『かなり』

干支に入れてよ猫

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その事件は夜のお店で起きた

どうも、坂津です。

先日、会社の忘年会がありました。

1次会は普通に2時間、ワイワイやって終了。

2次会はカラオケで2時間、ピーヒャラやって終了。

事件は3次会のスナックで起きました。

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いわゆる「女の子がお酒に付き合ってくれるお店」というやつです。

男性客を相手にホステスさんが馬鹿高くて薄いお酒を注ぐお店です。

行きたくないのに上司に強制連行されてゲンナリするパターンです。

 

何度も申し上げているので、ご承知の方もいらっしゃると思います。

私は三次元立体女性が苦手であり、こういうお店は避けたいのです。

意志の在る、自我の在る、実体の在る、Z軸の在る女性が苦手です。

漫画アニメ2次元サイコーの私にとってそこはまさに生き地獄です。

 

夕方まで普通に仕事してから忘年会とか気力も体力も限界なんです。

本当なら2次会すらキャンセルして颯爽と家に帰りたかったのです。

しかし若い衆に執拗に誘われ嫌々ながらカラオケ店を目指しました。

ようやく解放されたと思ったのも束の間今度は上司に捕まりました。

休日出勤後である私と、忘年会のためだけに意気揚々と現れた上司。

 

私だけネクタイを締めていて上司3人は私服という変な集団でした。

「坂津は遊ばなさ過ぎだ!今夜はとことんハメを外して楽しもう!」

デラックスなお世話でありナンセンスなお気遣いであり不毛でした。

「ああ、俺俺。これから4人で行くけど、大丈夫?空いてるかな?」

既に頭数にカウントされ予約もされてしまったので逃げられません。

「新しい子も入ってるそうですよ社長!さ、急いで行きましょう!」

ちなみに上司と言うのは部長と常務と社長の3人で全員妻帯者です。

 

なんやかんやあって1人に1人ずつ女の子が付くことになりました。

各上司の姿を写メってそれぞれの奥さんに送信、できませんでした。

私に付いてくれた女の子は近所の大学に通う21歳という設定でした。

こんな場所で語られる個人情報など2次元のキャラ設定と同じです。

私は「華音(かのん)」と名乗る自称女子大生に向かい言いました。

 

坂津「まず始めに言っておきますね。私はこういう場所が苦手です」

華音「そーゆー人ってお兄さん以外にもわりと居るから大丈夫だよ」

坂津「上司が満足したら帰りますのでそれまで適当に飲みましょう」

華音「お兄さんお仕事は何系?お名前は何て呼んだら良いのかな?」

坂津「ごく普通の事務屋で中間管理職です。名前は坂津と申します」

華音「坂津さん?・・・坂津さんって、もしかしてアノ坂津さん?」

坂津「私には貴女のようなお知り合いは居なかったと思いますけど」

華音「坂津って、ほら、あの、ブログ書いてない?はてなブログ!」

坂津「ブフゥーッ!!」

華音「だってそのカバン!缶バッチが付いてるし!絶対そうだー!」

坂津「Σ(; ゚Д゚)ッ!!」

まさか本当にこんなことが起きるとは夢にも思っていませんでした。

自称「華音ちゃん」はニヤニヤ笑いながらギュッと寄ってきました。

私はソファの肘掛と彼女に挟まれて距離をあけることもできません。

 

華音「ふーん。へぇー。そっかー。これが坂津課長かー。なるほど」

坂津「あの、華音さん?華音さんも、はてなブロガーなんですか?」

華音「それは秘密!だって私のアドバンテージが無くなっちゃうw」

坂津「いや、何のアドバンテージも発生していないので悪しからず」

華音「それはどーかな。ふふふふ。ねぇ坂津課長、このこと書く?」

坂津「ブログにですか?書きませんよ。面白くもなんともないです」

華音「えぇー。書いてくれなきゃ私、何かしでかしちゃうかも!?」

坂津「待て。君に何が出来るというのか。ハッタリも大概になさい」

華音「書いてよ!友達に自慢する!私が『かなり』に出るよって!」

坂津「書かん!てゆーか仮に書いたとしても何の自慢にもならん!」

華音「書いてくれなきゃ坂津課長の有ること無いことバラすもん!」

坂津「君は私を何も知らないし、そもそも無いことはバラせない!」

華音「ヾ(。`Д´。)ノ彡」

坂津「Σ(; ゚Д゚)ッ!!」

 

彼女はガッと私の手を掴み、自らの胸に私の手のひらを押し当てた。

一瞬の硬直の後すぐさま手を引っこ抜いた私でしたが時すでに遅し。

 

華音「やーん。坂津課長に胸もまれたー!もうお嫁にいけなーい!」

部長「お、坂津!やるなコノヤロウ!奥手だ奥手だと思ってたら!」

常務「宴じゃー!記念じゃー!ママ、ボトル入れよう!新しいの!」

社長「ねぇ雅ちゃん、ホント頼むよ。LINEだけでいいから、ねぇ?」

 

なぜ急に入ってくるのか上司達よ。そして社長だけガチで必死だな。

 

坂津「分かった、書く。だから物理的な攻撃は無しにしよう。な?」

華音「ひどーい!攻撃じゃ無いでしょ今のは!喜ぶところだよっ!」

坂津「それは失礼。大変な光栄に預かり恐悦至極だが二度とするな」

華音「てか坂津課長って、ブログのイメージと同じ過ぎてウケるw」

坂津「私もその気持ちを味わいたいから君のブログを教えてくれよ」

華音「ヤダwそれより書いてよね!華音ちゃんの胸を揉んだって!」

坂津「起きた事実をありのままに描写することをお約束しましょう」

 

退店後、部長は別会場の4次会へ合流し、常務は更にディープなお店へ私と社長を誘うものの私はこれを固辞。

常務が1人で何円ポッキリだかのお店へと消えてゆく後ろ姿を見送りつつ、結局うまくあしらわれ続けた失意の社長を慰めるべく一緒にラーメン屋へ。

 

麺もそこそこに焼酎を呷った千鳥足の社長をタクシーに詰め込み、これでようやく帰宅できたのでした。

 

と、言う訳で自称「華音」とやら!

書いたからな!

もうこれでおしまいだぞ!

どうせ上司に連れてかれただけの店だから、所在地も、店名すらも覚えてないんだ!

もう会うこともないだろう!

私はこのことを、野良イヌにでも噛まれたと思って忘れる!

だから君も、通行人その1に噛みついたと思って忘れなさい!

 

ちなみに「書かされている」ことを強調したくて、当該部分には文字数制限という窮屈なルールを自分に課して書きました。

無関係な方々には大変読みづらい変な記事だったと思います。すみません。

 

それと、着衣状態の女性の胸部に触れたことの無い方に申し上げておきますが、2次元でよくある描写のような「むにっ」とかを期待してはいけません。

ブラジャーは我々男性の想像以上に女性の胸部を保護する能力に優れております。

 

それからご心配される読者の方もいらっしゃるかと思いますので先に申し上げておきますが、この事件は帰宅するなりすぐに妻にありのまま報告しておりますので、この記事を読んだ妻が不機嫌に、などということはございません。

むしろ爆笑エピソードとして記憶されましたことをご報告いたします。