どうも、坂津です。
ニワトリが先かタマゴが先か、という言葉があります。
普通に考えたらタマゴが先に決まってますよね。
だって鳥類の祖先である恐竜がすでに卵生なのだから、どこかのタイミングでニワトリと呼称される種類の先駆的生命体が誕生したときも、それは卵生だったハズです。
それに、こう考えるともっと分かりやすいと思います。
A『タマゴから産まれていないニワトリはニワトリか?』
B『タマゴを産まないニワトリはニワトリか?』
もちろん作為的な人工施術による例は除きますよ?
Aの場合、要するにその生物が胎生、もしくは細胞分裂などの手段によって個体が増殖する種だということになりますが、それは果たしてニワトリと呼べるか?ということです。
どう考えたって答えは「NO」です。
仮に外見がニワトリと酷似していたとしても、生物学的に全く異なる種族として認識されることになるでしょう。
逆にBの場合、これはもう絶滅するしか無い悲しい種ということにはなりますが、しかしオスはそもそもタマゴを産まないわけですからニワトリをニワトリたらしめる絶対条件の中に『タマゴを産む』という項目は入っていないわけです。
仮にニワトリ界の全メスが消滅しオスしか残っていない状況を想定した場合、それらはタマゴを産むことはできませんが普通にニワトリです。
つまり、タマゴが先に存在していなければニワトリはニワトリとして在ることができない、ということになります。
このように、本来のニワトリとタマゴの関係性は明確に『タマゴ優勢』なのです。
にも関わらず巧みなトリックによって、さも『本当にどちらが先か分からない因果性のジレンマであることの例』として挙げられているのです。
これと同様に、ESとCSの関係を『どちらが先か分からない』と表現している場面によく遭遇します。
CSとは
ESとは
これは企業の運営において重要視される要素であり『ESとCSを循環させなさい』なんてことが経営の入門書的な物の本に書いてあったりします。
つまり、こういうことです。
・お客様が満足すれば会社の売上に繋がる
・会社の売上から利益を従業員に還元すれば従業員が満足する(ES)
・従業員が満足すればお客様に良いサービスが届けられる
・サービスが良ければお客様は満足する(CS)
これをぐるぐる回し続ければ、会社は安泰というわけです。
が、そこでさっきのニワトリとタマゴの話になるのです。
『じゃあESとCS、どっちが先なの?』ってね。
これも、本当は当たり前の話なんです。
従業員満足が先に無ければ成立するわけが無いんですよこんな循環。
それなのに『今は会社がキツいからあんまり利益分配ができないけど頑張って良いサービスをしてくれたらお客様が満足して会社の売上が上がるから、そのときにはちゃんと還元するからね』なんて甘えたことを言うのがオカシイんです。
従業員さんが悲壮な表情でしんどそうに仕事してるのが透けて見える会社のサービスを受けて、一体誰が満足するというのでしょうか。
しかし言葉巧みな説明とあの手この手の説得に騙され『労働の前借り』をさせられている従業員さんのなんと多いことか。
あ、ちなみに会社から従業員さんへの利益還元って単純に給料額ってワケじゃないですからね。
福利厚生しかり、従業員数しかり。
もちろん『働き甲斐』を与えることも必須です。
今の会社を辞めようかどうしようか迷っている方がおられたら、ちょっと上司をつかまえて尋ねてみると良いですよ。
ESとCE、どっちが先ですかねって。
「そりゃお前、お客様第一に決まってるだろ」
なんて躊躇なくCSを推してきたりしたら、辞めても良いかもしれませんね。