『かなり』

干支に入れてよ猫

【スポンサーリンク】

幼児の真顔

どうも、坂津です。

1歳8ヶ月の息子が『期待を裏切られがっかりしてしょんぼりする』という事態を目の当たりにしました。

今までは思い通りにいかないことがあっても、他のことで気を紛らわせることができていました。

例えば普段は閉め切られていて入れない部屋の扉が開いているのを発見した息子が顔を輝かせて駆け出すのを制し、扉を閉めたとき。

「えぇーーーい!!」と抗議の声を上げ地団駄を踏んだりするものの、お気に入りの玩具などを取り出すことですぐに機嫌が直ってしまうのです。

しかし今回、今まで見たことない表情で凹んでしまったのです。

 

食品スーパーの2階の片隅にひっそりと配置されているゲームコーナーに置かれたアンパンマンの特殊筐体が最近のお気に入りである息子。

さらにそこに共存しているバスの運転席を模した特殊筐体のゲームも大好き。

家を出るときからずっと「あんぱんま!ばしゅ?あんぱんま!ばしゅ?」とご機嫌な息子。

私としてもたった2枚の百円硬貨で息子のご満悦が購入できるなら安いものと、父子揃って笑顔でゲームコーナーへ向かいました。

 

しかし、なんということでしょう。

 

お目当てだったアンパンマンの筐体の画面が真っ暗ではありませんか。

よく見ればその周辺、恐らく同じ電源から電力を供給されているであろうゲーム機たちが全て沈黙しているのです。

開店したての朝10時。

たぶん電源スイッチの入れ忘れだと思うのですが、生憎と周囲に店員さんらしき人は見当たりません。

あーあ、と嘆息しつつ「残念だったね」と声を掛けようとした私の目に、初めて見る息子の『がっかりした表情』が飛び込みました。

そして「あん…ぱ…」と小さく呟き、その場に座り込んでしまいました。

そのときはもうすべての感情を失ったかのような無表情。

まるで仮面のよう。

どんだけ楽しみにしてたんだよと心の中でツッコミつつ、しかし初めて見せる息子の哀愁に動揺する私。

しかし電源が入っていないのはここだけであり、バスの筐体は稼働しているようでした。

アンパンマンに次ぐお気に入りであるバスに乗せてしまえばすぐにご機嫌も直るだろうと高を括った私は、次の瞬間、我が目を疑いました。

 

少しの笑顔も無く真顔でバスのハンドルを回す息子。

さっきの仮面のまま。

まるでそれが義務であるかのごとくホーンを鳴らし、手順どおりと言わんばかりにワイパーを動かし、熟練運転手のような足さばきでアクセルペダルを踏む。

完全なる虚無。

この世から『楽しさ』とか『愉快』とか『おもしろい』という概念が消失したかのような顔でバスを駆る息子。

 

まさか2歳に満たない幼児がこんな悲哀を醸すなんて思ってもみなかったので面食らった私。

 

きっと店員さんが電源が入っていないことに気づいてくれるだろうと期待し、約4時間後に再訪するまで、息子はずーっとマナーモードみたいに大人しくなっていました。

再訪したときにアンパンマンに電力が供給されているのを確認し、そのマナーモードは解除されました。

 

M2 白ぬり

M2 白ぬり

  • メディア: おもちゃ&ホビー