『かなり』

干支に入れてよ猫

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驚愕からの恐怖からの後悔からの安堵からの修理

どうも、坂津です。

ホラー映画が好きです。

でも大きな効果音や叫び声、いきなりBGMが大音量、一瞬だけ怖い顔のアップ画像がインサートなど「びっくりさせる系」の演出は大嫌いです。

驚くけど、それは怖いってのとは違いますから。

そんなのは別に映画の中でやらなくても、散歩中に街路樹に隠れた友人が「わっ!」と叫べば済むのです。

特に何の仕掛けも無いのに、ただ見てるだけで鳥肌が立つようなのが好きです。

エグいのもグロいのも好きです。

そんな私に何かおすすめがあったら教えて欲しいです。

 

 

 

会社に置いてある複合機がちょっとだけ特殊仕様で、専用のサーバーに繋がっています。

印刷はそのサーバー経由で行われます。

というのも、画像を印刷したときに思った色にならなくて、それを調整するためにこの仕組みを導入しました。

さっき、印刷しようとしたら複合機がウンともスンともヌンとも言わないので、メーカーに電話してサービスマンに来てもらいました。

 

しばらく複合機をいじったあとにサービスマンが言うんです。

 

サ「サーバーに何かデータを入れていますか?」

 

私「こちらはそのサーバーについて何も操作していません」

 

サ「そうですか、では再インストールをしますので内部のデータが全部消えますが、問題ありませんね?」

 

私「・・・こちらは何のデータも入れていませんが、印刷色を調整したデータが入っているのではないですか?」

 

サ「それはその操作をした者に確認しないと分かりませんね」

 

私「・・・同じデータを印刷したのに昨日と今日で色が違うのは困りますよ?」

 

サ「それはその操作をした者に確認しないと分かりませんね」

 

私「・・・確認してください」

 

サ「前の担当者じゃないと分かりませんね」

 

私「は?」

 

サ「このまま印刷できないか、再インストールをするか、どちらかしか手段はありません」

 

私「だったら再インストールして、その後にまた同じ設定をしてもらえば大丈夫と思って良いですか?」

 

サ「それはその操作をした者に確認しないと分かりませんね」

 

私「・・・再インストールする前に色の設定を外部に保存できないんですか?」

 

サ「やればできると思いますけど・・・」

 

 

ここで私の堪忍袋が盛大に破裂しました。

それはもう盛大に。

普段の温厚な仮面をかぶった上から更に猫をかぶっている私からは想像もできないほど。

 

しかし、私はびっくりさせるのは嫌いです。

大声を出したり口悪く罵ったりするのは大人のやることではありません。

 

 

私「分かりました。再インストールもその他の修理も必要ありません。失礼ですがあなたの名刺を頂けますか?」

 

サ「・・・?つ[名刺]」

 

私「ありがとうございます」

 

営業所名を確認し、記載されている電話番号へTEL。

 

私「お世話になっております、営業所長はおられますか?」

 

サ「・・・ッ!?」

 

私「ああ、すみません、御社の複合機を利用させて頂いている者なんですが、エリアマネージャーのご連絡先を教えて頂けませんか?」

 

サ「・・・ッッッ!!!?」

 

私「いえ、たった今サービスマンさんにご来社いただいてご対応をお願いしているのですが、どうにも要領を得ませんので。ええ、はい。いえ、すでに所長レベルではお話になりませんので是非ともエリアマネージャーとお話がしたいと思いまして」

 

 

 

と言ったところで、私は左耳にあてた受話器から延びるコードを右手でたぐり寄せ、その先端をサービスマンにゆらゆらと揺らして見せた。

 

私「びっくりしました?あははは」

 

そう、受話器と本体を繋ぐコードを抜いて、あたかも電話をしているかのような芝居を打ってみたわけです。

 

サービスマンは短く「すみませんでした」と呟くように言い、恐らくは彼の持てる全力で修理にあたってくれました。

というか今も修理中です。

 

 

さて、私は批判の対象になるでしょうかね。

 

私としては、優しすぎたかと思うほどの処置でした。

本当に電話して違うサービスマンに変えてもらうように依頼することもできたし。

でもそうしなかった挙句、そうなってもおかしくなかったよという現実を教えてあげることまでしました。

冗談まじりに。

 

さっきまでは自分の出来る範囲内だけで処理しようとしていたサービスマンも、同僚か上司か知りませんがどこかに電話しながら処置の方法を聞きながら修理しています。

 

良かった良かった。