どうも、坂津です。
『愛知百鬼夜行展』に参加させて頂くことになりました。
名の知れた妖怪から創作の妖怪まで、作家一人が一体づつ描き、百の作家で百の妖怪を描きたい……そして現代の世に百鬼夜行を築き上げる一大企画展!
こんな文面から始まる企画概要に惹かれ、つい勢いで応募してしまいました。
元来私は妖怪だの幽霊だのオバケだの、そういう『日常と隣り合わせの怪異』が好きです。
普通に生活をしていて、ふとした拍子に混ざり込んでしまうほど密接した異世界の住人達。
確固たる世界観を有した完全別世界のファンタジーも好きですが、若干の距離を感じます。
さて、しかしこの企画に参加するということはつまり、何らかの作品を完成させなければいけないということです。
好きだと言いつつ妖怪をちゃんと描いたことがありません。
とりあえず日本の妖怪一覧を上から順におさらいしていきました。
名前、逸話、習性などを読みながら風貌を想像して読み進めます。
そして、ある妖怪の概要を読んでいるところでフッと画の構図が浮かびました。
いわゆる『降りて来た』ってやつです。
その妖怪の名前は
大雑把に言えば『ケラケラ笑う大きい女性』の妖怪です。
特徴には諸説あるのですが、百鬼夜行展では『日本で昔から愛されてきた妖怪というキャラクターたちに、現代の作家の手で新たな姿を与えたい』というテーマがあります。
なので私が考える私なりの倩兮女を描こうと思います。
そもそも日本の妖怪には訓示や教戒を含んだものが多いような気がします。
無駄に川に近付くと水難の危険があるので『河童が居るから近寄るな』と言ってみたり、水周りをきれいに掃除しておかないと垢が溜まるので『清潔にしていないと垢嘗が出るぞ』とか。
なので私の倩兮女にも、そんな性質を持たせたいと考えています。
『小さなことでうじうじ悩んでいたら倩兮女が来るぞ』
いや、もっとフレンドリーな感じが良いかな。
なんというか、恐怖の対象ではなくて、出逢えたらラッキーな妖怪にしたい。
『倩兮女に笑ってもらったらイライラが吹き飛んだよ』
うん、なんかこういう感じ。
あと理不尽に怒ってる人とか、イジメっ子とかに対しても大笑いするんだ。
そしたら怒りが収まったり、イジメが恥ずかしくなったりするんだ。
でも、人の失敗をあざ笑うとか、周囲を不快にする下品な嘲笑なんかは許さない。
笑いはそんな使い方をするもんじゃないって怒るんだな。
よーし、だんだんイメージが固まってきたぞ。
最初に浮かんだ構図と変わってきたけど、それは人格が出来てきたってことだ。
制作時間はまだたっぷりあるけど、少しずつでも始めておかないとギリギリになって泣くことになっちゃう。
企画の特徴として和風な作品が好ましいということなので、そーゆー雰囲気の出し方も研究しなくては。
試しに和風の垣壁を描いてみました。
ん~、やっぱ描いたこと無いものを描くのは難しいですね。
ところでこちらの百鬼夜行展、実はまだまだ参列妖怪を募集中なのです。
私は展示中に現地に行けないので作品を送るだけなのですが、そーゆー方でも大歓迎らしいです。
もしちょっとでも興味が湧いたなら、思い切って応募しちゃいましょう!