学校3~4年生ともなれば、個人差はあれ、それなりに性的な情報への関心が出てきます。

現代は子供でも誰でも簡単にエロい情報を閲覧できる状態ですが、この当時に子供がこの手の(保存状態の良い)紙面を手にすることは極めて稀なことでした。

※雨に打たれて変色してボロボロのものは川原の橋の下とかによく落ちてました。

今まで自分たちが踏み台にしたり椅子にしたりしていた雑誌の束の中に、こんなお宝が入って紛れていたなんて!

各自が家からハサミを持ちより、結束された雑誌の束という束を根こそぎ解放し、エロいものだけを選抜していきます。

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あ、今思い出したのですが、この頃から私は写真よりも漫画を集めていましたね。

どうやら私の二次元オタク気質は先天的なもののようです。

で、数日にわたって根限りの選別をしたところで事件が起きました。

廃品回収です。

アパートの大家さんが物置の扉を開けるとそこには小学生たちが目を輝かせながらエロ雑誌を閲覧しているの図。

すぐに物置は閉鎖(穴がふさがれ頑丈に施錠)され、私達はしばらくうわ言のようにおっぱいおっぱい言いながら過ごしました。

 

■小学校5~6年あたり

私は転校しました。

しんちゃんとも、いっくんともお別れです。

転校先で私を待ち受けていたのはガキ大将のけんちゃんでした。

けんちゃんちはお金持ちで、見たこともないようなおもちゃをいっぱい買ってもらっていました。

その中で私が最も心惹かれたのがエアガンです。

けんちゃんはいつもエアガンを見せびらかしては私達の羨望の眼差しを気持ちよさそうに浴びていました。

親にねだってみたところで絶対に買ってくれるはずがありません。

そこで私は考えました。

「けんちゃんって、いつも鉄砲を見せびらかすけど、撃ち合いになったら負けるよね」

けんちゃんの負けん気に火を付ける作戦です。

けんちゃん以外の皆で「撃ち合いで負ける気はしないけど、エアガンを持ってないから証明しようが無い」というスタンスを徹底するように談合しました。

しばらくして、けんちゃんは皆に一丁ずつエアガンを支給してくれました。

思うツボです。

今まで手にしてきた銀玉鉄砲とは全くの別物です。

銀玉鉄砲 セキデン オートマチック SAP.50 (銀玉50発入)

銀玉鉄砲 セキデン オートマチック SAP.50 (銀玉50発入)

 

私達はけんちゃんに向かって一斉射撃を敢行し、彼を撃沈せしめました。

この事件によってけんちゃんはガキ大将の座から陥落しました。

保護者達による介入でエアガンが一斉摘発されたのは言うまでもありません。

 

いやぁ、子供、特に昭和時代の子供って本当に訳が分からないですね。

 

オタクが結婚するということ

あけましておめでとうございます、坂津です。

突然ですが、私の妻は最高に良い奥さんです。

坂津夫婦情報

私は妻の事を「ラブやん」と呼び、妻は私の事を「旦那」と呼びます。

これは二人称、つまり面と向かった時の呼び名です。

第三者に三人称として話すとき、私は妻の事を「私の妻」と呼び、妻は私の事を「坂津くん」と呼びます。

妻は私より3歳年下ですが、精神年齢は完全に年上です。

私は妻に助けてもらってようやく一人前ですが、妻は私を上手に使って二人分の働きをします。

さて、今まで散々「坂津は二次元ラブの変態オタク野郎」という事実を公表してまいりましたが、方々で囁かれる「え?じゃあ奥さんも二次元なの?非存在なの?」という疑問は私の耳にも届いております。

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まずこれについて回答させて頂きたいと思います。

 

まず始めにハッキリさせておきますが、私の妻は三次元に実在します。

液晶画面やPCモニタの向こう側でなく、毎日私の目の前に存在し、触れることも可能です。

また、きちんと人間です。

もちろん検査を行ったことはありませんので、もしかすると容姿が人間に良く似た妖精である可能性はゼロではありませんし、妻に「人間だよね?」と確認したこともありませんが、そこは信じて良いと思います。

つまり私は、三次元に実在する人間の女性と結婚している、というわけです。

私の思い込みではありません。

 

さて、私の既婚が幻や勘違いではないことを私自身が確信した上で、結婚前と結婚後の変化について、記しておきたいと思います。

一億総オタク国に住まう未婚の男性諸君に、オタク男性が三次元女性と結婚するということがどんなものなのか、お知らせしたいと思います。

 

 

