どうも、坂津です。
世の中には夫が家事を手伝わないことに憤る奥様が多いと耳にしました。
しかし私に言わせればそんなもの『やらせてないだけ』です。
なんて言ってしまうと誤解が生まれそうですが、事実そうなのです。
これは夫婦間に限らずですが、相手に対して遺憾の気持ちが芽生えるのは必ず『自分の中にある理想のビジョンと、実際目の前にある現実のギャップ』が発生しているときです。
このギャップが大きければ大きいほど、残念に感じる度合いも大きくなります。
そしてそれが、怒りの感情に繋がるのです。
もちろん逆パターンもありますよ。
妻の行動に対して苦々しく思っている旦那様にも、同様のことが言えるのです。
でもちょっと落ち着いて考えてみてください。
不満の原因はギャップなんですから、それを無くすだけでこの問題は簡単に解消できちゃうんです。
全ての人間関係について同じことが言えるのですが、この記事は特に近親者という視点で書いています。
夫が妻に、妻が夫に、親が子供に、子供が親に。
そんな家族に対して何か不満がある方に、少しでもお役に立てたら幸いです。
理想と現実のギャップを埋める方法
理想と現実のギャップで、まさか理想より現実の方が良い状態で不満が生まれることは無いという前提で話しますね。
つまり必ず『現実が理想に追い付いていない』という状況で不満が発生しているということです。
さて、この差を小さくするためにできることは2つしかありません。
ひとつ目は、理想を低くすること。
ふたつ目は、現実を高くすること。
これらは非常に簡単なことなので、是非ともこれでギャップを縮小して円満な夫婦関係を構築して欲しいと思います。
理想を低く
先に言っておきますが、諦めろって意味じゃありませんのでご注意ください。
私が言いたいのは、あなたが抱いている理想が高すぎる可能性がありますよってことです。
これは相手との関係性が親密であればあるほど無意識に高望みをしてしまうという人間の習性によるものなので、別に考え方が間違っているというわけではありません。
みんなそうなんです。
自分に近しい存在には自分と同じ能力、考え方などが備わっていると錯覚してしまっているだけです。
赤の他人なら許せるけど家族やパートナーだったら許せないっての、ありますよね。
あなただけでなく、誰しもがそうなのです。
言わなくても察して欲しいとか、そんな願望も含めて全部。
でもそれは感情の部分ですから、今は落ち着いてちょっと頭で考えてみましょう。
あなたが相手に対して抱いている理想は、あなたの知識や経験や能力から算出されているものです。
大袈裟に表現すれば『相手のことはまったく考慮せず自分だけのモノサシで測った希望』です。
・これぐらいできるだろう
・言わなくても気付くだろう
・説明しなくても分かるだろう
・このくらいは知っているだろう
これは全てあなたの思い込みです。
もっと言えば、あなたが相手のコトを知ろうとしていない証拠でもあります。
ここで私が言う『理想を低く』とはつまり『相手のことをちゃんと知りましょう』です。
気持ちでなく頭で考えてくださいね?
もしここまで読んで『相手のコトはちゃんと知っていて正しく評価できているし、その評価から算出した妥当な理想を持っているにも関わらず、相手が供する現実がそこに著しく届いていない』と思った方は、残念ながらこれ以降を読んでも何の役にも立ちませんのでどうぞ引き返してください。
あなたのお役に立てなかったこと、残念です。
さて、ここでは例として食後の食器洗いを挙げてみましょうか。
奥様の希望として、旦那さんに食器を洗って欲しいと思っていると仮定しますね。
そこで確認事項です。
例えば旦那さんは、これを知ってるでしょうか?
