『かなり』

ハロウィンとクリスマスの移行期

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伝説の先輩とサバゲ

どうも、坂津です。

サバイバルゲームってご存知ですか?

通称『サバゲー』っていうんですけどね。

数人ごとの敵味方に分かれて、エアガンでお互いを撃ち合い、弾に当たったら失格(死体)になるって遊びです。

どちらかが全滅するまでとか、旗を倒されるまでとか、みなさん色々なルールで遊んでいるようです。

サバイバルゲーム - Wikipedia

 

さて、私も実はサバゲーをやっていたクチでして。

とは言っても本格的なやつじゃありません。

だってガチの人たちはフル装備でやるんですよね?

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私がやっていたのは『遊びの分類としてはサバゲーに属する』ような遊技でした。

格好も普通に学校のジャージでしたし。

これは高校生の頃のオハナシです。

 

私たちはまず部室に集合します。

そう、メンバーは炎激部えんげきぶの連中でした。

部室にはごく普通の遊戯用品、いわゆる玩具がたくさん常備してありました。

一般的な球技用のボールがいっぱい、カードゲーム類、楽器、スーパーファミコン、そしてサバゲー用のエアガンたち。

私たちが採用していたルールは団体戦でなく個人戦でした。

最後まで生き残った奴が優勝という実にシンプルなルールです。

ただしちょっと普通じゃないのは『早い者勝ちで武器を取る』という決まりです。

例えば4人でプレイする場合、まずこんな感じの武器を用意します。

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そして、いつもの戦場(学校の裏山)のいつもの場所(山の頂上付近)に設置した机に、これらを並べます。

その後、山を降りて裾をぐるりと一周し、山への入り口に番号札を置いていきます。

予期せぬハプニングで札が無くならないよう、木に吊るしたり石の下に隠したりしながら、入山口に札を配置するのです。

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イメージ的にはこんな感じ。

人数分の札を設置し終わったら一旦部室に戻ります。

 

そして命運を分かつ選択くじびきが始まります。

私たちは部室でくじ引きをし、自分の番号を確認します。

お互いに誰がどの番号なのかは伏せたまま、ゲームが開始されます。

 

まず自分が引いた番号の札を入手するところからスタートし、山頂にある武器を目指します。

先着順で好きな武器を選べるシステムなので、とにかく急いで山を登ります。

 

武器の人気順は

1.狙撃ライフル

2.6発ハンドガ

3.電動マシンガン

4.斧(笑)

でした。

 

戦場になる学校の裏山は人の手があまり入っていない雑木林だったので、身を隠す場所は豊富にありました。

なので1番に武器を選んだ者は大抵そこが見える場所に陣取り、次に武器を選びに来る者を狙い撃つのがセオリーだったのです。

つまり1番に武器選択をしてライフルを獲った時点で、ほぼ優勝は決定しているようなものなのです。

ちなみに、マシンガンは音がうるさくて居場所がバレるので不人気でした。

 

それから撃たれたかどうかは申告制だったのですが、ヒットしたのに当たってないと嘘をつくような奴は居なかったのでゲームとして成立していました。

まぁ装備が装備なので、撃たれたところが赤く腫れてしまいすぐバレるからなんですけどね。

 

んで、最悪なのが斧です。

そもそも何でこのゲームの武器選択に斧があるのかが不思議で仕方ありませんでした。

どう考えても不利、というかむしろ罰ゲーム。

私たちは山頂に辿り着いた時、机の上に斧しか無いのを見ると同時に敗北を悟ったものです。

 

しかし、今でも語り草になる伝説の先輩が居ました。

その先輩は漫画みたいな運動神経と身体能力を持っており、なんで演劇部に居るのか分からない人でした。

ただし所属しているだけで、一緒に舞台に上がったことはありません。

練習にも来ないし、そもそも学校にもあまり来ていないようでした。

そんな先輩とたった1度だけ、このサバゲーをやったことがありました。

 

私はその時、非常にくじ運が良かったんです。

学校の部室スタートから最も近い番号札を引き当て、意気揚々と山頂を目指しました。

一番乗りでライフルを手に入れれば優勝間違い無しです。

そして思った通り机の上にはまだライフルが在り、私はそれに手を伸ばしつつ妙な違和感を覚えました。

 

「・・・斧が無い・・・」

 

何か背筋に冷たいものを感じながら、私はライフルを手に取って手近な木に登ります。

そして次に来る奴を狙おうとしたそのとき、頭上で「パキッ」と小枝が折れる音が。

 

「ギャアアアアアアアッッッ!!!!」

 

山頂付近に叫び声がこだまし、私は死体になりました。

肩口を押さえながら地面に転がる私が見上げた先で、不敵に笑う斧先輩。

そして猿のような身のこなしですぐに斧先輩は消えてしまいました。

 

次に武器選択の場に来た奴は、ライフルを手にしたまま地面に転がっている私と、机の上に残っている武器を確認し、息を飲みました。

恐らく瞬時に状況を理解したのでしょう。

すぐさまハンドガンを選び取ると全力で山を駆け下りて行きました。

 

「ぐあああああぁぁぁぁっっっ!!!」

 

しかし奴の姿が消えた直後、叫び声が聞こえました。

斧先輩は虎視眈々と狙っていたのです。

私の位置からは見えませんでしたが、きっと奴はハンドガンを構える隙も無いままやられたに違いありません。

最後の奴が現れたのは、その叫び声と同時でした。

こいつはなかなかのキレ者です。

 

ハンドガンを選択した奴を囮に使ったということでしょう。

武器がマシンガンになってしまうというデメリットよりも、武器確保直後の隙を見せないというメリットを選んだこいつは、机の上からマシンガンを取るとサッときびすを返していきました。

 

その後、斧先輩が私の前をのっしのっしと歩いて通過して行きました。

そして机の上にマシンガンが無いことをチラリと確認し、ニヤリと笑いました。

 

数分後、タタタタタッタッタッタッッッという電動マシンガンの音が聞こえました。

 

そして。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛ああぁぁぁぁぁッッ!!!」

 

ゲーム終了後、斧先輩は「楽しかった」と言い残してすぐに帰ってしまいました。

私がやられた状況を説明すると、ハンドガンを選んだ奴も似たような状況だったことが分かりました。

射撃に有利な場所を選んで陣取ろうとしたところを狙われる、というパターン。

しかしマシンガンを選んだ奴は青い顔でこう言いました。

 

「俺が先に見付けたんだよ。だから撃った・・・でも、全部避けられた・・・そのあと、斧が飛んできて・・・」

 

斧先輩が今どこで何をしているのかとても気になります。