『かなり』

干支に入れてよ猫

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クレームが起こってしまったら

どうも、坂津です。

ビジネスをやっていく上で、どうしても避けられないのがクレームです。

どんなに気をつけていても、どんなに予防線を張っていても、予期せぬ事故は起こるものですし、それによってお客様が不利益を被った場合はクレームになってしまうのです。

それがどんなに不可避なアクシデントであったとしても、予測不能な異変だったとしても、それは売り手側の都合です。

お客様はただ『自分が想像していた商品(サービス)が、自分が想像している価格と自分が想像しているタイミングで、自分が想像している満足度を伴って提供される』と思い込んでいるだけなのです。

逆に言えば、お客様からクレームを頂くということがすなわち、それだけ商品(サービス)に対して期待値が高かったということにもなります。

百円均一で購入したアイテムが数日の使用で壊れたとしても「まぁ100円だしな」と自分で自分を納得させられますからね。

 

で、ここからが本題。

 

仕事でお付き合いのある業者さんが、とある製品を欠品させてしまいました。

私の会社はその製品を販売していますので、当然ながらお客様からご注文を頂きます。

お客様からご注文を頂き、それを業者さんへ発注した段階で「欠品です」という連絡が返ってきました。

これだけならば、まぁ『よくある事故』です。

しかし今回のケースでは、事前に品質確認ということで1つだけその製品を取り寄せ、お客様にご確認頂いておりました。

そして品質に問題無しというご判断を頂いてから、だいたいこのくらいの時期に約何個くらいの注文をする、という情報を頂きました。

私はその内容をそのまま業者さんに伝え、在庫の確保をお願いしていたのです。

ところが実際にお客様からご注文をいただき、私が業者さんへ発注したところ、前述のような回答が返ってきたのでした。

 

「欠品です、で済まされる件じゃないですよ」

 

私は担当営業さんに連絡を入れ、どうにか対応してもらおうと交渉しました。

通常やりとりをしている社内の事務の方と話をしたところで「申し訳ございません」しか言えないことは分かっています。

その方にはこの件をどうにかする権限も裁量も無いのですから、何を言ってもお互いに気分が悪くなるだけです。

こういうときは、どうにかできる可能性がある人に連絡するのが最良です。

しかし、営業さんの回答も、私の期待に添うものではありませんでした。

 

予想以上の注文が入り在庫が一気に減ってしまったこと。

製造するにあたっての材料もほとんど無い状態であること。

製品の材料が輸入品であり次回の入荷まで時間がかかること。

 

これらの『業者さん側の都合』をいくら力説されても、私には何も響きません。

それは『現状起こっているクレームに対しての原因を説明している』だけです。

私が欲しいのは『じゃあどうするか』の対応策です。

こちらとしてもお客様から既にご注文を頂いているわけですし、それを「製品が欠品してますテヘ☆」じゃあ済まされないんです。

しかし営業さんはすみません申し訳ありませんごめんなさいを連呼するばかり。

そして最後に「どうしようも無いんです」と言われたとき、私は最後の手段に出ました。

 

「起こってしまった欠品は仕方ありませんし、それがどうしようもないことなのは分かります。でも代替案が何も出てこないのは不誠実極まりないと思います。例えば材料が輸入品で納期に時間がかかるのなら、国産のものに切り替えて納期短縮を図る。もしくは同等品を同業者から譲ってもらう。何なら多少仕様が異なっても近しい製品があればそれで代用できないか問う。少し考えただけでも対応策はいくらでも出てくると思います。それをただ『どうしようも無い』と片付けられてしまっては、いくら謝られたところで受け入れることはできません。私は現状を、本当の意味で『万策尽きた状態』だとは思えません。何らかの手段が講じられるはずだと思っています。御社で起きた問題に対して私が対応策を考えるのは間違っている気もしますが、こちらもお客様からご注文を頂いている身ですので背に腹は代えられません。例えば材料の輸入元を教えて頂けませんか?私が直接そこに赴いて、今回の注文に必要な分だけでも手持ちでスーツケースに詰め込んで持って帰ってきますけど。ねぇ、社長?」

 

営業さんに言っても無駄だったので、私はその業者さんの社長さんに連絡をしました。

それも、色々なツテを頼って直接連絡できる携帯番号を調べて。

結果的に、業者さんはこちらの希望納期で希望製品を用意してくれることになりました。

どのような手段を使ったのかは分かりませんが、それはこちらが知る必要の無いことです。

私としては『お客様にご注文の品を用意できる』ことが最重要なのです。

そのために『私の本気度』を示したに過ぎません。

 

クレームを入れる際によくよく考えなければならないことがあります。

それは単に感情的になってぎゃんぎゃん喚くだけでは、意味が無いということです。

どうやってこの件を解決するか、事故に遭った側も起こした側と一緒になって考える必要があるのです。

一時の怒りに身を任せて騒いでしまったら、結局のところ自分自身も『引っ込みが付かない状態』に陥ることがよくあります。

それは自分がどうすれば納得できるのかという答えを自身でもわかっていないからです。

その『自分自身を納得させられる策』を、相手と一緒になって自分でも冷静に探す必要があるのです。

今回は最終的にこちらの要望が通りましたが、いつもそうなるとは限りません。

本当の本当にどうしようもない状態になった場合、今度はこちらがお客様にお詫びと代案提示をしなければなりません。

そうなったとき、本気で『人事を尽くしました』と言えるかどうか、これがクレーム対応のすべてだと思います。

 

臨機応変 クレーム対応完璧マニュアル―最初の一言からアフターフォローまでをステップ解説

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