・食器用洗剤やスポンジなど、必要な道具がどこに置いてあるか
・洗剤はどのくらいの量を使うのが妥当なのか
・食器の種類による予洗いの要不要の基準
・洗った後の食器をどこにどのように置くのか
・洗った後の拭き上げをするのかしないのか
・拭いたあとの食器を収納する場所
自慢じゃありませんが、私は全く分かりませんでした。
また食器洗い後のシンクの水ハネ、スポンジの泡切りなんかも、言われなきゃ全然気付かないことでした。
それに妻が妻の中でルール化していることも多々あり、それはおよそ私の知る由の無いことでした。
他にももっと色々な項目が各ご家庭ごとにあると思います。
まずは冷静に、相手がそれを知っているか? それができるか? それに気付くか?を考えてみてください。
※相手にそれを実行するだけの知識や技術があるにも関わらず、何らかの悪意をもって意図的にそれをやらない場合は本記事の対象外ですのでご了承ください。
現実を高く
さあ、相手のことをきちんと理解できたら、無駄に高かった理想が現実ベースまで降りてきたと思います。
とは言えまだ、正直なところ『ここまではやって欲しい』的な理想は残りますよね。
ということで、今度は現実を伸ばしてあげましょう。
大丈夫。
あなたが選んだ相手、あなたの家族なんですから、ちゃんと教えてあげればできるようになります。
この時の注意点は『どう教えたら(どう言えば)できるようになるか』を見極めることです。
ここでも相手のことを知ることが重要になります。
論理的に説明した方が良いのか、結果だけを端的に教えた方が良いのか。
加点方式か減点方式か、褒めるのか叱るのか。
それぞれに合った伸ばし方があります。
相手ができることが増える、またはできることの精度が向上するということは、つまりあなたのメリットになるということです。
決して手を抜かず丁寧に時間をかけて伸ばしてあげてください。
私がここで言う『現実を高く』とはつまり『下から押し上げるでも、上から引き上げるでもなく、一緒にのぼる』ということです。
もしここまで読んで『私はきちんと分かりやすく何度も教えているのに相手の能力、またはやる気が不足しているので一向に成果が出ない』と思った方は、残念ながらこれ以降を読んでも何の役にも立ちませんのでどうぞ引き返してください。
あなたのお役に立てなかったこと、残念です。
さて、ここでも食器洗いを例にしてみましょう。
・食器洗いに必要な道具の場所
・汚れの洗い残しと洗剤のすすぎ残しが無ければ洗剤の量は問わない
・予洗いは好きにしなさい
・洗った食器は乾燥マットの上に
・乾燥マットに先にあった食器は拭いて食器棚へ
・食器各種の収納場所について
これらをきちんと説明したとしましょう。
これで旦那さんは『知識として』食器洗いができる状態になりました。
しかし、人間の行動には3つの要素が必要なのです。
今の段階ではそのうちのひとつが満たされたに過ぎません。
行動の三要素
知識
どのようにすれば良いのか。
なぜそうするのか。
どの程度までやるのか。
どのくらい時間をかけるのか。
あなたが何気なく日々行っていることも、分解してみれば実に多くの要素から成り立っています。
相手の認識として、それが異文化すぎて全く理解できない可能性も充分にあります。
きちんと伝わるように教えてあげてください。
『知らないからできない』ということも意外と多いのです。
技術
頭で理解することと、実際に手を動かすことはまるで別です。
食器洗いをまるでやったことが無い人は、泡だらけのコップがあんなにツルツル滑るものだとは思っていません。
ちょっと力の入れ方を誤るとツルンと滑って食器を割ってしまうこともあるでしょう。
持ち方や力の入れ具合などは、実際にやってみなければ感覚を培うことができません。
最初は一緒にやってみて、最後まで見守るくらいの覚悟で臨みましょう。
あなたの『出来て当たり前』が、相手にとっても当たり前であるとは限りません。
モチベーション
これが最も重要です。
知識も技術も持ち合わせているのに行動しない人は、圧倒的にモチベーションが欠落しています。
行動の三要素の中の構成比は『知識1:技術1:モチベ8』と言っても過言ではありません。
むしろモチベーションさえ高ければ自ら知識と技術を得るために教えを請うて来ます。
ただ、何が当人のモチベーションになるのかには個人差が在りますので、そこはよくよく調査してください。
※相手にそれを実行するだけの知識や技術があるにも関わらず、何らかの悪意をもって意図的にそれをやらない場合は本記事の対象外ですのでご了承ください。
私の場合
手前味噌で恐縮ですが、私の妻はとても上手に私を使ってくれます。
どういう説明が私に伝わりやすいのか、どのタイミングが私的に好機なのか、どういう表現をすれば私が喜ぶのか、全てを把握してくれています。
例えば私は「~しなさい」「~すべき」のような断定的、絶対的、命令的な表現をされると、どうしても天邪鬼精神が働いてしまいます。
何か理由をつけて反論したり断ったり、反射的に反抗してしまう癖があるのです。
逆に「~して欲しいな」「~だったら嬉しいな」という若干の甘えや、おねだり要素を含ませた表現にはめっぽう弱く、すぐ鼻の下が5メートルぐらいになります。
「しょうがないなぁ」と言いつつニヤニヤしながら食器を洗ったり洗濯物を干したりしている自分を振り返ると気持ち悪くて死にそうですが、でもこれが事実です。
更に、私は評価されることが大好きです。
それも妻にはしっかり把握されていて、妻には「旦那の方が綺麗に洗う」「私より丁寧に掃除する」というようなことをよく言われます。
これが事実かどうか、私にとってはどうでも良いことです。
これを妻から言ってもらえることが重要なのです。
また必ず「ありがとう」を欠かさない妻には本当に感心します。
このように、妻が私にとってモチベーションになることを全て実行してくれるお陰で、お互いに気持ち良く生活することができているのです。
ああ、もちろんこれは私個人の感想であって、もしかしたら妻視点だと不満だらけかもしれませんがね。
私がやってる気になってるだけで、全然足りてないことだってあると思います。
でも、本当に私が役立たずだったら妻はもっと積極的に私を使おうと色々画策してくると思います。
それが無いということは、最低限の線はキープできているのかなと自己評価しています。
それと、この記事を表面だけ読むと私の妻がとても計算高く私を利用しているようにも解釈できてしまうかもしれませんが、実際はそうではありません。
スタート地点が『どうやって旦那に家事をさせてやろう』では無いからです。
そこんトコよろしく。