どうも、坂津です。
唇の裏側に隠してあるのが、必ずしも頬笑みの爆弾であるとは限りません。
私は口内炎を隠し持っております。
それから、「実は真面目な一面」も、隠し持ってるんですよ?
「だが坂津、てめぇに
という方はそっ閉じでお願いします。
※この記事は、我が社の新人さんに向けて、私が指導した内容をまとめたものです。
まず、私がこれから研修で皆さんに伝えることは、この会社でしか通用しないことというわけではありません。
この考え方を身につけていれば、例えば転職したとして、その先の会社でも必ず役に立ちます。
自分の社会的価値を上げるための「仕事との向き合い方」だと思って聞いてください。
さて、皆さんは『仕事』についてどのように考えていますか?
自分と仕事との関係性には、次のような5段階があります。
【仕事から逃げる】
仕事が嫌で嫌で仕方が無い人、居ますよね。
私も若かりし頃はそうでした。
その嫌な仕事を、例えば誰かに押し付けたり、無理やりに無かったことにしたり、煙に巻いて有耶無耶にしたりして、結局自分でやらない。
これが「逃げる」ってことです。
会社を辞めるとか異動願いを出すとかは、別に逃げるとは言いません。
自分の業務範囲である仕事なのに、自分でやらないことが「逃げる」なのです。
どんなに華麗に逃げたとしても、自分の仕事を自分でやらなかったら、それは逃げたことになります。
自分がやるより出来る人に任せた方が結果的に良いという判断であったとしても、それが自分の仕事であったなら自分ですべきなのです。
そもそもその仕事が自分の業務範囲であることがオカシイと思っていても、その状況をどうにかするまで、それはずっと自分の仕事として在り続けます。
大抵の会社には、実に上手に「自分の仕事から逃げる」人が居ます。
しかし、それは別に羨むようなスキルではありません。
憐れんであげましょう。
基本的に仕事というものは、基礎練習や筋トレのようなものです。
サボればサボっただけ、いざという時に役立たずになってしまいます。
【仕事に追われる】
本当は、仕事は追ってきません。
追われているという状況は、何らかの不具合が発生しているというアラートです。
業務量と人手が合っていないとか、オートメーションが上手く組めていないとか、そもそも方法が間違っているとか。
しかし、業務量に圧倒されているとそこに気付くことができません。
忙殺とはよく言ったものです。
別に忙しさに殺されている状況って意味ではなく。
忙しいというのは「心を亡くす」と書きますね。
つまり「心を亡くすから殺される」んです。
ここで言う心とは、「どこを直せば業務が改善するのか」「この状況の原因は何か」という視点のことです。
ちなみに「忘れる」という字も「心を亡くす」と書きます。
忙しいから忘れる。
忘れるから忙しい。
どちらも同じことなので、肝に銘じておいてください。
【仕事を追う】
要するに「先回りする」ということです。
これが出来るようになると、とてもスムーズに仕事をこなすことができます。
簡単に言えば「明日やってもいいことを、今日やる」ということです。
指示や命令を待つのではなく、自ら問うということです。
問う内容も「どうすれば良いですか?」ではなく「このように考えますがどうでしょう?」と言えるようになってください。
また、このレベルで仕事ができるようになるためには、自分の業務範囲だけでなく、その前後にまで視野を広げる必要があります。
自分が担当すべき仕事は、誰かの手を通ってそこまで運ばれます。
また、自分がした仕事は後工程の誰かに渡っていきます。
自分が仕事を受けるとき、どのような様式で受けるのが効率が良いのか、それを実現するためには、前工程に対してどのような要求をすれば良いのかを考えましょう。
また、後工程に対しても、どのように渡すことが最善なのかも配慮しましょう。
これが全ての部門で行われることで、組織全体の機能が向上します。
仕事を追うとは、こういうことです。
入社3~5年で、このレベルに達することを目標にしてみてください。
【仕事を創造する】
これは非常に難しいことです。
しかし企業という組織において、仕事を創造できる人材が居ない場合、その企業はやがて
