『かなり』

干支に入れてよ猫

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鯉と亀と蜻蛉と虹

どうも、坂津です。

働き者な妻が家の掃除をしてくれている間、息子を連れて家の近所を散歩してみることにしました。

思えば『どこかに出掛けるための外出』ではない『単なる散歩』というのは久しぶりな気がします。

そろそろ8カ月を迎える息子は視覚も随分と発達し、色々な物が見えるようになっているようです。

これまでよりも積極的に上下左右に首を振り、キョロキョロと周囲を見渡すようになっていました。

雨上がりの夕方、肌にまとわりつく湿度の高い空気を、涼しい風が押し流してくれるのが心地良い。

水門が解放されたのか、道路脇にある用水路の水量が減っており、水面がいつもより下にあります。

なので底が見えて『池の水ぜんぶ抜く』で駆逐されそうな巨大な鯉とか巨大な亀が確認できました。

私は子供の頃から田んぼや用水路を見付けるとついつい水の中に生き物を探してしまう性質でした。

そこで、もしや息子にもその性質が遺伝されていないかと、試しに用水路を覗き込ませてみました。

するとどうでしょう、私が指で示す方を見ながら息子のボルテージが一気に高まっていったのです。

大きな鯉がいるのを見て「アァァ~!!」そしてその鯉が泳ぎ去るのを見て「キャッキャッキャ!」

水面に顔を出す亀を見て「でい!でで!」そしてその亀が潜水するのを見て「でででぃ!あーい!」

水草に止まっていた蜻蛉が飛び立ち、水面ギリギリを飛び回るのを見て「ででで。ででいでいでい」

私としてはちょっとした期待は在ったものの、息子の反応が想像以上の規模だったので驚きました。

さすがにオタマジャクシやメダカやアメンボなどの小さな生物は視認できていないようでしたけど。

 

息子の成長を肌身で感じられた嬉しさで小躍りしながら帰ると、妻の掃除もひと段落していました。

さっきの報告をすると妻も喜んでくれ「お父さん似だもんね」と私と息子の顔を交互に見るのです。

そして太陽の傾きが佳境を迎え、夕日が差し込んできたのでカーテンを閉めようとしたその時です。

淡い青色と濃い茜色のグラデーションに染まる南の空に大きな虹が掛かっているではありませんか!

息子に見えるかどうかは分かりませんが、とにかく生まれて初めての虹なので慌てて抱っこします。

そして「ホラ、あっちあっち。お空に見えるあれが虹だよ」と虹を指し、息子の反応を待ちました。

「でーでぃ」と短く呟いた息子は特にテンションが上がるわけでもなく、静かに虹を見つめました。

 

虹の図鑑 ─しくみ、種類、観察方法─

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