どうも、坂津です。
先日ちょいとツイッターでも愚痴ったのですが、大変なメに遭いました。
仕事上でのお付き合いで、会食という名の飲み会が開催されることはよくあります。
オフィスを離れたところで育まれたオフレコの関係性も、やがてビジネスの場で欠かせない武器になることはよく理解しています。
お客様との絆を構築し、深め、太くしていくためにも、お酒の力を借りた方が良い場合があるということに対し「進んでやりたくは無いが受け入れるだけの理解はある」という納得をしています。
ただし。
それはあくまでも「お客様と私」ひいては「御社と弊社」の関係性を築くためのものであり、決して「お前とその女性」をくっつけるためのものでは無ぇんだよちくしょー!
(ノ゚ρ゚)ノ<あああああああーっ!
しかし始まってしまった会を終わらせることも、その場から立ち去ることもできません。
私はただひたすらにその時間が過ぎ去るまで耐えるしかないのです。
考えるのを止めて生物と鉱物の中間の生命体にでも成れれば良いのでしょうが、そんなことはできません。
しかも何が厄介かって、男女の人数を合わせてきていたんです。
女性を誰かに押し付けることができないんですよね。
必ず一人は担当しなきゃならないという。
空気的に。
で、なんやかんやあって、私がお相手させていただく女性が決まりました。
世間という名の樽で長期熟成され、経験という名のスパイスで複雑に仕上がった、濃厚で芳醇なその女性はハーレイ・クイン(HQ)さんとおっしゃる方でした。
一般的に見れば恐らくは魅力的な女性です。
対面する女性が魅力的であればある程、私の苦手意識は増大していきます。
何度も言うように私は、Z軸のある女性が苦手なのです。
■Z軸のある女性とは?
2次元の世界は「縦軸」と「横軸」、つまり「X軸」と「Y軸」だけで構成されています。
平面の世界ですからね。
そこに「高さ」という要素が加わると3次元、つまり我々が生活しているこの世界ということになります。
この「高さ軸」を「Z軸」と呼びます。
要するに、3次元に存在するリアルの女性という意味です。
そこで私は、HQさんに「私に対する興味を根こそぎ失ってもらう」よう努めました。
そうすればHQさんは自然と私じゃ無い方の隣側の会話に参加するようになり、私は孤独のグルメを堪能できると考えたからです。
努力その1:役に立たない知識を得意気に語りウザい奴を演じる
HQ「と言うわけでね、もうホント誰か助けてって感じなのよ」
坂津「なるほど。それは救われないですねぇ。救われないと言えば、スクワレンという油性物質をご存知ですか?スクアレンと言った方が分かりやすいかと思います。スクアーロがイタリア語で鮫を意味することはご存知かと思いますのでもうお察しかも知れませんが、鮫の肝油から抽出される成分です。女性にはお馴染の、よく化粧品などに配合されているスクアランは、このスクアレンに水素を添加したものであることは常識ですよね」
HQ「物知りじゃん高津さん!すごーい!」
坂津「・・・坂津です」
HQ「わたし鮫の生肝油のカプセル飲んでる~あれもスクアレンだよね?」
坂津「(しまった食いつかれた・・・)そうですね」
努力その2:汗を垂れ流しつつ意味不明な論理を展開する
実は私、条件が揃えばある程度自由に発汗することができます。
上着を脱げば適温くらいの少しだけ暑い室内で、腹筋とふくらはぎにグッと力を入れ続けていると数分後にはダラダラと汗が流れるのです。
普段は逆に汗をかかないよう努力しますが、今回は別です。
HQ「坂田さんすごい汗!」
坂津「・・・坂津です」
HQ「上着脱いだらどうですか?」
坂津「もしここで私が上着を脱いだとして、このお店にはどうやら上着を掛けるハンガーが無いようです。そうするとこの椅子の背に掛けなければいけなくなりますが、私はそれによってこの上着が型崩れするのが嫌なのです。服におかしなクセが付くくらいなら流れる汗を我慢しますよ」
HQ「おしゃれは我慢って言うもんね~すごーい!じゃあ汗拭いてあげる」
坂津「ッ(近い!!!)」
努力その3:妻大好きアピールで一途さを知らしめる
HQ「だからね、女なんてみんな腹では何考えてるか分かんないのよ」
坂津「それは女性一般のことですよね?私の妻は違います。断じて違います。私の愛する妻は才色兼備であることは当然として、品行方正であり文武両道であり天下無双であり傾城傾国であり一騎当千であり完全無欠であり、その上ラブやんです。この世に奇跡があるとしたら、それは妻という存在です。つまり私は妻に対してぞっこんLOVEであり、かつ、しこたまLOVEなのです」
HQ「奥さんに一途な人って素敵だよね~若島津さんすごーい!」
坂津「・・・坂津です」
ダメでした。
私の努力はことごとく弾き返され、むしろ燃料を投下してしまったかのように会話が弾んでしまうのです。
勢いづいたハーレイ・クインさんは私のATフィールドを、まるでティッシュのように破いて侵入してきます。
しかも、名前を間違い続けながら。
私は心の中で顔も知らない神様にSOSを出し続けました。
しかし苦しい時の神頼みなぞ、聞いてくれるハズもありません。
私のライフゲージがそろそろゼロに差し掛かってきたそのとき、ミラクルは起きました。
HQ「坂乃上さんてホントにスタイリッシュできちっとしてるわよね~」
坂津「いえいえそんな。わたくしサカノウエはハーレイ・クインさんが思っているような人物ではありませんよ。アニメオタクですし」
HQ「(・◡・;)?」
坂津「ほら、見てくださいよこのスマホ。壁紙の女の子めっちゃ可愛いでしょ?」
HQ「(・◡・;)!」
その後、2~3の会話を交わし、それっきりハーレイ・クインさんは流れるような自然さで向こう側の会話に加わるようになりました。
私は解放されたのです。
静かに料理を食べ、静かにお酒を飲み、たまに飛んでくるお客様からの会話砲を華麗に受け流し、ラストオーダーまでの時間を過ごしました。
妙齢の女性を遠ざけるにはどんな策を弄するよりも、アニメオタクであることを全面に押し出すことが最も効果的であるということが判明致しました。
めでたしめでたし。