仕事というのは
考えてみれば、今みなさんがやっている仕事も、誰かが創出して与えてくれているものです。
自力でその仕事を生み出すことを想像すれば、どれだけ大変なことかは分かると思います。
このレベルになると世界の見え方が変わりますので、仕事から逃げている人や、仕事に追われている人とは話が噛み合わなくなります。
噛み合わないというのは、「相手の言っていることは理解できるけれど、こちらが言うことを理解してもらえない」という意味です。
とても歯痒い思いをすることも増えると思います。
恐らく社内だけでは会話が成立する人数も限られてきますので、同レベルで意見交換ができるネットワークを、社外にも構築して情報収集することも必要になるでしょう。
【仕事を与える】
これまでのレベルで出てきた仕事という言葉は全て「自分の仕事」でした。
しかしこの段階では、それを人に譲渡、委任することが求められます。
間違ってはいけないのは、「仕事を教える」「引き継ぎする」という意味ではありません。
あくまでも「自分が創造した仕事」を、それを任せても良いと思える人材に「与え」なければなりません。
その適任の人材は、自分で育てなければいけないかもしれないし、自分で採用しなければいけないかもしれません。
とにかく、信頼と信用をできる対象が居ないことには始まりません。
また、この仕事を与えるという行為は、一方的であってはなりません。
与えられた側が、その仕事を通して成長し、人生が豊かになるような与え方をしなければなりません。
正直、このレベルの人とは滅多に出逢えるものではありません。
経営者が1,000人居たらそのうち1人居るか居ないかです。
ウチの社長?
安心してください、もちろんこのレベルの人ですよ。
【働くことが苦じゃなくなる仕事観】
で、結局のところどうやって仕事と向き合えば良いのか。
それは極めてシンプルです。
1.自分がどのレベルに居るのか把握する
まず自分がどの段階に居るのか、冷静に見つめ直してみましょう。
入社したてであれば、この段階になる以前の「仕事を覚える」「仕事に慣れる」という状態だと思います。
それから徐々に仕事を覚え、慣れてくると、最初の「逃げる」ことを覚えてしまったりします。
そうならないように気をつけましょう。
ちなみに私は「仕事を追う」を中心に、やや「仕事に追われる」部分もありつつ、若干「仕事を創造する」練習を行っているようなレベルです。
このように、明確に「ココに居る」ではなく、自分の位置には幅があると思ってください。
2.次のレベルを目指す
この5段階を見れば、次に何をすべきなのか一目瞭然ですね。
仕事が苦であると感じるのは、たったひとつのシンプルな理由です。
「先が見えなくてどうすれば良いか分からないから」
単純に仕事内容が嫌いだとか、合わない人が居るとか、そういう理由で仕事が苦だと思っている人は、その仕事を辞めれば良いと思います。
そんな状態で働くのは、当人にとっても会社にとっても不幸でしかありません。
どうしても相性というのはありますから、合わないと思ったら早く決断すべきです。
ただ、「得られるものは得てから辞める」ということを頭に置いてください。
ですから辞めることを決意したら、まずは「この会社で得られる知識、身に付けられるスキルはどれだけあるか」を真剣に考えてください。
それらを可能な限り自分のものにして、次のレベルを目指すために辞めましょう。
【まとめ】
「仕事=修行」なので、苦しいのが当たり前なんですけど、そこに喜びを見出して、その喜びの方が苦しさを上回れば良いだけの話です。
自分と仕事との関係性が向上していくことは、絶対に必ず喜びを伴いますので、一歩一歩階段を登っていくようにステップアップすることを意識しましょう。
また、仕事を単純に「お金を稼ぐための行為」「与えられた作業だけを処理する」と捉えて割り切っておられる方は、それもひとつの考え方として有りだと思います。
しかしそこには苦を補うだけの喜びは無いでしょうから、その考え方をしている限り、もし仕事を苦痛と感じても、対策はありません。
てなことを今年の新人さんへの研修でしゃべりました。
少しでも響いてくれたら良いなぁ。