どうも、坂津です。
坂津「ただいま~」
加納「お帰りなさい」
坂津「いやぁ、思ったより大変な出張だったよ~」
加納「目の下のクマがスゴイですもん」
坂津「だよねぇ。まぁ私は元々クマがちだけどね~」
加納「そんなお疲れのところすみませんが」
坂津「んむ。聞こうか」
↑この記事はこれの続きです。
加納「実はですね・・・本間先輩とのことなんですが・・・」
坂津「え?本間さんのことなの?」
加納「はい。実は・・・」
坂津「ちょっと待ってストップストップ」
加納「え?」
坂津「えー、そんな暗い硬い表情で、話題が本間さんなの?」
加納「・・・えぇ・・・はい」
坂津「うーわー・・・いや、聞こうか・・・」
加納「はい。実は・・・」
大きく深呼吸をひとつ。
加納「結婚することになりまして・・・」
坂津「だよねぇっ!? びっくりしたよもぉー! 心臓に悪いよもぉぉぉ! 笑って報告してよぉぉぉ寿命縮むわ! 毛ぇ抜けるわぁ!!(笑) いや抜けんけども!(怒)」
加納「いえ、それがですね・・・」
坂津「ほん?」
加納「それが、その・・・順番が・・・」
坂津「・・・あっ」
加納「本間先輩、妊娠してまして・・・」
坂津「やったなオイ! でかした加納くんッ!! ジオン十字勲章モノの大手柄じゃないか!!」
加納「えっ」
坂津「いやぁめでたいめでたい!それ私は聞いたことになってて良いの?本間さんには」
加納「え、えぇ、構いませんけど・・・僕から話すって言いましたから」
坂津「そっかそっか!後でこっそりオメデトウ言わなきゃなー!!」
加納「なんだか、拍子抜けです」
坂津「ん?」
加納「課長のことですから責めはしないと思いましたが、まさかここまで手放しで喜んで頂けるとは。やっぱり世間一般的には順序が逆ですし、少しは苦い顔をされると思っていました」
坂津「ん~、良いかい加納くん」
加納「はい」
坂津「順序と言うものは、それを経て辿り着くべき場所があるからこそ、順序なんだ」
加納「はい」
坂津「その先に何も無いんなら、順序なんて存在しないからね」
加納「分かります」
坂津「加納くんは
加納「僕は先にご飯に醤油をちょっと垂らして、その上に黄身だけ乗せます」
坂津「意外と贅沢だなおい」
加納「もちろん白身は捨てずに別途使いますよ?」
坂津「そうか。なら良い」
加納「何の話でしたっけ?」
坂津「順序の話だよ。さて、味覚なんて人によって違うだろ?」
加納「そうですね」
坂津「私は、白身も黄身も醤油も先に別皿で混ぜて、それをご飯にかけるのが美味いと思っている」
加納「なるほど」
坂津「加納くんと私、手順は違うけど、どっちがより美味しい
加納「そう思います」
坂津「どっちが美味いかなんて比べる方がナンセンスさ。家族を持つということも、同じだよ」
加納「それ、一緒にして良いレベルの話ですか?」
坂津「事柄自体は一緒にしちゃだめだけど、順序の部分だけ切り取ればってことね」
加納「なるほど」
坂津「とは言え、ご両親の前でこれを主張しちゃだめだよ?」
加納「さすがにそれは分かります(笑)」
坂津「ま、中身じゃなくて順序にだけコダワルような奴ぁロクなモンじゃねぇ。結果で示せばそれで良いんだよ。んで、君はそれができるだろ?」
加納「精一杯がんばります」
坂津「一人で頑張るんじゃなくて、二人でな」
加納「ありがとうございます」
坂津「んで、今どのくらいなの?」
加納「もうちょっとで3ヶ月です」
坂津「マジか。ご両親へのご報告とご挨拶は?」
加納「10月の連休で」
坂津「そっか。じゃあ、今日から死に物狂いな」
加納「え?」
坂津「忘れたわけじゃあるまいね?」
加納「いやいやいや、忘れてはいませんけど、え?・・・どういうことです?」
坂津「君の昇級試験、10月頭にセッティングするから」
加納「無理ですよそんなの」
坂津「しかも主任は飛ばして係長に挑戦しようか」
加納「あの、聞いてます?」
坂津「不服なの?功績を称えて二階級特進だぞ?」
加納「いや、絶対受かりませんって」
坂津「でも受かってから行けば、すんげぇ自信になると思うけど」
加納「落ちてからだと逆効果ですよね・・・」
坂津「大丈夫だって。加納くんなら受かるから」
加納「でも・・・」
坂津「まぁとりあえず持ち帰って、本間さんとも相談してみ?」
加納「はい・・・」
坂津「あ、もしもし?本間さん?」
本間「おかえりなさい課長」
坂津「聞いたよ~」
本間「そですか~。お恥ずかしい」
坂津「何を恥ずかしがることがあろうか!いや、無い!」
本間「テンション高い(笑)」
坂津「いや、マジでおめでとう。素晴らしい。ジオン十字勲章をあげます」
本間「私、連邦所属なんで」
坂津「ぐぬぬ。んでさ、加納くんなんだけどね」
本間「はいはい?」
坂津「昇級試験、勧めといた」
本間「ありがとうございます」
坂津「10月の第一週目で考えてる」
本間「早ッ!え、そんなことできるんですか?」
坂津「ん~?できるんじゃない?」
本間「なんて適当な(笑)」
坂津「でも本人がちょっと怖気づいてる節があってね」
本間「じゃあお尻を叩いておきましょうか」
坂津「そう願う」
本間「色々ありがとうございます」
坂津「全力で応援するから、何でも言いなね」
本間「はい!」
と言う訳で、加納くんの昇級試験の勉強に付き合うことになりました。
これから毎日みっちりと、手取り足取り指導です。