■嫁が一人になる

私には今まで幾人もの二次元嫁が居ました。

しかし結婚後、嫁はリアル妻ただ一人になりました。

最近になって過去の恋心が再燃するという事件がありました。

過去の嫁史上、最も私が焦がれた相手と再会してしまったからです。

yourin-chi.hatenablog.com

上記の記事、子育てブロガーのらんさんが、寝る間も惜しんで描いてくださった私の昔の嫁「ヌクヌク」です。

今はもうVHSもCDも処分してしまっていますが、未婚の私であったなら確実に再度買い集めてしまうほどの情熱が湧き起こりました。

しかし私にはリアル妻が居ます。

購入したアイテムを収納する場所も、映像を流すテレビも、購入に必要な金銭も、すべて私と妻の共有物です。

私の一存で決めることはできません。

こういうとき、私は胸に手を当てて深呼吸をし、考えます。

「ヌクヌクとラブやん、どっちが大切だ?」

答えは決まりきっていますね。

 

■ガレキを買わなくなる

今では高品質なフィギュアがたくさん出回っていますが、私の時代(JAF-CON”ジャパン ファンタスティック コンベンション”の頃)は量産物のフィギュアはメジャーな作品のものしかありませんでした。

そこでガレージキット(通称:ガレキ)と呼ばれる小ロット製造品(同人誌の模型版)を大枚はたいて購入しておりました。

愛ゆえに。

また原型師さんからシリコン型を購入し、ポリパテ・エポパテを駆使して盛って削っての生活を送ることもありました。

最近になってその頃の血が騒ぐ事件がありました。

www.coconoodollblog.net

上記の記事、人形師ブロガーの九尾さんが本格的な球体関節人形を制作される過程を公開してくださったものです。

もちろん私が過去に作っていたおもちゃとは比べ物にならないことは重々承知しながらも、やはり良いものを見ると手が疼くのです。

鎮まれ私の右手・・・。

しかしガレージキットは飾ってナンボです。

飾るとなれば当然、自宅ということになります。

美観にこだわりのある妻が美少女フィギュアを自宅に設置することなど到底許されるはずもありません。

こういうとき、私は胸に手を当てて深呼吸をし、考えます。

「ガレキとラブやん、どっちが大切だ?」

答えは決まりきっていますね。

 

■趣味に時間を割かなくなる

その昔、大学生時代や東京赴任時代は一人暮らしをしておりました。

一人暮らし中は、基本的にお絵描きをして過ごしていました。

学生時代はサークルの機関紙の原稿、社会人になってからは同人誌の原稿。

それら締め切りに追われているときは鬼気迫る勢いでしたし、特に目的の無い落描きはゆるゆると気ままに描いていました。

自宅の机の上には常に原稿用紙とスケッチブックと消しゴムのカスとトーンの破片。

鉛筆とGペンと製図インクとデザインナイフ。

その頃の気持ちがむくむくを大きくなるときがあります。

yaki295han.hatenadiary.jp

上記の記事、アグレッシブお絵描きブロガーのお米ヤローさんが真面目にイラストを描かれているのです。

羨ましい、と正直思います。

日々どんどん小さくなっていくペンだこを見詰めながら、寂しくなります。

しかしお絵描きは、一人で集中して行う業の深いお務めです。

休日に妻を差し置いてお絵描きなど、出来ようはずがありません。

こういうとき、私は胸に手を当てて深呼吸をし、考えます。

「お絵描きとラブやん、どっちが大切だ?」

答えは決まりきっていますね。

 

 

さて、このような変化について恐らく「そうなるのが嫌だから結婚したくない」という尤もなご意見もあると思います。

しかし、誤解を恐れずに言わせて頂くと、それは愚かな選択です。

もし上記の内容で、私が「我慢を強いられている」「抑圧されている」「制限されている」という印象を持たれたのであれば、それは私の表現力に問題があるだけです。

私は現状に何ら不満はありません。

むしろ毎日毎日、喜びに満ち溢れた生活を送っています。

それは、他でもない、妻のおかげです。

 

容易に想像できるデメリットだけに目を向けて安易な拒絶に走るのは、温かい湯船から出ないことに似ています。

冬の寒い中、温かいお湯で満たされた湯船につかるのは至福です。

しかしいつかは寒気の中に裸体を晒す時が来るのです。

それを「寒いから嫌だ」といつまでも入っていては、やがて湯は冷め身体はふやけ、残念な結果しか残らないことになります。

一度寒い思いをしてでもタオルで水気を拭き、新しい下着を身に付けてパジャマを着、さっぱりした気持で温かい布団にもぐった時の幸福を想像してください。

 

これで私の思いが100%伝わったとは思いませんが、しかし少しは結婚の良さがご理解いただけたのではないでしょうか。

 

※個人の感想です。結婚後の人生に対する幸福度には個人差があります。

キャラクターとショートストーリー

PFCS

あけましておめでとうございます、坂津です。

この記事は『Parallel Factor Cultivate Server パラレルファクター・カルティベイトサーバー』略して【PFCS】関連の記事です。

pfcs.hatenadiary.jp

 

昨日のエントリで建国した「キスビット」ですが、とてもとても残念な事実を目の当たりにして凹んでおります。

何気なくアクセス解析で検索語を見たら、早くも「キスビット」というワードで昨日の記事に来られた方がいらっしゃったのです。

これはちょっとオカシイと思ってgoogle検索してびっくり。

検索結果も画像も何も載せませんけど、お察しください。

 

でも変えませんよ!

