『かなり』

すっかり夏。

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人生に無駄なことなんて無いって言うよね

どうも、坂津です。

かつて私はとても素直な良い子でした。

「は?何言ってんだオマエ」と思われるかもしれませんが、本当にそうだったのです。

 

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中学3年生のとき。

私「デザイン科の推薦もらった!」

親「だめ。普通科にしときなさい」

私「え、推薦もらったのに・・・」

そして私は普通科で普通じゃない高校生活を送ったのです。

 

高校3年生のとき。

私「専門学校行って声優になる!」

親「だめ。大学は絶対行きなさい」

私「願書とか手配したのに・・・」

そして私は大学でTRPGという魔道へ踏み込んだのです。

 

大学5年生のとき。

私「就職して欲しい会社あるの?」

親「バイト先でそのまま社員だな」

私「分かった。採用してもらうわ」

そして私はドラッグストアに勤務することになったのです。

 

こんな感じで、私の進路はほぼ親の言うことを聞いて選択されました。

もちろん最終決定は私が下しておりますので、親の責任がどうこう言うつもりはありません。

中学生のとき、もっと本気で必死に食い下がればデザイン科に進めたかもしれません。

高校生のとき、家を飛び出す覚悟があれば今頃声優さんになっていたかもしれません。

大学生のとき、真剣に就職活動をしてれば憧れの新聞社に入社してたかもしれません。

 

私は全ての岐路で『親に言われたから』という御免状を掲げ、どこかで、本来なら自分が負うべき『選択の責任』を放棄したまま生きてきたように思います。

 

でも社会人生活が5年経ったある日。

漠然とした不安が胸をよぎりました。

 

「あれ?私はこのままで良いのか?」

 

挑戦意欲というか、眠った可能性というか、秘められた成長性というか、ちょっと言葉で表現するのが難しい『私の何か』が、このままでは発現しないままなんじゃないかという不安に駆られました。

何の確証も無い、漠然とした不安です。

理由も理屈も持たないその不安は、やがてあやふやな輪郭を徐々に広げながら私に圧し掛かってきました。

 

そしてある日、私はその重圧に屈したのです。

 

私「会社辞めたから」

親「・・・はっ!?」

 

周囲の誰にも何の相談も無く、突然、私は会社を辞めました。

誰のせいにもしない、私自身の、私のための決断でした。

次の就職先を見つけていたわけでもなく、他にやりたい仕事があったわけでもなく、ただ単純に『今の会社で店長より先のポストが見えない』という理由だけで辞めました。

 

でも、妙にスッキリしていました。

 

自分で決めたことだから、自分でなんとかしなきゃ。

この責任感というやつが、私の中で安心感に変わっていくのを感じました。

このとき既に28歳だった私ですが、ようやく自立できた気がしました。

そして同時に、それまでに経験してきた全ての出来事が、一気に自分の養分になった気がしました。

ただ単に『記憶された情報』だったこれまでの経験が、私という個人を造形するための素材に生まれ変わったような感覚です。

 

ああ、何も無駄など無かった。

 

そう思いました。

 

私の場合はこんな経緯でのプチ悟りでしたが、年齢の前後やキッカケの違いはあれど、きっと誰にでも訪れるものなんだと思います。

今まで自分が費やしてきた時間、熱意は、すぐに価値を生まないかもしれません。

でも、それを無駄だと断ずることはできません。

他人にとやかく言われる筋合いはもちろん無いし、今の自分自身が無駄だと決めつけることもできません。

それを価値あるものとし、今まで歩いてきた自分の足跡を見て「無駄じゃ無かった」と思うのはいつだって今よりも未来の自分なんです。

 

逆に言えば、これまでの航跡に価値を持たせられるのも、自分ということですね。

 

自転車でどこまで行けるか挑戦して帰りみちが分からなくなって泣き叫んだことも

川原の橋の下で雨に濡れたエロ本が破れないように慎重にページをめくったことも

札付きのワルに「生意気だ」と体育館裏に呼び出されてフルボッコにされたことも

切れた唇で「そろそろやめて。帰ってセーラームーンを観るんだ」と言ったことも

なぜかそれで「お前根性あるな」と認められその後は手を出されなくなったことも

下校中に車に轢かれて吹っ飛んだけど見事な前転で着地したのを拍手されたことも

それをめっちゃ褒められて良い気分になって轢いた相手を何も聞かず帰したことも

その後しばらくして手首に激痛が走って病院にいったらポッキリ折れていたことも

何日くらい徹夜できるか挑戦した4日目に限界で寝落ちしたのが路上だったことも

気付いたらダンボールを掛けてもらっててホームレスの人達と仲良くなったことも

コンビニで自分の絵をコピーしてたら紙詰まりしたけど助けを呼べなかったことも

だってそりゃ自分で描いたドエロい絵が詰まってんだもん誰も呼べねーよ地獄だよ

店長を呼び出して「今後家飲みする際の買い物は全てこの店で」と約束したことも

その対価としてコピー機を開け秘密裏に詰まった用紙を回収させてもらったことも

詰まった用紙を回収して安心しガラス面に原稿を残したまま帰ってしまったことも

 

この全てが無駄では無かっ・・・

無かっ・・・

 

無駄ですねぇこれ。