『かなり』

干支に入れてよ猫

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愛しさと切なさと心苦しさと

どうも、坂津です。

先日の記事を読んで下さった方はご存知かと思いますが、わたくし年甲斐も無く部下に当たり散らしてしまいました。

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でもでも、相手の携帯に電話掛けといて「いらっしゃいますか」ってオカシイですよね?

しかも、上司に電話掛けといて「大した用事じゃない」って失礼ですよね?

挙句、まるで私の管轄では無い件ってひどくないですか?

 

しかし私は敏腕の中間管理社畜です。

 

中間に位置する私は「人望」というやつを武器、または防具にしなければ、上からの圧力と下からの突き上げによって瞬殺される立場です。

 

キレてしまった後のフォローは忘れませんよ。

 

物理的に遠く離れた地で現地採用された新人が、顔も知らない本社の上司に電話を掛けるなんて、すごく勇気の要ることだったでしょう。

 

しかも営業所の適当な先輩に「よく分かんないことはとりあえず本社の坂津さんに電話してみな」とか言われてたんでしょうね。

 

新人君は何も悪くないはずです。

 

心が落ち着いた後の私はまるで菩薩のように安らかな表情で新人君が所属している営業所へ電話を掛けました。

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坂津「あ、もしもし、新人君いる?」

 

営業「坂津さん、お久しぶりです。新人ッスね、ちょっと待ってください」

 

新人「あwせdrftgyふじこlp・・・」

 

坂津「そんなに焦らなくても良いよ。昨日はすまなかったね」

 

新人「・・・?あ、いえ、トンデモありません」

 

坂津「営業所勤務だと備品とか勤怠とか、本社管理のことがよく分からないのは当たり前だもんな。大声を出したりして悪かったよ」

 

新人「・・・?は、はい。ダイジョウブです」

 

坂津「?君、昨日の新人君だよね?」

 

新人「はい!そうです!昨日はすんませんッシタ!」

 

坂津「いやいや、それは良いんだよ。君は、えーと、今は事務をしているのかな?」

 

新人「・・・?はい。ジムです!」

 

坂津「そうか。どう?慣れた?」

 

新人「・・・はい?何にでしょうか?」

 

坂津「い、いや、仕事に、だけど・・・」

 

新人「いえ!まだ慣れていません!難しいことばかりです!」

 

坂津「そ、そうか。じゃあ先輩に色々教えてもらわなきゃな」

 

新人「・・・はい?何をでしょうか?」

 

坂津「まぁ、その、仕事・・・かな」

 

新人「はい!教えてもらいます!」

 

坂津「ねぇ新人君、きみ今さ、何かしながら電話してる?」

 

新人「・・・?何をでしょうか?」

 

坂津「いや、それはコッチが聞いてるんだけど・・・」

 

新人「大したことではありません!」

 

坂津「何かしてるってこと?」

 

新人「・・・え?何をですか?」

 

坂津「さっきの営業君に代わってくれる?」

 

新人「はい!シツレイします!」

 

営業「もしもし、代わりました」

 

坂津「ねぇ、新人君て今ナニしてる?」

 

営業「仕入先のカタログを見てるようですが・・・あ、漫画読んでやがる!」

 

坂津「ちょっと代わってくれる?」

 

新人「あ、お疲れ様です!」

 

坂津「ナニ読んでたの?」

 

新人「カタログです!」

 

坂津「いいから。何を読んでいたの?」

 

新人「・・・すんません」

 

坂津「いや、謝れって言ってないでしょ。何を読んでいたのか言いなさい」

 

新人「・・・AKIRAです」

 

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坂津「お前それもっと早く言えよ!何だよもぉ何巻読んでんの?鉄雄とは戦ってんの?私もAKIRA大好きだよぉ!」

 

新人「マジすか!坂津さんやべー!今もう6巻なんで、読んだらまた掛けますわwww」

 

坂津「よっしゃ!待ってるわwww」

 

 

ほら、完璧にフォローできた。

もうこれで新人君と私は強い絆で結ばれましたよ。

 

新人君が電話の冒頭で焦ってたのは、漫画を読んでる所にいきなり先輩が来たからだそうで、私に怒られたことについては特に何も感じていなかったそうです。

それはそれで微妙ですが、新人類の性質については私の理解が及ぶところでもありませんので、放置します(笑)

そんなことよりも同じ漫画を好きだという事実の方が重いんです。

 

来月、新人君がいる営業所へ出張を入れました。

それらしい口実で。

 

お、どうやら全巻読破したらしい。

電話が掛かってきました。

 

 

新人「もしもし、お疲れ様です」

 

坂津「おう、おつかれ~♪」

 

新人「坂津さんいらっしゃいますか?」

 

坂津「・・・は?」

 

新人「いやぁ、AKIRA読みましたわ」

 

坂津「・・・うん」

 

新人「親戚のオッサンから読めって言われて、本がデカくて重いし最初は読んでなかったんスけど、いやー、読んで良かったっすわ」

 

坂津「だよな単行本でかいよな。で、どうだった?」

 

新人「重かったっすわ」

 

坂津「あぁ・・・うん、そうだよね・・・。面白かった?」

 

新人「良かったっすよ」

 

坂津「そ、そうか。どこが良かった?」

 

新人「表紙がカラフルっすね」

 

坂津「ん?んー、そうか。そうだね・・・あのさ、中身は?」

 

新人「あー、中身は白黒でしたね」

 

坂津「・・・そうだよね。なんか、もういいや。お疲れ様」

 

 

私は静かに電話を切り、そして出張の予定をキャンセルしました。

私の様な旧人類が、今後この世界を背負っていく新人類の方に対してこんなことを考えるのは筋違いなのかもしれませんが、どうしても禁じ得ません。

 

君、同年代同士だったら会話が噛み合うの?

 

漫画の話をしているときに「どうだった?」と聞けばそれはストーリーや絵柄などについてのことだと思うでしょ?何で答えが「重かった」になるの?そりゃ私が「内容は面白かったですか?」と聞けば良かったんだろうけどさ。そして「どこが面白かった?」と聞いたらこれまたストーリーとかセリフとか、場面のことになるんじゃないの?なんで「表紙のカラフルさ」が返ってくるわけ?で、そのあとに「中身」って言えば漫画の内容のことだと思わないの?中身って別に表紙に対する内側の紙の話じゃないからね?あとカラーのところもあったでしょ?いや違う、中身と言ったらストーリーのことだろ?そこまで言わなきゃいけないの?私の投げかけ方が悪かったの?

 

AKIRAという単語が出たときには愛しく思った新人君

あまりに会話が噛み合わなくて切なさを感じさせた新人君

八つ当たりで怒ってしまった申し訳なさで心苦しかったのに・・・

 

色々な感情を引き出してくれてありがとう・・・。