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『かなり』

私が感じる「かなり」なことを徒然に。

私の人格が形成されるのに重要な影響を与えていることが否定できない高校時代 の呆気ない閉幕

黒歴史

どうも、坂津です。

無事(?)に初演をやっつけた私は身も心も芝居に支配されていました。

そして次の公演までに部員を増やし、裏方との掛け持ちを無くすことで役者の負担を減らそうと画策しました。

その結果、私と同じく1年のスパイク(以下:山寺)と

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ブルー将軍(以下:古川)が

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入部してくれました。

 

これで10人です。

・クマ:3年生(部長)

・岩石:3年生

・天内:3年生

・玉子:2年生

・伊東:2年生

・武丸:2年生

・ダダ:2年生

・山寺:1年生

・古川:1年生

・坂津:1年生

 

そして月日は流れ、私は2年生になりました。

クマの後を継いで部長になったのは玉子でした。

皆様はもうお気付きだと思いますが、3年生のクマと岩石が抜けたことによって、炎激部はようやく「人間」に近付きました。

ダダがちょっと邪魔ですが。

 

入部から1年伸ばしに伸ばした私の髪の毛はしっかり三井寿になりました。

ただ、この頃の私は今よりもだいぶ痛い感じでして・・・。

キャップ帽を前後逆に(ツバを後ろに)してかぶり、サイズ調整用の穴の部分から髪の毛をボサッと出すのが通常スタイルという変質者でした。

良い感じの画像が無く、文字だけで伝わるか不安ですので図解を。

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こんな不審人物が勧誘をするので、新1年生、つまり私の後輩の入部は絶望的でした。

仕方なく部員募集の貼り紙をすることにしました。

 

『演劇部 部員募集』

・未経験者歓迎

・将来俳優や声優になりたい奴は絶対に入部すべき

・他校の女子とキャッキャウフフできるよ

 

こんなビラを貼りました。

灰熊先生に見つかって怒られるまでの間に4人の新入生が釣れました。

 

サイババ(以下:聖父)と

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鎌倉の大仏(以下:大仏)と

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飛影(以下:飛影)と

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花崗岩(以下:岩Ⅱ)です。

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せっかく岩石先輩が卒業したのに、まさか1年生にまた石属性が入ってくるとは。

 

聖父は常に笑顔で気の良い感じですが、真顔になると職質必至でした。

好きな食べ物は肉で嫌いな食べ物は草という不思議な生き物です。

 

大仏はとにかくエロいのですが、部室でエロ本を読んでいる時も常に悟った表情で眉一つ動かさずに黙々と閲覧していました。

たまにぼそっと「おっぱい」とか呟くのが怖かったです。

 

飛影は常に気配を消しているので見付けることができません。

呼んだときには必ずと言って良いほど真後から「・・・はい」と返事が聞こえて死ぬほどびっくりします。

 

岩Ⅱは、そこまで踏襲するのかよ、と言いたくなるほど無口でした。

岩石先輩と違うのは通訳が無くても一応会話ができるところ。

ほぼジェスチャーで、ですが。

 

 

・玉子:3年生(部長)

・伊東:3年生

・武丸:3年生

・ダダ:3年生

・山寺:2年生

・古川:2年生

・坂津:2年生

・聖父:1年生

・大仏:1年生

・飛影:1年生

・岩Ⅱ:1年生

 

3人卒業して4人入ってきたので増えました。

 

この年の台本はとても大変でした。

「早変わり」というのですが、一人で複数の役を演じるときの衣装チェンジがあり、苦労しました。

基本的に全員二役以上という過酷な台本で、幕が下りると同時に全員崩れ落ちるほどでした。

高校の新聞部を中心とした物語で、その部長が妄想する世界と現実世界を行き来するカオシックな舞台でした。

ちなみに配役は以下の通りです。

 

・玉子:新聞部長老、塾講師

・伊東:音効

・武丸:照明

・ダダ:新聞部部員、教師

・山寺:新聞部部員、ドクターマモー、壁のミミアリー

・古川:新聞部部員、五右衛門

・坂津:新聞部部長、峰不二子、教師、ムスカ、浮浪者、障子のメアリー

・聖父:新聞部幽霊部員、学生1

・大仏:新聞部部員、学生2

・飛影:新聞部部員、ファシスト

・岩Ⅱ:新聞部部員、官憲

 

ちなみに、去年と違って「音響」から「音効」になっています。

それまでは単に場面に合ったBGMを流す程度だったものが、役者の動きに合わせて効果音を付けるようになったので、この時期から呼び名が変わりました。

 

初めての一人六役と、台本3ページにも及ぶ長セリフ。

しかしこの頃の私は恐らく思考の機構が崩壊していたのだと思います。

台本に目を通した後フンと鼻を鳴らし「この私に出来ぬとでも?」と灰熊先生に高圧的な態度を取ってブッ飛ばされました。

 

