どうも、坂津です。
自分が信じているコトを徹頭徹尾しっかり信じ切った言動をしている人は、例えその内容がちょっとズレていたとしても、説得力があります。
そんな謎の説得力で物を言われると、それを受け入れるかどうかは置いといて、素直に「ああ、この人はそう信じてその通りにやってるんだな。すごいな」と感心することができます。
それに対し、主義主張が一貫しておらず矛盾を孕んだ言動を目にすると、その人の言うことは受け入れたくなくなります。
もちろん、意見の内容が路線変更することはあると思います。
立場が180度変わった物言いになることも充分に考えられます。
何か明確な理由があっての変わり身なら特に問題はありません。
私が好きじゃないのは『中途半端な力説』です。
我が家の子育てにおける授乳は、母乳とミルクの混合です。
粉ミルクを哺乳瓶で飲ませるのなら私でも出来ますので、母乳のみじゃなくて本当に良かったと思っています。
ただ、母乳神話というか母乳崇拝というか、母乳に対する敬愛、心酔、傾倒、賛美の立場を取る人は少なくありません。
そもそも国が『母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養です』という表記を、ミルク製品に記載するよう義務付けているってんですから、そういう人が存在するのも無理からぬことでしょう。
それはそれで、別に構わないのです。
そう思ってそう信じてそう考えているのなら自分がそうすれば良いんです。
別にそれが事実に反しているなどとは言いません。
母乳が最良、大いに結構。
でも。
なぜ他人に「母乳をあげるべき」と力説するのでしょう?
我が家と同じく赤ちゃんの居る人と子育てについて他愛の無い会話をしていると、ふとした拍子に母乳関連の話題になることがあります。
私が深夜に起きて粉ミルクを調乳し哺乳瓶で飲ませる話をすると、たまに「でもミルクじゃ赤ちゃん可哀相」とか言う人が出てくるんですよ。
大抵の場合「そうですね。まぁうちの子は我がまま言わず何でも飲んでくれるから助かってます」と返して終わりなのですが、中には更に踏み込んで来る人も居まして。
そう言う人の主張って「母乳は赤ちゃんに最良」「赤ちゃんには最良を行うべき」という二点が揃って初めて成立するんですよね。
だから私は言うんです。
ずっと母乳じゃお母さんが大変ですからって。
すると、大変だけど赤ちゃんの為なんだから、と言われます。
そのたびに私は
「そうですか。そりゃそうだ。赤ちゃんの為ならベストを尽くすべきですよね。当然あなたはお母さんの食事にも気を遣っていらっしゃるんでしょうねぇ。母乳はお母さんの血液から作られるわけで、その血液は日々の食事や生活環境が作り出すものです。母乳だからと言ってそれが無条件で最良だとは思ってないでしょう?そうだ。まさか調理や炊飯に浄水器を使って無いなんてことはありませんよね?水道水に含まれるアルミニウムや鉛は煮沸では除去できませんし、人体に蓄積するのはご存知でしょうし。もちろん食材や調味料の添加物なんかにも細心の注意を払われていますよね?それからもっと気になるのは空気です。なぜあなたは排気ガスを撒き散らす車がバンバン通る道沿いに住んでいらっしゃるんですか?赤ちゃんの為に清浄な空気で満ちた自然の多い場所に引っ越すべきでは?赤ちゃんにとって最良を行うべきと言いながらその実、できることをやっているだけなんじゃありませんか?あなたが『母乳が最良』と信じることと、それを他人に『そうすべき』と押し付けることはイコールではありませんよ?あなたがあなたの中で密かに信じ、それを守ることで『その他のことから目を背けていることの免罪符』にすれば良いじゃないですか?」
と、心の中で言うんです。
声に出しちゃうと相手が可哀相なんで。
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