思い入れのある名前なんで!

このまま突っ走る所存でっす!

 

さて、こちらの記事で建国したキスビットですが「地図にアルファベットとか使ってんじゃねーよ読みにくいじゃねーか」というお声を頂いたので、カタカナ版を作成致しました。

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これでご容赦いただきたいと思います。

 

各地域の特徴をざっくりと。

 

■人間至上主義 エイ マヨーカ

ほとんど人間しか住んでいません。

めっちゃ人口が多くて武器もいっぱい持ってて強い軍隊があります。

 

■アスラーンの集合都市 ラッシュ ア キキ

アスラーンしか住んでいません。

人間が憎い!今はまだ無理だけどいつかヌッコロしてやるぜ人間ども!

 

奴隷制都市 ジネ

鬼が頂点に君臨する階級差別のピラミッドが構築されています。

アルビダの扱われ方がもっとも酷くて、完全にR18世界です。

 

■マカ アイマス山地

キスビットの原住民、純血のキスビット人が住む地域。

彼らは土を操る魔法が使えるけど、積極的に外界とは関わらないヒッキーです。

 

■タミューサ村

キスビット全体を暗く覆う諸悪の根源、種族差別。

これに対し、どげんかせんといかんと立ち上がった一人の人間が作った村。

キスビットに於いて他種族同士がいがみ合わずに暮らしている唯一の地域。

 

 

~・~・~・~・~・~・~

 

 

最初の記憶は、火薬と金属と汗の匂い。

そして官憲が荒々しく突入してくる騒音。

連れ去られる父と母。

僕は地下室に、キスビットの子供と一緒に居た。

酷く怯えている。

夜になって、僕たちは地下室を出た。

でも官憲達はずっと見張っていたんだ。

すぐに捕まってしまった。

ひどく殴られ、蹴られた。

キスビットの子は大丈夫だろうか。

血の匂いがする。

体中が痛くて、思うように動けない。

急に、とても懐かしい匂いがした。

頼れる、信じられる、安心できる匂い。

土の匂いだ。

僕は、死ぬのだろうか。

 

少年が幼心に死を意識したその刹那、官憲の足元の石畳が突然爆ぜた。

更に奇怪なことに、巻き上がった土は倒れた官憲たちに降り積もり、固まってしまった。

ジタバタともがくことしかできない官憲たち、その側に倒れている少年二人を担ぎあげて風のように走り去る人影ひとつ。

身にまとう装束と尖った耳から、キスビット人であることが窺える。

彼は一目散に市外へと走った。

都市の周囲を強固な壁で覆われた王都エイ マヨーカ。

もし脱出するのなら街道を進み関を越えなければならない。

しかしキスビット人はあろうことか壁に向かって走り続ける。

このままでは行き止まりになってしまうことは明白なのに。

壁が近くなるにつれ、彼の視線は壁の頂上に近づいた。

いつの間にか足元の土が盛りあがり、壁の頂点へと続くゆるやかな坂道を形作っていたのだった。

彼が壁の上に立つと同時に、土のスロープはボロボロと崩れ去り、ただの平地になってしまった。

 

次の記憶は木の実のスープの匂い。

僕は全身の痛みで目を覚ました。

体中に見たことの無い葉っぱが貼られている。

ゆっくりと上半身を起こすと、おでこから湿った布が落ちた。

お腹がぐうと鳴り、なぜだか恥ずかしかった。

大人のキスビット人が、テントに入ってきた。

そして僕に、お礼を言った。

「ありがとう。本当に、ありがとう」

シルファンは?どこにいるの?」

僕はキスビットの子がどこに居るのか聞いた。

お父さんとお母さんに言われたんだ。

この子を守ってあげて、と。

「・・・シルファンは、ビットの元へ還ったよ・・・」

意味は分からなかったけど、悲しい匂いがした。

この人が、とても悲しんでいることが分かった。

 

