あけましておめでとうございます、坂津です。
花粉症です。
くしゃみのし過ぎによってアバラを2箇所ほどヤッてしまい、重い物を持ったり笑ったりすると激痛が駆け抜けます。
また鼻粘膜の裂傷も回復の暇が与えられず、滴る鼻水は常にその色を紅に染めています。
瞳には常に涙が浮かび、眼球は真っ赤に充血していますが、しかし通常の3倍の厚みになった瞼によってそれは隠匿されています。
「はくしょんッぐああぁぁぁー・・・」
「へっくしょいぎゃああぁぁー・・・」
くしゃみの度に露骨な肋骨が軋み変な声が出ます。
私が鼻をかんだティッシュはその全てが真っ赤なのでゴミ箱が異常事態です。
マスクが欲しいよう。
普通のじゃなくて、なんかすごいやつ。
そもそも花粉症というのはつまり、私の体が花粉を敵と見做して攻撃を仕掛けているということなんですよね?
この争いを好まない平和主義の権化である柔和な私が?
待て待て私の体よ。免疫力よ。
花粉は私の敵では無い。
まずは受け入れるところから始めてみようじゃないか。
触るものみな傷つけるようなナイフみたいに尖ったギザギザハートは一度忘れてごらん?
「ぶええぇーっくしょいッ痛ダダダダダ・・・」
ダメです。
説得に応じてくれません。
こうして諦めかけていた私に、一筋の光が差し込みました。
URLが「hayhever(花粉症)」になっているというニクイ演出。
ウェールズ(イギリスの地方)の歴史を研究されているたなかさんの記事です。
こちらのエントリによると、どうやら「病は気から」というあの超有名な法則が、花粉症にも有効だとおっしゃるのです。
確かに、自分が花粉症であると認識した21歳の春、あの日以来、症状が酷くなることはあっても良くなることはありませんでした。
自分が花粉症だという思い込み、その精神的負荷によって私の花粉症は重症化していったに違いありません!
そうだ、きっとそうだ!
たぶんアバラも無事です!痛くないはず!
鼻血も出てません!
おめめもパッチリです!
嘘です。
重症です。
意志の力の効果は充分に理解していますが、こればっかりは認識の切り替えにちょっと時間が掛かってしまいそうです。
と思って帰宅したその夜、妻が「あい」と言って金色の箱を手渡してきました。
正直なところ、私は鼻炎薬があまり好きではありません。
起床時の倦怠感とか日中の眠気とか。
しかし妻がせっかく買ってきてくれたものを、私のわがままで試さないわけにはいきません。
説明書を熟読すると「寝る前に飲んだら1日中効くよ」と書かれていました。
そんなに都合の良いことがあるわけない。
そう思いながら錠剤を取り出すと、なんとも小さな粒なのです。
びっくりするほど小さい。
しかもこれをたった1錠しか飲まないって?
もう完全に疑惑しかありません。
妻へのジェスチャーとして私はこの小さな小さな錠剤を嚥下せしめ(˘ω˘)スヤァしました。
箱に刻印されている「sato」は、あの佐藤製薬ってことですよね。
ユンケルで有名なあのサトウ製薬です。
良く見たらサトちゃんと命名された象も居ます。
あのピンクの象。
あれ?ピンクだっけ?
ん?サトちゃんってピンクか?
なんかオレンジだった気がする。
でも私の脳内には確実にピンクのサトちゃんが存在しています。
気になりだすともうどうにも頭から離れません。
忘れようにも忘れられない。
私はおもむろに布団を跳ねのけ、押入れをゴソゴソします。
確かむかし、ドラッグストアでサトちゃんのストラップを貰ったことがあったハズです。
かなりの時間をかけて探しました。
そしてようやく見付けたのです。
そうか、ピンクの方はサトコちゃんていうのか。
私は自分の記憶違いでなかったことに安心し、再び布団に潜り込みました。
抱いた疑問が解決するというのはとても気分がスッキリするものです。
翌朝、私は快調に目覚めました。
いつにも増して素晴らしい朝です。
鼻も通っています。
サトコちゃんを探しだしたスッキリ効果がこんなにも続いているとは。
出勤しても、私はマスクを非装着でした。
それでもくしゃみはおろか、鼻水が垂れることもありません。
不思議と目の痒みも和らいでいます。
まさかサトコちゃんを見付けたことによる精神的な解放感によって覚醒した私の精神力が、たなかさんのおっしゃる「花粉症も気から」を成し遂げたということでしょうか。
いやぁ、人間の精神力というのは本当にすごいですね。