どうも、坂津です。
ギャップ萌えという現象をご存知でしょうか?
自己が知覚した情報に基づいて自己内部で創造した他者の人物像と、その他者について新たに知覚した未知の情報の格差がプラスに働き、好感度の上昇に一役買う心理現象のことです。
言葉で説明するのって意外と難しいですね。
図解してみるとこんな感じかな?
まぁ、分かりやすく言えば『意外な一面を知ってキュンキュンする』ってやつです。
例えば、普段は素行の悪い不良君が雨の路地裏で震えてる子猫に傘を差すとか、見た目は確実に前科2桁だろうってくらいの極悪面なおじさんが見知らぬお婆さんの抱える重い荷物を持ってあげるとか。
んで、こないだ鮮烈なギャップ萌えを体験しました。
ちょっと買いたい物があってスーパーに寄ったときのことです。
夜10時まで営業のスーパーで、時間は夜9時過ぎ。
店内は閑散としていて、チラホラ見える店員さんは翌日の準備で品出しや売場のレイアウト変更などをしています。
そんな中、小さな子供がキャッキャとはしゃいで走り回る姿が見えました。
遅い時間でもこんな幼い子がいるんだなぁと思いつつ、漠然とその様子を眺めました。
混雑時であれば衝突の可能性もあるので危険ですが、現状としてはそんな心配もなさそうです。
が、しかし。
何が面白いのか分かりませんが何往復も同じ場所を走り続けていたその子はついに、通りの死角から歩いてきたお客さんにぶつかってしまいました。
幸いにもちょっとカスッた程度のようでしたが、子供は大いに驚いています。
相手は、服装からするとOLさんでしょうか。
控え目に言ってガチ美人。
今その姿のまま写真に収めておしゃれ雑誌の表紙にしても良いくらいキレイな女性でした。
その女性も、少し目を丸くして子供との遭遇に驚いていたのですが、すぐに表情を戻しました。
そしてにっこりと笑顔になり、その場でスッと腰を落とし、視線を子供の高さに合わせたのです。
この時点で私が瞬時にプロファイリングした彼女のデータはこちらです。
・東京生まれ東京育ちで、東京本社の大企業に就職
・営業職に就き、数年後の異動で岡山に来た
・未婚
・つい最近、遠距離恋愛だった彼と別れた
・遅くまで仕事することで心の傷を紛らわしている
・子供への第一声は「ぼく? 走ったら危ないよ?」
しかし、彼女が発した思いがけない言葉に、私は驚愕するのでした。
「こぉら、走っちゃぁおえんじゃろ? 危ねぇが」
(※『走ってはダメでしょう?危ないですよ』の意)
バリッバリの岡山弁。
あんな綺麗なご尊顔から思いもよらず方言が飛び出したことで、私の中に発生したギャップ萌えは物凄い規模でした。
先入観と言う名の高気圧と、事実と言う名の低気圧の狭間で激しい
しかも、数パターンある岡山弁の中でも割とキツい表現の言葉づかい。
私のプロファイリングは見事に大外れでした。
なんかこう、キレイな人を見るとつい『岡山人じゃないだろう』って思ってしまうんですよね。
ものすごい先入観というか固定概念というか、キレイな人は標準語を話すというイメージが培われてしまっているのです。
しかし、モデルみたいな美人から方言が発せられるというギャップは、実に美味しいものでした。