『かなり』

干支に入れてよ猫

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客という立場は不動じゃないんだぞ

どうも、坂津です。

消費税が10%になる日が近づいてまいりました。

皆さま大きな買い物や消耗品の買い溜めはお済みでしょうか?

とは言え8%⇒10%ですからその差は2%。

10万円の買い物をしたって2,000円しか変わらないのなら、そんなに気にすることも無いじゃないって人も多そうですよね。

ただこれが企業間の買い物、つまり備品の購入や商品の仕入れなどになってくると話は変わります。

数百万、数千万の単位でお金が動きますから、その2%は非常に大きな差となります。

ですから多くの企業が店舗の出店やシステム開発など、莫大に費用が掛かる案件については9月中に済ませるよう早くから動いています。

 

それなのに。

 

思い付いたように高額な買い物をして、それをどうにか9月中に決済したいと無茶を言う人が一定数いらっしゃるようで。

先日、私のところに愚痴を言いにきた営業マンのお話です。

 

彼はオフィス関連のあれこれを扱う会社の営業で、コピー用紙などの消耗品から文具、パソコン、複合機、果てはエアコンなんかまで、とにかく会社のオフィスにあるものは何でも取り扱っています。

その彼が「ちょっと時間ありますか」なんて訪ねてきたのです。

 

営業「ちょっと聞いてください坂津さん」

坂津「どしたの?今月ノルマきついの?」

営業「や、今月は大丈夫なんですけどね」

坂津「じゃあ上司に何か言われたとか?」

営業「じゃなくてね、客です。お客サマ」

坂津「何があったか聞かせてちょうだい」

 

彼の話によれば、その商談は突然降って湧いたんだそうで。

ステーショナリーひとつ売るのも大変な昨今、いきなり彼の元に大量注文の問い合わせがありました。

新規に営業所を開設する会社からの見積り依頼で、机や椅子などの備品から何から全部一括での案件だったそうです。

彼は喜び勇んで頑張った見積りを提出し、見事にそれが通ったそうな。

これで2カ月分くらいの売上目標が一気に稼げるとホクホクしていたんだって。

最初の話では、営業所の開業が11月なので、10月中に揃えば良いということでした。

それでも各メーカーに発注をかけて商品を揃えることを考えればギリギリの納期だったのですが、お客さんがいきなり無理難題を言い始めた。

 

「どうしても9月中に納品しろ」

 

焦った彼が理由を聞くと、増税前に決済しておきたいとのこと。

そんなの事前に考えとけよと思いつつ、彼は丁寧にそれが無理であることを告げました。

しかしお客さんはどうにかしろの一点張り。

そもそも9月にはまだその営業所事態が無い(工事中?)なので、納品することすら不可能なのです。

お客さんは「じゃあ伝票だけ9月で処理を」とか黒い要求をしてきますが、そんなのダメに決まってます。

すると「それができないなら全部キャンセルする」とか言いだしたときには怒りを通り越して悲しくなったそうです。

これは自分の手に余ると判断した彼は上司を伴ってお客さんと話をし、最終的に『めっちゃ頑張って9月中に納品できる分だけ納品し、無理な物は10月納品で勘弁してください』という着地点に落ち着けることができたって。

 

あまりにも無茶で無謀な要求に、それでも可能な限り誠意ある対応で返した彼と上司。

だからこそ私は彼らと付き合っていきたいと思うし、彼らから物を買いたいと思うわけです。

逆に、客の立場を利用して非礼非道の傍若無人を繰り広げるような奴がいる会社からは何も買いたくないのです。

営業活動ではなく本当に愚痴だけ言いにきた彼からこっそりとそのお客さんの会社名を聞き出し、その会社とは付き合わないようにしようと思った私でした。