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『かなり』

私が感じる「かなり」なことを徒然に。

秋の味覚?栗のことか・・・栗のことかぁー!!!

本間さん

どうも、坂津です。

このタイトルはお題を意識しただけで、本文とは何ら関係ありません。

午前中に今日分のエントリを書いていました。

背後に気配を感じて振り返ると本間さんが居ました。

本間さんは私の部下の女性従業員さんです。

しかし、私の背後は壁と窓なので、本来は人が居るハズが無いのです。

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PCモニタをじっと見ながら、私が気付いたのに気付いていない様子でした。

私はごく自然な立ち居振る舞いでスッと下書き更新をし、パソコンを仕事画面に切り替えました。

その後、伸びをするフリをして背後を振り返りましたが、そこにはもう本間さんは居ませんでした。

彼女はきっと忍者の末裔か何かです。

 

そして昼休みのチャイムが鳴りました。

 

本間さんがダバダバと駆け寄ってきます。

 

「課長!ピザが食べたいです!」

「なんだい藪から棒に・・・」

「ピザ!もうピザのお口になってしまいました!」

「それは“お前のせいだから驕れ”と、そう言っているのかい?」

「そんなつもりは毛頭ありませんがそのように解釈してくださると助かります!」

「でも、お昼はお弁当持ってきてたよね、確か。机の上にあるのは何かな?」

「蒸かした芋です!」

「そういうのはどこで覚えるんだ?嫌いじゃないけど」

「えへへ。ですよね。桐谷さんに教えてもらいました」

「そういえば今日、桐谷さんは?」

「出張なので、今日はいらっしゃらないんですよ~」

「そうか。じゃあ一人寂しく蒸かした芋を食べるのk・・・イタタタタ!」

「ピ・ザッ!」

「それ膝!痛い!膝!わき腹に!」

 

こうして乱暴狼藉を受けた上に強制的に無理やり、私の昼食がピザになりました。

 

「でも、昼休憩の時間内で注文から提供、完食して帰社って難しいと思うよ?」

「だから課長を誘ったんですよ?」

「は?」

「だって、上司と一緒ならちょっとくらい休憩時間が長くなっても怒られないじゃないですか、ウチの会社」

「本間さん、確かにそんな風潮があるよ。特に社長とかね。でも、だからと言ってそれが公認されているってわけじゃないんだよ。社会人である以上、時間はきっちり守らないといけないし、みんなが時間を守って働いているときに自分だけピザを食べたって美味しくないだろう?」

「今週、お菓子要らないです」

「よし、急いで行こう」

 

このブログの存在を知っている彼女は、それを社内に吹聴して回らないことの代償として、私に毎日の年貢(お菓子)を徴税(強奪)するのです。

 

行先はちょっとした隠れ家的な民家風イタリアンレストランでした。

カウンター4席と2人掛けのテーブル席が2組あるだけの小さな店です。

 

「急いで食べて急いで帰ろうな」

「はい!」

「じゃあ私は・・・クアトロフォルマッジだな。本間さんは?」

「私はぁ、ボローニャ風ミートソースのタリアテッレで!」

「え?」

「え?」

「タリアテッレって・・・ピザ・・・だっけ?」

「パスタですよ」

「だよね」

「ですよ」

「・・・うん。いいや」

 

ピザと、言っていた気がする。

女心と秋の空とはよく言ったものだ。

 

「美味ッしぃぃー!」

「美味しそうだねぇ」

「課長にはあげませんよ~」

「いいよ、私は自分のピザを待つし」

「ここ、注文受けてから生地こねるみたいだし、窯で焼いてるから結構時間かかるんですよね、ピザ」

「なんと!?」

「だからパスタにしたんですけど」

「さ、先に言ってくれよ!」

「ごちそうさまでしたッ!じゃあ私先に行きますね~」

「えー、そりゃ無いよ・・・」

「だって課長が先に行ってって。では、お先で~す」

「いや、先に言ってって!行ってじゃなくて・・・あー・・・」 

 

店から会社まで急いで8分。

ピザが出てきたのが休憩時間終了の20分前。

10分で食べて2分でお会計を済ませることが出来れば、間に合う!

 

「あっつ!・・・ハフハフ・・・あっ・・・ハフ・・・あっつ!」

 

極度な猫舌と猫手である私は、熱い物を持つことも食べることも非常に困難な体質であり、焼き立てのピザなど私にとっては地獄のメニューです。

ピザの生地は赤く熾った灼熱の鉄のように私の猫手を容赦なく焼き付け、4種のチーズはまるで溶岩のように私の口内に流れ込み猫舌を焼き焦がします。

しかし私は急がねばならない。

もう味など感じる余裕も無く、ただただ熱さに耐えるだけの拷問です。

ファラリスの雄牛です。

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ようやく地獄のフォルマッジを完食し、あとはお会計です。

休憩時間終了まであと12分!

なんということでしょう!

あの苦痛のフォルマッジを8分あまりで食したということか!

 

素晴らしい達成感と口腔内の激痛に苛まれながら、しかしそれでも私は意気揚々とレストランを後にしました。

 

「ごちそうさまでs・・・」

 

ドザァァァァァァァァーッ・・・・

 

女心と秋の空とはよく言ったものだ。

 

「私は一応折りたたみ傘を持って行ってましたけど、ギリギリセーフでしたよ!」

「ほほう・・・」

 

びしょびしょになった私に対して本間さんは明るく元気に自分の帰社状況を報告してくれました。

前髪からポタポタと滴る雨水の向こうに、ケタケタ笑う本間さんが見えます。

いいさ、そーやって笑い物にするが良いさ。

 

「はい、コレ」

「ん?」

 

あまりの予想外な行動に体が固まってしまいました。

あの本間さんが、なんと私にタオルを手渡してきたではありませんか!

一体どういう風の吹きまわしなのか!

これも女心と秋の空効果なのか!?

 

「あ、ありがとう」

「じゃあ私は席に戻りますので。風邪ひかないでくださいよー?」

 

 

 

本間さんはきっと天然なんです。

彼女の全ての行動は、別に悪気がある訳じゃ無いんだと思います。

びしょ濡れ状態の私にはエアコンの効いた事務所は寒過ぎて、ガクブルします。

それでも口の中はヒリヒリとしてまだ熱い(痛い)のです。

そんな状況で、私はこの記事を書いています。

寒く、痛く、そして雑巾臭い体で。