早変りの原則は「下に着とく」です。

しかしさすがに6役分もの衣装を着込むことはできません。

舞台袖や大道具の陰など、客席から見えない位置で着替えることになります。

この着替えも、なるべく早く着替えられるように衣装に工夫を凝らします。

ボタンは全部スナップ式に変えますし、腕を抜かなくても脱げるように袖の下側もスナップボタンにしたりします。

寝たまま着せられるベビー服なんかが近いですね。

F1のピットインがごとく、舞台から引っ込むと数人で衣装を引き剥がすこともあります。

 

この時の私の衣装も“かなり”工夫されたものでした。

しかしこの脱ぎやすい工夫というのは諸刃の剣でもありました。

教師役のダダと取っ組み合うというシーンで・・・

 

勘の良い皆様ならもう、この後の出来事は分かりますよね。

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衆人環視の中で、六役の内の誰でも無い「裸」という衣装に着替えてしまった私は、しかし芝居を中断することはありませんでした。

このキャストオフを物語の一部にしなくてはいけません。

 

坂津「生徒を裸にしておいて、ただで済むとおもうなよ!」

ダダ「真実を晒すのが新聞の務めだと言ったな。お前の真実も見てもらえよ」

坂津「貴様!それでも教師のはしくれか!」

ダダ「何とでも言え!お前のせいで俺は終わりだ!せめてお前も道連れにしてやる!」

 

ダダの完璧なアドリブでした。

新聞部に不正を暴かれた教師が仕返しに、その新聞部の部長を剥く。

無理やりすぎる展開ですが矛盾はありません。

私とダダはそのまま縺れるように舞台袖へ退場しました。

 

初見の人には「そういう台本」に見えたハズです。

 

観客からの爆笑も取れたし、ストーリーの不自然さもありませんでした。

後で灰熊先生にガトリングパンチを喰らった程度で済みました。

 

 

これが私の炎激部時代です。

 

そして3年になり、部長になった私はますますエスカレートしました。

弓道部との草サッカーも健在でした。

学校の敷地全体を使った鬼ごっこも超楽しかったです。

 

しかしここで問題が発生しました。

 

この年の1年を勧誘するときの貼り紙に書いた「他校の女子とキャッキャウフフ」が現実のものとなったのです。

 

いや、元々そーゆーのはあったんです。

というのも、私たちが所属していた高校演劇協会のエリアは圧倒的に女子部員の数が多く、男子だらけのウチが異例中の異例でした。

で、公演のたびに親交を深めていけば誰でも自然とモテるのです。

あのクマ先輩とか岩石先輩だって「先輩、コレ・・・良かったら・・・」みたいな展開でお菓子とか手紙とか貰ってましたからね。

でもキャストオフ演出以降、他校の女子からのプッシュが強くなってきました。

 

仲間たちもみんな女子との交流を楽しんでいました。

 

もちろん私もドキドキワクワクしました。

しかし、私には「色恋沙汰は将来もできるけど、部活は今しかできない」という思いが強く、恋愛を第一に考えることができませんでした。

 

そんな私にも言い寄ってくれる子が数人居ましたが、それを断るのも一苦労でしたし、恋愛=即SEXみたいな脳を持つ年代の男女がお付き合いを始めてしまえば、そりゃ芝居に熱が入らないのも仕方ありません。

炎激部の火力は徐々に弱っていきました。

 

それもこれも部長である私が歯止めになれなかったからです。

言葉でどれだけ言っても、刹那的な快楽には勝てません。

 

「芝居」しか持たない奴と「芝居と彼女」を持つ奴との価値観の相違。

これが原因なのかも知れないと考えました。

私が彼女を作り、仲間たちと同じ身分になれば、私の説得も通じるかもしれない。

また以前の様な燃え盛る炎激部に戻るかも知れないと思ったりしました。

「私も彼女に会う時間を削って部活しているよ」と言えば、通じると思いました。

 

そして急きょお付き合いを始めた彼女の猛攻に耐えながら、どうにか芝居を続けました。

しかし一度綻んだ生地を縫い繋ぐだけの手腕は、私にはありませんでした。

 

部員たちをまとめることが出来なかった私の無力さを棚に上げ、私は女子を恨みました。

女子はその魅惑的な肢体を使って健全な男子の健全な活動を妨げる存在であるというバカげた妄執に取り付かれてしまいました。

この件で私は3次元の女性に対する興味を失うのですが、それはまた別のお話。

 

結局のところ、飛ぶ鳥を落とし生き馬の目を抜いていた炎激部は、恋愛にうつつを抜かす骨抜き野郎の巣になり果ててしまいました。

 

炎激部は、もう無いでしょうね。

普通の演劇部として、かろうじて生き残っているかもしれません。

もう、無いのかもしれません。

それを確かめるのも怖くて、母校には顔を出していません。

 

 

長々と書いてきましたが、私の高校時代をまとめるとこんな感じです。

・入学→入部→洗礼

・染まる→高まる→ハミ出す

・変人→変態→3次元怖いよう