『かなり』

すっかり夏。

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オサムトライアングル

どうも、坂津です。

久しぶりに同級生と昔を懐かしむ思い出話をしていたところ、不思議なことが起きました。

 

坂津「そのときオサムがさぁ」

友A「いや、その場にオサムは居なかったろ」

坂津「え?居たよ居た居た」

友B「いや居なかったってば」

友A「だってオサムはそんとき骨折してたんだぜ?」

友B「は?違う違う。オサムと知り合ったのがそれの後だもん」

坂津「待て待て。ちょっと整理しようか」

 

私たちが『オサム』と呼ぶ友人。

これは本名ではなくあだ名です。

私たちには一般の人々に理解され難いあだ名で呼び合う習慣がありました。

もう彼の本名は忘れましたが、絶対に本名から『オサム』には辿り着かないはずです。

 

友人Aが記憶していた彼は、こんな経緯で『オサム』になったそうです。

昼食後の授業中、誰もが睡魔に襲われる時間帯。

そんなときAがふと横を見ると、きちんと背筋を伸ばし整った姿勢のままで寝ている彼を発見したのだそうです。

あまりにも良い姿勢で、しかも究極とも言うべき静かな表情。

崇高と表現しても差し支えないほどの安らかな寝姿に先生も苦笑い。

授業が一時中断され、皆が彼を見てクスクス笑います。

と、その時パチッと目を開けて一言「南無・・・」と言ったそうです。

先生も含めて教室中が大爆笑。

本人はキョトン。

そして彼のあだ名は『ぼんさん』→『ブッダ』→『オサム』になったそうです。

 

しかし友人Bが記憶しているエピソードは、全く違ったものでした。

当時はまだ珍しいパソコンに詳しかったオサム。

パソコン持ちからは絶大な信頼を得ていたそうです。

何か不具合があるとオサムに修復を依頼するというのが定番化していたんだとか。

そもそも高校生男子がパソコンを使うなんてのはエロいゲームをやる目的くらいしかありません。

それを自宅の共用パソコンなんかで使ってて起こるエラーは、家族に相談できるはずも無いのです。

そんな『他の誰にも頼めない』相手の足元を見た彼は、修復に報酬を要求するようになりました。

その姿が、無免許医であるにも関わらず法外な値段で手術を請け負うモグリ医師ブラックジャックに例えられるようになり『ジャック』→『黒男』→『オサム』になったそうです。

 

Aが記憶しているオサムも、Bが記憶しているオサムも、別人のように思えます。

そして私が記憶しているオサムもまた、まるで別人な気がするのです。

私が記憶している彼は、こんな経緯で『オサム』になったのです。

 

高校生の頃、ジッポ型のライターを格好良く点けるというのが流行ってました。

みんなで躍起になって挑戦していたのが『ライターを持った手を一度スウィングしたら火が点いている』という点火方法です。

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ライターを振り下ろす際に太腿に当てて蓋を開けます。

そして振り上げる際にまた太腿に当て、ホイールを回して着火します。

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この説明で伝わるのかな。

まぁしかしこれが本当に難しいんです。

 

んでなかなか上手くいかない中、とんでもない奇跡ミラクルを起こしたのが彼でした。

なんと、彼の手中からすっぽ抜けたライターが飛んで行った先の机の上で綺麗に立ち、しかも見事に着火されていたのです。

そこから彼のあだ名は『マジシャンズレッド』→『火の鳥』→『オサム』になったのでした。

 

坂津「これが私の知る『オサム』なんだが・・・」

友A「俺が言う『オサム』とは別人だな」

友B「僕の知ってる『オサム』とも確実に違うみたいだね」

 

つまり私たち三人の交友関係にはそれぞれ別々の『オサム』が存在しているということになります。

よくツルんでいた私たちですが、もちろんそれ以外の付き合いもあります。

この三人が共通で所属していたコミュニティの外に『オサム』は居るようなのです。

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図で表すとこんな感じでしょうか。

 

私たちは『共通のオサム』が存在しない可能性が大きいという事実に少なからずショックを受けました。

この事実に気付いたあとは口数も少なくなり、そして静かに解散しました。

いつの日か『三人のオサム』が一堂に会す場を設定しようと心に誓って。