『かなり』

干支に入れてよ猫

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坂津氏 終了のお知らせ

どうも、坂津でした。

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これまでのあらすじ

 

 

 

「分かりました。じゃあとりあえず、出来る範囲で頑張ります」

 

「ありがとう!」

 

霧雨さんから営業配属の承諾を得た私は胸を撫でおろしました。

撫でおろしたのは、もちろん私の胸をです。

霧雨さんの胸を撫でていたら私は今頃警察か病院でしょう。

 

ともかく、新入社員の女の子に対して坂津フィルターを通した視線を浴びせまくっていることは事実なので、自嘲気味に自重しなくてはいけません。

 

しかし私はもう彼女を霧雨魔理沙としか見れない症状が発症してしまいました。

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ブログの効果ってすごいなぁと感心しています。

 

 

「じゃあ霧雨さん、ざっくり営業品目について教えるから・・・」

 

「え?キリサメ・・・?わたし桐谷ですけど」

 

 

しまったあああああぁぁぁぁっぁぁぁああああぁぁぁぁぁ!!!!!

 

 

そう、このブログでの霧雨さんは実は桐谷さんで、でも私の中ではもう完全に霧雨さんなのであって、しかし桐谷さんにはそんなこと知ったこっちゃない話で、つまり私は桐谷さんに霧雨さんと呼び掛けてしまったという完全なるオワタ\(^o^)/な失態をどのように誤魔化せばいいのかを秒で考えなければならない状態であるにも関わらず、それでも桐谷さんを霧雨さんとして見ることを止められないよハァハァ。

 

取り乱したのは内心で、それが態度にまでは出ていないことを祈りつつ、私は襟を正しました。

もちろん私のシャツの襟です。

彼女の襟を触ったりしたら私は今頃警察か病院でしょう。

 

 

「すまないね、桐谷さん。名前を呼び間違えるなど、社会人としてあるまじき失敗だった。許してくれたまえよドンマイ」

 

「あ、はい」

 

(あぶねぇ、ガチであぶねぇ・・・)

 

「では改めて・・・」

 

ガチャ「坂津さん、研修中にすみません」

 

「桐谷さん、すまないね」「どうしたんだい?手短に頼むよキミィ」

 

「入稿待ちだった女の子のデータ、送られて来ました」

 

「女の子ってだけじゃ分からんだろうキミィ。今の時期は女の子のデータだらけじゃないか」

 

「すみません、白黒の服の金髪の女の子が涙目で頬を上気させM字開脚で下着がこれでもかと食い込んでいるデータです。コレです」

 

ひらり。

机に置かれた紙には私の大好きな霧雨魔理沙がとんでもない姿でハァハァしているイラストがプリントされていました。

紙があるなら言葉で言わなくても良いと思うけど・・・。

 

「・・・そうか。分かった」

 

「はい。失礼します」ガチャ

 

「あー、お待たせしたね、霧雨さん」

 

「桐谷です」

 

「・・・すまないね」

 

「この子が、霧雨という名前なんですね?」

 

「ッ!?」

 

 

机に置かれたエロいイラストにはご丁寧に霧雨魔理沙と名前が印字されていました。

私は羞恥のあまり顔から火が出て目の前のエロい紙を燃やし尽くせば良いのにと思いながら小鹿のようにふるえました。

 

自らの失態に頭を抱える私に桐谷さんが問い掛けます。

あ、抱える頭は私のですよ?

彼女の頭を抱えたりしたら私は今頃警察か病院でしょう。

 

「私も、こういうのを売る営業をするんですか?」

 

「いや、違う違う。これは全然関係ないから。これは私が趣味でやってるようなものだから」

 

「・・・趣味?」

 

 

墓穴を掘るという言葉は、前部に「自らの」という言葉が入っていないと意味を違えてしまいますね。

私は華麗にマイ墓穴を掘削し、そしてそのままダイブしてしまいたい気持ちでした。

誰かその上から土をかけてください。 

 

 

こうなったらもう、開き直るしか道はありません。

 

 

「あのね、ウチの会社って割と自由だから、そこそこ売上になりそうなものなら何でも取り組ませてもらえんのよ。私はクソオタクでね、こーゆーのが好きなキモ男なんで、コレ系の市場が割と大きいことを身をもって知ってるのよ。自分がお金を使う側だからね。だから君もゴルフが好きなんだったら、そんな感じのものを新規に取扱って売っても良いんだよ?どうだい?楽しい仕事ができそうかい?」

 

 

「あ、定時なんで帰りまーす」

 

 

 

研修は残りあと6日間・・・。