『かなり』

干支に入れてよ猫

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ゴネるお客様

どうも、坂津です。

年末年始にしろゴールデンウィークにしろ、大連休の前には必ず駆け込みの仕事が入ってきます。

それはお盆休みの前である今も例外ではありません。

どうにかしてお盆休み前に納品して欲しいという依頼が後を絶たないのです。

もちろん出来る限りの対応はしますが、断腸の思いでお断りせざるを得ないこともあります。

しかしそれでもと、そこを何とかと、粘り腰で食い下がるお客様もおられるのです。

こちらとしても、出来ることなら対応したい。

しかし物理的に不可能なことは逆立ちしたって無理なのです。

決してイジワルやモノグサで断っているのでは無く、本当にできないのです。

それを分かってもらおうと、こちらの状況を説明をするのですが、徐々に苛々を募らせるお客様。

本当はできるんでしょ?

無理言ってるのは分かってる!

でも他に手段があるんじゃないか!?

お客様が必死なのは充分に理解しています。

しかしどうしたって無理なものは無理なのです。

頑張ってどうにかなる話なら最初から承っています。

 

そんなやり取りを電話で十数分、しかしなおも諦めないお客様。

ここまで来ると、だいたい察しがつきます。

この注文、きっとこのお客様が手配を忘れてたんだと思われます。

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図にするとこんな感じ。

たぶん注文自体はだいぶ余裕を持って貰ってて、それを処理するのが自分のせいで遅くなってしまったとかそんなところでしょう。

『今さらできませんとか言えない』みたいな状況なのだと思います。

 

私も社会に出て20年以上仕事をしていますから、気持ちは分かります。

自分の不手際でお客様にご迷惑を掛けるわけにはいかない。

ですからこちらとしてもそこを酌量して忖度して慮って、最大限に譲歩した代替案を提示するのです。

見た目は同等だけど素材の質を変えた商品ではダメか?

希望の商品の数量を半分にして、不足分は追って納品ではダメか?

元の商品よりもランクが上で価格が倍以上するものなら用意できるが?

しかし、そのどれもが拒否されます。

私としてはお客様から「では一応そのプランをお客様に提示してみます」くらいの反応は欲しいところですが、その確認も無く「元の仕様、数量、価格、納期でなんとか!」の一点張り。

これでは打つ手無しです。

 

で、最終手段。

 

「先様(お客様のお客様)に私が同行しましょうか?そこで『私のミスで納期が遅れます』って頭を下げましょうか?」

 

つまりこの手のお客様は『自分の責任にならないようにしたい』という意識が強いので、私が罪を肩代わりしてあげるのです。

そうすれば私の提案をお客様のお客様へ直接お伝えすることもできますし。

 

で、結局のところ「いや、実はそんなに急いでないから8月中に納品してくれればいいよ」なんて返事が貰えたりするのです。

お客様が最初からお伺いを立ててくれていればこの事実が判明し、わざわざ私が出向くことも無かった訳ですが、しかしこれはこれで良いのです。

私はお客様に、お金では買えない『恩』というプライスレスなものを売りつけることができたのですから。