『かなり』

干支に入れてよ猫

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自分で自分を褒めてあげたい

どうも、坂津です。

若いうちは脊髄反射で対応出来ていた咄嗟の出来事も、年齢を重ねるごとに反応が鈍くなってしまいがちです。

例えば机の上の物が倒れそうになったとき、今までならサッと手が出て支えられてたのに、今は「あ、倒れる・・・」と思っていてもそのままその様子を目で追うことしかできないことがあります。

そんなことがある度に、もう若くないんだなぁと寂しくなったりするのですが。

 

昨日、目の前でトンデモナイことが起きました。

 

機械式立体駐車場から1台の車が滑り出てきました。

その車は私の目の前で停車し、運転席のドアが開きました。

出庫した際には駐車場の扉を閉めるため、操作パネルのボタンを押さなければならないのです。

運転手は少し年配の女性。

ドアを開けっぱなしで操作パネルへ向かいます。

 

すると。

 

操縦者が不在であるにも関わらず、車がゆっくりと前進し始めたではありませんか。

最初は目の錯覚かと思うほどゆっくり。

そして徐々に速度を上げ(と言ってもまだまだゆっくり)歩道を横切って車道へ出ようとしています。

 

「うわっ!! ちょっ!!!!!!」

 

私はよく分からない奇声を上げながら右足を運転席に突っ込み、ブレーキペダルを踏み込みました。

その時一瞬、車の前に出て押し返す方が良いかもという考えが頭を過りましたが、オートマ車クリープ現象がどの程度の馬力なのか分からないし、確実に止められる気がしなかったのです。

 

私の判断と行動はどうにか事故を未然に防ぐだけの速度で実行できたようです。

ブレーキペダルは踏んだまま、私は上半身を運転席へ潜り込ませます。

すると、サイドブレーキの引きが甘い状態だったことと、ギアがドライブに入りっ放しだったことが分かりました。

サイドブレーキを引き直し、ギアをニュートラルにして、足を離しました。

それにしても最近の車のギアってなんであんなに難しい形状してるの?

どうやったらニュートラルになるのか初見ではよく分からんかったですよ。

 

運転手の女性は何が起こったのか分かっていないような顔。

私が「危なかったですよ」と言っても「はぁ・・・?」という感じ。

もしかしたら車が進んでいたことに気付いていなかったのかも。

操作パネルで駐車場の扉を閉めていたら知らない男が奇声を上げながら自分の車の運転席に足を突っ込んでいるという状況。

あれ?

これ通報案件?

いやいや、私はあわや大惨事という状況を救ったんですよ?

 

私「あのですね、車が進んでいたので」

女「えぇ?あぁ、はい。ど、どうも?」

私「ギアがドライブのままだったので」

女「はぁ。そうですか。すみませんね」

私「サイドブレーキも甘かったですよ」

女「それは重ね重ね申し訳ありません」

私「では。今後気を付けてくださいね」

女「え?はい。ありがとうございます」

 

なんとも要領を得ない会話でしたが、とりあえず女性は騒ぎ立てることもなく、そのまま車を発進させました。

 

ちょっと経って、この件を冷静に考えてみた私。

自画自賛ってワケじゃありませんが、やっぱり結構な偉業なのでは?

咄嗟の判断と行動が出来た自分を褒めつつ、ちょっと自信が持てたのでした。