人間という種族はやたらと体裁を気にする。

子供の一人や二人に逃げられたからと言って大勢に何の影響があろうか。

しかし彼らの行動原理の一翼を担う“メンツ”というものが、彼らを突き動かすのだ。

あの日、土に固められた官憲は壁外警護兵を数人引き連れ、後を追ってきたのだ。

単筒式の遠眼鏡でキスビットのテントを確認する。

これ以上に北上されてしまえばもう完全な領外となり、追跡を諦めねばならなくなる。

いまここで、決行せねばならなかった。

壁外警護兵に合図を送り、弩(いしゆみ)を準備させる。

大型のクインクレインクロスボウに火薬爆弾を仕込んだ槍をセットする。

直撃しなくとも、数メートルの距離に落ちれば致命傷を与えることが出来る兵器だ。

風を読み、射角を決め、爆弾槍は放たれた。

 

「おじさんは、シルファンの、お父さん?」

僕が尋ねると、キスビットの男の人は静かに頷いた。

急に、悲しみの塊がお腹から胸に上がってきて、僕は泣きだした。

「おじさん、ごめんね、ごめんね・・・」

お父さんとお母さんが助けようとした。

僕が守らなきゃいけなかった。

おじさんの大事な娘。

おじさんは、僕を抱きしめてくれた。

本当は、もっと早く気付けたはずだった。

こんなにも泣いていなければ。

火薬と、鉄の匂い。

耳を突き破るような爆発音。

 

大量の砂埃を巻き上げ、テントを吹き飛ばした爆風は、石の礫をしたたかに撒き散らした。

キスビットの男が人間の少年を抱きしめたのは、この爆発から守るためだったのだ。

彼の背中には無数の穴が穿たれ、一目で致命的な傷であることが分かる。

官憲は喜び勇んで駆け出した。

「おじさん!おじさん!」

少年は、自分を抱いたまま動かなくなった男に何度も呼びかける。

「残念だったなぁクソガキ!散々手間かけさせやがって!」

少年の目に怒りと憎しみの炎が宿る。

「・・・してやる・・・殺してやる、殺してやる!」

呪いの言葉も虚しく、少年は怪我の痛みで立ち上がるのが精いっぱいだった。

「そんな体で何ができる?はん!大人しく連行されろ!」

そのとき、キスビットの男の体がぐらりと揺れ、立ち上がった。

いや、立ち上がったように見えた。

実際には周囲の土が彼にまとわりつき、人型を形成しているのだった。

「ゴ、ゴーレム・・・?」

絶望的な恐怖の言葉を漏らし、壁外警護兵たちは王都へ逃げ帰る。

どんな爆弾でも、どんな兵器でも、倒すことはおろか傷を付けることすら困難なキスビットの悪魔、ゴーレム。

人間にはそのように伝承されている。

ゴーレムはずずずと音を立て、一歩、官憲に近づいた。

「ひ、ひぃぃぃぃーッ!!!」

警護兵に遅れて官憲も、王都へ向かって走り出した。

少年は叫ぶ。

「待て!殺してやる!殺してやる!」

 

スン、と、芳ばしい匂いで目が覚めた。

どうやら居眠りをしていたらしい。

子供の頃の夢など、久しく見ていなかった。

この香りは、焼きたてのパンと、ああ、木の実のスープだ。

きっとこの匂いのせいであんな夢を見たのだろう。

「昼食の準備ができましたよ、エウス村長」

「ああ、ありがとう」

あのあと、キスビットの彼は幼い私に言った。

瀕死の状態で、最後の言葉を。

「こんな姿じゃ、シルファンに、会えないな・・・」

後で知ったことだが、キスビット人は土属性の魔法を使う。

能力には個人差があるが、才能のあるものにだけ使える禁呪があるそうだ。

自分の命と引き換えに、土壌神ビットの偉力を身にまとい、ゴーレムとなって戦う。

その力は凄まじく、武装した人間の大隊にも劣らない。

残りの寿命を圧縮して作りだす無敵の活動時間が終われば、さらさらと砂になって消えてしまうのだ。

しかしキスビットの民はこの力を使わない。

なぜなら、ゴーレムになった者は死を迎えられないと考えられているからだ。

無数の砂粒になり、風に舞い、この世に在り続ける。

魂はビットのもとに行けず、先に逝った仲間や先祖にも会えないのだ。

しかし、それをしてまで守ってくれた私の命。

私は人間だが、キスビット人に守られ、育てられた。

この命は、キスビットという国の為に、使いたいのだ。

世界の中でも例を見ない程、種族同士の関係性が悪いこの国。

どうすれば良いのかなんて、今は分からない。

それでも、何が正しいのかは分かる。

父と母の教えが、今も私の中に生きているからだ。

 

 

■名前

【エウスオーファン】

タミューサ村を拓き、仲間を集め、種族差別の無い集団の礎を作った男。

■種族

【人間】

■特化能力

【嗅覚】

■年齢

【56歳】

■特技

【懐柔】

■性格

【のんびり、柔和、隠れ激情家】

■容姿

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だいたいこんな感じ。もうちょっとグレーヘア。