『かなり』

干支に入れてよ猫

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鼻毛の話

どうも、坂津です。

めっちゃ個人的な鼻毛・・・じゃない、話なのですが、いや、鼻毛の話なのですがね。

鼻毛が、伸びるんですよ。

 

個人差はあると思いますが、みんなある程度は伸びますよね?

んで切りますよね? 

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もしかしたらブラジリアンワックスとかで一気に殲滅、なんて方もいらっしゃるでしょうか? 

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ともあれ、鼻毛は処理されるべき対象であるという認識は、そう変わらないと思います。

 

で、何の話かと言うとですね、私が鼻毛を処理するのには『とあるタイミング』があるのです。

それは『毎週何曜日』などという決まった周期ではありません。

だって鼻毛が伸びる速度ってコロコロ変わりません?

例えば花粉の時期なんてものすごい速さで伸びますし。

別に私は吉良吉影きらよしかげの爪よろしく、鼻毛の成長を記録したりはしていません。

ただ、切るタイミングを計る『指標』があるだけなのです。

 

桜の開花って『標準木ひょうじゅんぼく』が5~6輪ほど咲いたら宣言されるんですよ。

それと同じように、私は自分の鼻毛に『標準毛ひょうじゅんもう』を設定しています。

その標準毛が覗いたら、それが切り取りのタイミングなのです。

 

さて、その標準毛についてもう少し詳しくご紹介しましょう。

それは私から見て右側の、上部中央あたりから伸びてくる逞しい1本です。

他の毛とはまるで比較にならないほど太く強いその鼻毛は、いつも脇目も振らず一心に外を目指して伸びます。

まるで他の鼻毛たちを率いて鼻からの脱出を試みているかのようなその雄姿に、私はいつしか彼のことを『隊長』と呼ぶようになっていました。※心の中で。

 

私は毎朝鏡に映る自分の右鼻を確認し、隊長が見えないか確かめます。

そしてチラッとでも隊長の姿を見つけたなら、その場ですぐに伐採を開始します。

他の鼻毛もろともに。

 

鼻毛用の小さなハサミでカットするのですが、隊長を切るときだけに感じる特別な手応えがあります。

他の鼻毛たちは「プチプチ」という感じで刈り取られていくのですが、隊長はまず、その太く逞しいキューティクルでハサミを一旦受け止めます。

「ガッ」という感触があり、そこから一段強く力を込めなければ切れないのです。

「バチンッ」と音が聞こえそうなほどの手応えで、隊長は切り取られます。

 

しかし隊長は切られても切られても伸び出ることをやめません。

諦めるということを知らない猪突猛進で血気盛んな隊長の姿勢に、私は少なからず畏敬の念を覚えていました。

愚直に、しかし日々確実に、前へ、前へ。

 

そんな隊長が、先日、ふとした拍子に、亡くなりました。

 

鼻がムズムズしたので、ティッシュでチーンと鼻水を取ったときのことです。

何かものすごい違和感を覚えた私は、恐る恐る、手の中でたたまれたティッシュを開いてみました。

そこには、太く長く立派な、あの隊長の姿がありました。

 

私「隊長ぉぉぉーッッッ!!!!」

妻「ナニどうしたのうるさいなぁ」

私「隊長が・・・隊長がぁ・・・」

妻「手のソレを捨ててから説明を」

私「隊長を捨てろって言うのか!」

妻「はっ!?それ鼻水でしょ!?」

私「カクカクシカジカで隊長がぁ」

妻「よくお聞き。旦那ソレは何?」

私「いつも立派に隊を率いる隊長」

妻「隊長は、何?」

私「鼻毛」

妻「捨てろや」

私「うん」

 

鼻毛の寿命はだいたい100日前後なんだそうです。

どれだけ伸びても、寿命を迎えると自然と抜け落ちてしまうんだそうで。

隊長はその天寿を全うし、鼻水とともにティッシュに包まれ、ゴミ箱へ召されたのです。

 

しかし実は私は、とある確信を得ていました。

 

だって鼻毛の寿命が100日とか言われましても、私と隊長との付き合いはそれより遥かに長いんです。

つまり、隊長の意思を継ぐ者が同じ場所からまた立ち上がってくるはずなのです。

あの隊長が何代目だったのかは分かりませんが、私と隊長一族との戦いは終わらないのです。