どうも、坂津です。
私にはちょっと恥ずかしい癖がありまして。
『気に入ったら何でもソレで染める』という奇行に走ってしまうのです。
その昔、上京して一人暮らしを始めるとき『おしゃれな部屋』を目指そうと思っていました。
しかし、おしゃれセンスが皆無どころかマイナスである私にとって、どんな部屋がおしゃれなのか全く分かりませんでした。
そこで、当時付き合っていた彼女、まぁ現在の妻なのですが、その妻に問うてみたのです。
私「めっちゃオシャレな部屋にしたいねん」
妻「ん~、シンプルなのが良いんだけどね」
私「でも部屋が狭いから物は溢れるんだよ」
妻「じゃあせめて色を統一すると良いかも」
私「なるほど!艶めかしいバイオレット!」
妻「馬鹿なの?紫なんて上級者の色だよ!」
私「じゃあ下級戦士でも扱える色って何?」
妻「ありきたりだけど、白か黒が基本かな」
私「分かった!白と黒だな!サンキュー!」
妻は『白か黒』と言ったのです。
しかし私は『白と黒』だと解釈してしまいました。
さらに『白黒=おしゃれ=部屋中を白黒に』みたいな不正解方程式が頭の中で組み上がってしまい、そのまま引っ越し当日を迎えました。
私はアパートの引き渡しが完了するなりすぐさまドンキホーテとヴィレッジヴァンガードに陳列してある白黒を買い漁りました。
腕が千切れるかと思うほどの白黒を購入し、帰宅したらすぐレッツインテリアです。
まず床を白黒にします。
これだけでも相当な労力でしたが、おしゃれな部屋を目指して頑張るのです。
ちなみにこれはセルフタイマーによる自撮りです。
妻に「白黒の部屋にするよ」というメールを送るために。
めっちゃ作業してる風を演出するため、敢えて手をシャシャッと動かして撮るあたりなかなかの策士です。
そんなことをしていたらすぐに日が暮れてしまいました。
部屋に灯りを点けるにはカーテンを取り付けねばなりません。
ちなみに季節は6月でしたが、あまりに暑くて冷房ガンガンです。
で、夜になったら当然のごとく就寝しなきゃなりません。
寝具を用意するのも優先事項でした。
ロフトに布団やカラーボックスを持って上がるのは一苦労でしたが、おしゃれで快適な住空間を創るためには仕方ありません。
床に白黒が敷けたところには家具を置いていきます。
テーブルクロスもゴミ箱も鏡もティッシュカバーも白黒です。
そして赤い矢印部分をご覧ください。
これ、元々は白い収納ケースなんです。
それに四角い白と黒の立体シールを貼っているのです。
この作業がまた非常にしんどい!
ですが白黒がおしゃれだと信じて疑わない私は黙々と作業を進めます。
キッチン上部のスペースにも丁寧に貼り付けます。
料理が出来る状態ではありませんが、そんなのは二の次なのです。
まずはお部屋の白黒化が最優先。
そして冷蔵庫を白黒にするのも忘れません。
味気ない白い立方体だった冷蔵庫が、白黒シールを貼るだけでとんでもなくおしゃれなインテリアに早変わり、したと思っていたのです。
購入してきた白黒グッズを全て使い切り、その後ようやくカラーボックスに本を収納したり段ボールを処分したりしてる間に、外が明るくなってきました。
どうやら徹夜してしまったようです。
しかし私は非常に満足していました。
理想の白黒おしゃれルームが完成したからです。
そう言えば、白黒メールを送ったまま携帯を放置していたんだった。
きっと『なんて素敵なお部屋なの』なんて返信が来てるに違いありません。
私⇒妻
件名:絶賛白黒化中!
本文:めっちゃおしゃれな部屋にするから、遊びに来たときびっくりするゼ☆
妻⇒私
件名:あちゃぁ・・・
本文:予想の斜め上過ぎて顎関節症が悪化するわ・・・。
上京して初出勤の日、傷心と放心と睡眠不足でフラフラの私は、中央線の通勤ラッシュの洗礼も受け、上司からの開口一番は「大丈夫かッ!?」でした。
今となっては良い思い出です。