どうも、坂津です。
買い物に出られない妻の為、仕事帰りにお店に寄って必要なものを買い揃えるのは夫である私の役目です。
言うなれば、本陣から動くわけにはいかない将の代わりに縦横無地の活躍をする遊撃隊のようなものです。
つい先日、将からの伝令によってドラッグストアに寄ったときのことでした。
私が仰せつかったお役目は3つ。
・
・赤ちゃん用の水の購入
・歯みがき粉の購入
全ての品が1か所で揃う場所はドラッグストアであると瞬時に判断した私は、帰宅経路に在る店舗に寄りました。
昔取った杵柄と言うか、ドラッグストアに勤務していた経験のお陰で、だいたいどこに何が置いてあるのか分かる私は、広い店内でも迷うことなく目当ての品を見付けます。
オーラルケア用品の棚から目当ての歯みがき粉を見つけ出し、そのまま無駄のない動きでベビー用品コーナーへ。
そこにベビーウォーターと産褥パッドが有るはずです。
が、しかし。
なぜか産褥パッドが見当たりません。
商品的に母乳パッド等と同じような場所に陳列してあるハズだと思ったのですが、もしかしたら生理用品コーナーにあるのかもしれません。
機敏な所作で場所を移動し、他のお客さんが売場に居ないことを確認してから捜索開始です。
私自身は生理用品を購入することに何の抵抗も無いのですが、男性が売場に居ること自体を嫌悪する女性もいらっしゃいます。
ですから長居は無用。
迅速に探し当て速やかに買い物カゴへ投入し素早くレジへ向かわなければなりません。
が、しかし。
どうやらここにも無いようです。
もしかして介護用品コーナーなのかな?
生理用品もベビーおむつも介護おむつも、吸水ポリマーという点では同系統の商品です。
産褥パッドも似たような分類ですから、もしかしたらもしかするかも知れません。
同系統と言えばペット用トイレシートも同類ですが、さすがにそれは無いだろうと思いつつ探しますが、やはり介護用品コーナーにも在りません。
こういうときは、実際には商品が視界に入っているのに見えていない可能性が大です。
つまり脳がそれをソレとして認識できていないのです。
この場合、同じ場所を何度探したところで目が滑るだけで目当ての物を見つけ出せる可能性は低いのが常なのです。
つまりベストな行動は『店員さんに聞く』の一択です。
私はエプロンを装着したアルバイトスタッフさんをスルーし、白衣を身に着けた社員スタッフをロックオンしました。
彼女は総合感冒薬、つまり風邪薬をせっせと売場に並べている最中でした。
坂津「ちょっとよろしいでしょうか」
店員「はい、少々お待ちくださいね」
10箱が1つの塊になるようシュリンクされた風邪薬を開封し、売場に並べる彼女。
ん?
待てまて。
お客さんが声掛けてるのに作業の続きをするんだ?
店員「風邪薬をお探しでしょうか?」
坂津「いいえ、薬では無いのですが」
作業の途中で顔だけこちらに向けてヒアリングを開始する彼女。
会話と陳列、1度に2つのことを並列で処理できる素晴らしい能力です。
坂津「産褥パッドはどこでしょう?」
店員「さんじょく??(きょとん)」
坂津「産褥パッドです。あります?」
店員「いや~・・・(なぜか苦笑)」
かつて私がドラッグストアで勤務していたときには、トンデモナイ商品を探しているお客さんも確かにいらっしゃいました。
やれ脚立が欲しいだとか出刃包丁を探してるだとか言われ、なぜソレがココに在ると思ったのかと不思議に思ったものです。
そんなとき、私は困ったような顔で「申し訳ございませんが、当店にはございません」と言いながら最寄りのホームセンターの場所を教えたものです。
目の前の女性店員はいま、その時の私と同じ表情でこちらを見ているのです。
しかし私が欲しているのは十中八九この店にラインナップされているハズの商品。
無い可能性の方が極めて低い商品です。
『ワケの分からない商品を尋ねる困ったお客さん』みたいな視線を送られるのは心外です。
私は短く「もう結構です」と伝えると、すぐさまベビー用品コーナーに戻りました。
最初の段階で見落としていた可能性が大きいと踏んだのです。
やはりその通りでした。
見付けてしまえば逆に『なぜコレに気付かなかったのか』と思えるほど存在感のある商品でしたが、まぁ探し物ってそーゆーものです。
無事に産褥パッドを発見し買い物カゴに投入した私が、いざレジに向かおうかと思い立ち上がったそのとき。
さっきの女性店員さんがパタパタとやってきました。
そして、私に驚きの言葉を投げ掛けたのです。
「ああ、それのことだったんですか。それ『お産パッド』って言うんですよ? 最初からそう言ってくれれば分かったのに」
一瞬、彼女が何を言っているのか理解できませんでした。
いや、言ってる内容は分かるのですが。
小生意気・・・いや違う。
猪口才・・・も違うな。
傍若無人でも無いし・・・。
ああ、厚顔無恥か。
私は233までの素数を脳内で数えて落ち着きを取り戻しました。
「そうですか。不勉強で申し訳ない。これからはお産パッドと呼びます」
辛うじてそれだけの言葉を紡ぐと、私はツカツカとレジに向かいました。
きっと、そんなに目くじらを立てるほどのことでは無かったんだと思います。
周囲を見渡してみればこんな対応、こんなスタッフが溢れているんだと思います。
『これが普通、私が異端』と呪文のように口の中で繰り返しつつ買い物を終えた私。
それでもモヤモヤが収まらないので記事にしてみました。
みなさん、どう思います?