『かなり』

干支に入れてよ猫

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現実逃避の手段

どうも、坂津です。

仕事が繁忙期に入ると、精神をリフレッシュするためにどうしても現実逃避が必要になります。

しかもごく短時間で深く遠くまで逃避できる没入型の手段が望ましいのです。

数分の逃避行を終えて現実に舞い戻ったとき、ほんの少しでも心が回復していればまた仕事を頑張ることができます。

 

逃避手段はそれぞれでしょう。

 

喫煙する人も居ますよね。

タバコを吸うとニコチンが摂取され、脳が覚醒したり精神が安定したりします。

百害あって一利なしと言われるタバコですが、一利くらいはあるのです。

 

間食する人も居ますよね。

空腹状態ではパフォーマンスを発揮できないタイプも存在します。

手軽に食べられる昨今のポケ飯は随分進化しているので、味も満足度も充分です。

 

仮眠する人も居ますよね。

5分だけ机に突っ伏して目を閉じる、それだけでも効果があるそうです。

実際に寝なくても視覚情報を遮断することで脳を休めることができるんですね。

 

雑談する人も居ますよね。

相手が居れば、ということにはなりますが、仕事と無関係の会話で気分転換を図ります。

違う味のものを食べて口の中をリフレッシュするのと同じような感じでしょうか。

 

このように様々な方法がある中、私にはやはりコレが一番合っています。

 

『妄想』

 

素材は何でも構いません。

仕事量に忙殺され脳が蕩けて思考に霞がかかってきたら妄想の開始時期です。

適当に目の前のものを触媒にして妄想世界に旅立つのです。

この前はキーボードを見詰めながらのトリップでした。

 

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ここはキー・ボード王国。

国民はA~Zの26階級に分かれて管理され、下位3層のX、Y、Z級は人権が認められず人として扱われない。

逆にA~C級は富裕層で、ほぼ商人で構成されており、高額納税が可能な国民だ。

一般国民とは別に国の政治に携わる組織が、0~9までの10種ある。

1は法務組織で、国内の立法や改法を行う。

2は厚生組織で、国民の生命や健康を守る。

3は文化組織で、国民の文化と学問を司る。

4は外務組織で、国外との折衝を受け持つ。

5は経済組織で、国内の経済活動を見張る。

6は環境組織で、国内のインフラを整える。

7は防衛組織で、国外からの攻撃に備える。

8は魔法組織で、魔法の適正者を育成する。

9は軍事組織で、国土拡大のため侵略する。

0は警察組織で、国民の犯罪を取り締まる。

これら各組織のトップ10名に、王室からの2名を加えた12名をファンクションと呼び、彼らが国の意思決定を行う。

また0~9までの各組織にはそれぞれにテン・キーと呼ばれる姉妹組織があり、通常の組織が何らかの問題を抱えたときのサポートや、正常に機能しているかどうかの監視の役目がある。

 

このキー・ボード王国には2人の姫がいた。

第一王女のシフト姫と、第二王女のオルト姫だ。

コン・トロール王とスペース王妃の間に男子は生まれず、当面の国家課題は世継ぎ問題だった。

ファンクション及びテン・キーでは次期国王についての議論が紛糾していた。

国交のある外国から王子を迎え入れ王女との婚姻関係をもって王位継承権を与える案は、国家を乗っ取られる可能性を孕むとして叩かれた。

国内から候補を募る案は王家の血筋に疵がつくと反対された。

各人にそれぞれの思惑と画策があり、誰もが自分の有利が損われることを恐れ他の案を棄却することに躍起になっていた。

 

そんな中、この状況を良しとしない1人の男が居た。

テン・キーのまとめ役であるナム・ロックだ。

彼は真に国家の安泰を願う者であり、自己の保身を第一に考える他者とは違っていた。

そんな彼の態度は周囲に敵を作ることもあったが、彼を守護する4名の騎士が常に身辺を固めているため誰も手を出せずにいた。

剣技では世界に敵無しと謳われる剣騎士スラッシュ。

魔法の才能が歴代随一である魔法騎士アスタリスク

誰もその素性と素顔を知らぬ隠密覆面騎士マイナス。

優れた洞察力と推理力で虚言を暴く探偵騎士プラス。

ナム・ロックは彼らにある指令を与えていた。

それは、コン・トロール王が若かりし日、お忍びで市街へ出た際に一時の逢瀬を楽しんだ相手、女楽師のエスケープを探し出すこと。

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約5分でざざっと妄想し、すぅ~っと現実に戻ります。

次回の妄想時に物語が続くのか、それとも全く別の物語が紡がれるのかは私にも分かりません。

 

妄想国語辞典 (扶桑社BOOKS)

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