『かなり』

『芸術』の捉え方はそれぞれ

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妻との馴れ初め

どうも、坂津です。

今日は昔話を少々。

 

私は学問が好き過ぎて大学に5年行くという功徳を積み、社会に出ました。

坂津佳奈、23歳、春。

当時は「拘束時間中、職場に居れば良い」くらいの意識しか無いアホでした。

社会人とは何か、会社人とは何か、そんなことに微塵も興味を持たない、仕事をバイトの延長くらいでしか考えていないようなダメ社員だったのです。

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そんな私が最初に配属された先に、先輩として君臨していたのが妻でした。

妻は私より3歳年下ですがすでに社会に出ており、バリバリに働いておりました。

私としては年下の先輩という微妙な位置関係に、ちょっとやりづらさを感じていました。

 

当時、妻は「この人が居なかったら仕事が回らない」という絶対的な地位を確立しており、また生来の「手が抜けない仕事中毒」という気質もあり、アホゥな私とは正反対でした。

妻は職場で「ひめ」と呼ばれており、それはそれは尊敬されていたのです。

 

ひめ「ちょっと坂津さん、これ早く出しといてくださいよ」

坂津「んあ?へいへい。煙草1本吸ったらね~」

ひめ「ダメです今すぐに(ギロリ)」

坂津「は、はい・・・」

 

当時の妻は金色に近いような茶髪で、相貌は完全にヤンキーでした。

さらに今も健在であるところの、圧倒的なメヂカラを有しており、その視線で射抜かれると「従う」以外の選択肢がコマンド一覧から消え去るのでした。

 

現在はこんな感じの妻ですが

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当時はこんな感じでした。

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後になって判明するのですが、このヤンキースタイルはおしゃれであり精一杯の背伸びであり、別に本物のヤンキーだったわけでは無いのでした。

しかしそんなこと知る由も無い私は、とにかく怯えるのでした。 

先にも述べましたが、こんな妻に対して私は苦手意識しかなかったのです。

 

・早出残業あたりまえ

・休日出勤あたりまえ

・休憩無しが通常運行

 

今考えると当時の妻の、仕事に対する本気さは鬼気迫るものがありました。

ヤンキーのくせになんで働き者なんだよ!?

 

坂津「ねぇひめちゃん、もうちょっと楽しよーぜ?」

ひめ「あぁん?(ギロリ)」

坂津「いや、何でもありません・・・」

ひめ「坂津さんこれやっといてくださいねッ」

坂津「はい・・・」

 

しかし、しばらくすると妻の緊張の糸が切れてしまいました。

 

ひめ「辞めたい・・・」

坂津「ッ!?」

ひめ「しんどい・・・」

坂津「ひ、ひめちゃんはちょっと頑張りすぎだからねぇ」

ひめ「もうやだ・・・」

坂津「わ、分かった。何か美味しい物でも食べに行こう?」

 

とにかく職場全体が妻に頼り切っている状態でしたので、今すぐ辞められるというのは非常にマズイというのが正直なトコロでした。

妻に偏っている仕事を分配し、辞められてもダメージを最小限に抑えられる状況までは居てもらわなきゃ困ります。

私は仕事が終わるごとに、妻を隣に乗せてドライブに繰り出すようになりました。

仕事中毒な妻はきっと気分転換が下手だから、適当に連れ回してりゃどうにか誤魔化せると思ったのです。

 

しかし。

 

よく考えたら私は三次元女子が苦手中の苦手。

狭い車内で二十歳ハタチのヤンキー娘と二人きり。

気分転換どころか会話もままならない状態になっていました。

それなのに、妻は嫌がることなくドライブの日々は続きました。

 

ひめ「だから、商品の勉強会はもっと頻繁にすべきです」

坂津「そ、そうだねぇ」

ひめ「坂津さんもそう思うでしょ?」

坂津「ああ。モチロンさ」

ひめ「自分が心から良いと思える商品じゃないとお客様におすすめできません」

坂津「ワタシモ ソウ オモウヨ」

 

そんなある日。

いつものようにドライブしていると、私がすんげぇ事故を起こしてしまいます。

学生時代にも事故って1台廃車にした経験のある私は「あー、やっちまった」くらいの感じだったのですが、妻にとっては生まれて初めての事故だったようで。

相手の人と警察と私とでナンやカンや話し、自分の車のバンパーやヘッドライトなどを拾ってトランクに放り込みました。

その辺の処理が結構長くて、1時間くらい車外に居たと思います。

その間、妻はずっと助手席に座っていました。

ようやく片付き、私は運転席に乗り込みます。

車が走れる状態だったのが不幸中の幸いでした。

 

ひめ「・・・」

坂津「いやぁ、ごめんねひめちゃん」

ひめ「・・・」

坂津「怖かったよねぇ。ごめんごめん」

ひめ「・・・」

坂津「じ、じゃあ、帰ろっか・・・」

ひめ「・・・帰りたくない」

坂津「ッ!?(私は帰りたいィィ!)」

ひめ「・・・怖かった・・・」

坂津「そうだよね、ごめんね(帰りたいィィ)」

 

仕方ないので顔の無い車を走らせその場から移動しました。

どこかの店の駐車場で、妻の気分が落ち着くまで時間を潰します。

 

坂津「どう?少しは落ち着いた?」

ひめ「・・・坂津さん」

坂津「は、はい」

ひめ「私、坂津さんが好きです」

坂津「ッ!!(吊り橋効果だコレ絶対そうだぁぁぁ!)」

ひめ「・・・」

坂津「わ、私も、ひめちゃんのこと好きだよ?」

ひめ「それは恋愛対象として?」

坂津「ッ!!(人として好き作戦読まれたぁぁぁ!)」

ひめ「私は、男として坂津さんが好きです」

坂津「(ええいままよ!)もちろん私もひめちゃんが好きさ」

 

こんな感じで交際がスタートした私たち。

まぁ15年も昔の話ですし、これは私の記憶なので、もしかしたら妻が記憶している状況とは相違があるかもしれません。

しかしあの事故が無かったら、もしかしたら私たちは、夫婦になっていなかったかも知れないと、私は思っています。

 

 

というわけで、私の人生における「クリティカルヒット的な出来事」をキノさんのマイお題に寄せて書いてみました。

お題「クリティカルヒット的な出来事」

raiannka.hatenablog.com